舞台「フランケンシュタイン-cry for the moon-」観劇感想 | タカラヅカ Dream World

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星組をメインに観劇しています。
朝夏まなとさん、七海ひろきさんがお気に入りです。

今年、初めてかいちゃんがご出演になる舞台は、ストレートプレイ。
歌やダンスがない、かいちゃんの作品を観るのは初めてですお願い 
 
 
舞台「フランケンシュタイン-cry for the moon-」
原作 「フランケンシュタイン」 メアリー・シェリー作
脚本 岡本貴也
演出 錦織一清
 
大変遅くなりましたが、大阪公演を観ての感想です。
 
まずは、作品について♪
 
原作は、イギリスの小説家、メアリー・シェリーによるゴシック小説で、これまでに数多くの映像制作がされています。
一般に知られているのはフランケンシュタイン=怪物ですが、怪物を創造したのがフランケンシュタインで、実際の怪物には名前がありません。
 
1931年にユニバーサル・ピクチャーズが製作した映画『フランケンシュタイン』で描かれた怪物は、首にボルトが刺さったままで全身に縫い目があり、角形の顔の大男、このイメージが定着化しています。
映画で思い出すのが、好きな俳優さんであるケネス・ブラナーによる映画『フランケンシュタイン』(1994年)、原作に近い内容でおすすめです音譜
 
ミルトンの『失楽園』を読んでいたメアリーはこの物語の基軸に、創造主と被創造物の関係性を描き、親子の関係、虐待等を取り入れています。
演出の錦織さんは今作を、家族愛をメインに愛の様々な側面を描いています。
 
 
大まかなあらすじ
 
19世紀のヨーロッパ。若き科学者ビクター・フランケンシュタイン(岐洲 匠)は、寄せ集めて作った死体に命を与える禁忌の実験に成功、怪物(七海ひろき)が誕生する。
名を与えられなかった怪物は、言語や知性を習得しやがて感情も芽生えさせる。
彼はコントロールできない怪力を恐れたビクターに見捨てられ、その異形と怪力により町の人々から恐れられる。
彷徨う怪物は盲目の娘・アガサ(彩凪翔)と出会い、人間の温かさや愛・美しい心を知るようになる。
しかし、アガサの家族からも恐れられ、再び彷徨う怪物は生みの親であるビクターの元へ向かうが・・・
 
幕間なしの2時間のストレートプレイですが、まったく長さを感じさせませんでした。
愛・憎しみ、温かさ・優しさ・激しさ、純粋さ・狡猾さといった対極の感情・思惑が、大変ストレートに描かれている作品です。
 
 
それでは、キャストの感想です♪


ビクター・フランケンシュタイン(岐洲 匠)

お芝居冒頭は、怪物を誕生させるビクターの実験場面から始まるのですが。
1人で実験過程を喋るかなりの長セリフが続くんですね、すごい!びっくり
滑舌もよくちゃんと聞き取れるセリフ、発声がしっかりしてますね。
 
ただ、原作もそうなんですが、ビクターという人物、あまり共感できないタイプなんですね(岐洲さんごめんなさい)
原作では化学研究に没頭するあまり、生命を操作する神の領域に踏み込んでしまう、現代でいえばマッドサイエンティストな側面があって。
今作も初めの内は、脳に障害のある弟の治療のために、実験台として怪物を誕生させます。
情が移ってしまわないように怪物には名前をつけず、いわば“モノ”扱いでした。
 
ですが、怪物の人間に受け入れられない孤独や寂しさを知るうちに、哀れに思う気持ちが芽生えます。
悲しい結末を迎えるビクターは、最期に怪物を“息子”と呼びかけます。
 
彼もある意味、怪物と共に人として成長していく物語でもあったのではないかと、観ていて思いました。
岐洲さんは身長が高くてイケメンさんですねラブ 戦隊もののレッド役をされたことがあるそうです。
かいちゃんと翔くんが“きずっち”と呼んでいました音譜 
 
 
リズ/サフィ(横山結衣)
幼い頃フランケンシュタイン家の養女になり、ビクターと兄妹のように育つリズ。
ビクターと婚約するが、浮気をしている町の判事にフランケンシュタイン家の財産を狙おうと持ち掛ける。
 
元AKB48の横山さん、今作が舞台初出演だったそうです。
かわいい横山さんからは想像つかないような悪女役でした。
サフィはフェリクスと結婚した外国の女性、たどたどしい言葉がかわいかったですねお願い 
 
 
ダニエル判事/フェリクス(蒼木陣)
ダニエルは町でただ1人の判事ですが、リズの浮気相手でありブラックな面を持つ判事。
アガサの兄フェリクスは、貧しいけれど家族思いの優しい人物。
蒼木さんは素朴な青年も似合っていました。
正反対の役柄を演じ分けられているのがすごいですね。
 
身体能力が高い方で、怪物が払っただけですごく飛ばされていましたね。
かいちゃんとは3度目だったかな?共演が続いてお馴染みさんになりましたニコニコ
 
 
ウィル(佐藤信長)
ビクターの年の離れた弟、知的障害がある少年。
ビクターが怪物を作ったのは、脳に障害を持つ弟を治すため、実験台としてでした。
 
彼は知的障害があるために偏見を持たず、出会った怪物の右腕を見て「カッコいい!」と大喜びし、友達になってほしいと申し出ます。
恐れられることはあっても、褒められることなどなかった怪物の戸惑う表情が新鮮でした。
楽しそうにナポレオンごっこをしたり、ニコッとする笑顔がかわいい弟でしたドキドキ 

 
あとは、
フランケンシュタイン家の使用人、ジャスティーヌ役の北山由海さん。
殺人の嫌疑をかけられ無実だと主張するお芝居が、すごくリアリティがありました。
ハラハラして裁判シーンを観ていたのですが、最期は辛かったですね。
お芝居冒頭の酒場で店員役もされていたのですが、どんな役でも目一杯演じられていたのが印象的でした。
 
 
ラセーの永田耕一さんは、アガサのおじいちゃんの他、酒場のお客・新聞売りや刑事とたくさんの役を演じられていました。
「スーパー・エキセントリック・シアター」の役者さんですね。
かいちゃんときずっち以外の方は1人で複数役を演じておられるのですが、皆さん演じ分けが大変だったでしょうね。
 
 
かいちゃんと翔くんの感想が書ききれないので次回へ。