哀悼 ~フジ子・ヘミングさんと私 | タカラヅカ Dream World

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3日前のこと。

 
朝、目が覚めて飛び込んできたのは、妙なるピアノの調べ。


TVで、ピアニストのフジ子・ヘミングさんが亡くなられたニュースが放送されていました。


フジ子さんは、99年・NHKのドキュメンタリー番組で一躍有名になり、私はその後の再放送を見て知りました。

詳しくないですが、私はクラシックも好きで昔からよく聞いていました。

 
ただ、ピアノは誰が弾いても同じに聞こえてしまって、あまりピアニストには興味が持てませんでした。


それが、フジ子さんのピアノの音を1小節も聞かない内に、文字どおり耳が釘付けになって。

 
「この素晴らしい音を出せる方は誰?」


と、なり、彼女のCDを聞き込むようになりました。
 

 
昔、私は、日常に特別何も起こらなくても、ただ普通に生活しているだけなのに、

生きていることがひどく苦痛に思える人でした。

そういう時にフジ子さんのピアノに出会いました。


 

TVから流れてくる「ラ・カンパネラ」

ピアノの音色の素晴らしさには、数々の苦しみや悲しみが込められていて。
それは、心を超えて魂に訴えかけてくる響きでした。

 
 

私はこれまで、音楽の力にたくさん助けられてきています。
 

他にも、
 
「この人の次の歌が聞けるまではがんばろう」
と、思える歌手もいました。

フジ子さんのピアノはその1つです。
 

フジ子さんのピアノに出会わなければ、
永遠に続くかと思えた苦難の日々を過ごすことはできなかったかもしれないと、今でも思います。



実際にピアノの音を聞いてみたいと思い、2度程コンサートに行ったことがあります。

 
ご高齢のため、テクニックは以前程確かではありませんでしたが、音色の響きは同じ。

 

彼女にしか出せない音
繊細さと力強さを併せ持っていて
 
ピアノの1つひとつの音色が心に響いて涙があふれてくる。
 
魂が震えるような… 本当によかったと思えるコンサートでした。
 

 



 

フジ子さんは、身よりのない犬や猫をたくさん引き取り、動物愛護にも力を入れてこられています。

「人生の艱難辛苦を逃れる道は2つある。音楽と猫だ」
と、言ったのはアルベルト・シュバイツァー。

彼と同様に、

 
「音楽と猫がいたから生きてこられた」

と、フジ子さんは仰います。

私もまったく同感で、とりわけ猫からたくさんの幸せと安らぎをいただいています。
いつも弱い者・虐げられた者の味方でいた所もとても尊敬しています。


天国に召されて、

たくさんの猫たちといっしょにおられることでしょう。
そして、大好きなピアノを弾いておられるでしょう。

 

 
 
あなたの存在を知ることができて

あなたのピアノを聴くことができて

たくさんの「ありがとう」の気持ちを伝えたいです。
これからも、あなたのピアノを心の拠り所にしていきます。

心を込めて、本当にありがとうございました。