舞台「フランケンシュタイン-cry for the moon-」観劇感想2  | タカラヅカ Dream World

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星組をメインに観劇しています。
朝夏まなとさん、七海ひろきさんがお気に入りです。

それでは前回からの続きで、キャストの感想です♪
かいちゃんと翔くん、大好きなお2人なので長くなります。
 
怪物(七海ひろき)
月影に照らされて浮かび上がるのは、ビクターが創造した怪物。
 
 
顔にアザ、首には大きい縫合の跡、大きな右腕は軍人のものだが傷だらけの不気味な灰褐色の皮膚。
異形の表現は最小限にしておりポスターのビジュアルそのまま、美しくどこか儚さを漂わせる怪物。
 
子供の脳を使って誕生した怪物は赤子そのまま。
誕生してしばらくは、「う゛~」「あ゛~」という呻き声しか出せない、その声を聞いて衝撃を受けました。
低くかすれた声はまるで動物のようで、こういう発声はかいちゃんの喉の負担にならないかと心配になりました。
 
 
やがて実験に耐えられなくなった怪物は外へ飛び出し、彷徨う内に盲目の女性アガサに出会います。
優しく接してくれるアガサを好きになった怪物は、「あいしてる」「アガサ 恋人」
と子供の心で伝えますが、アガサに「大切な言葉はそんな風に言わないの」と窘められてしまいます。
 
青年になった怪物さんは、アガサから本を「僕が持つよ」と受け取って。
彼女の手を取って、座るように優しくエスコートする姿はかいちゃんそのもの!ラブ
劇中数少ない心あたたまるシーンです照れ
2人が座って話しをしているのがすごく自然で、お芝居でなく日常の1シーンのように見えました。
後で、そういう感覚があったと、かいちゃんがお話しになっていました。
 
 
生みの親であるビクターを訪ねても拒否され、人のいないグリーンランドへ行くように指示されます。
「お前は人間じゃない」と、名前もつけてもらえない悲しさ・寂しさ。
 
「外は寒くて、雨って冷たいんだよ。森には怖い動物がたくさんいて。だから昼間はアガサの家の前まで行って、いない時は隠れてた」
 
「夜おやすみって誰にも言えない、朝起きてもそばに誰もいない」
 
胸が詰まって涙ぐみました。
このセリフを聞いて、かいちゃんが毎日してくれている「おはよう」「おやすみ」ツイッターを思い出したのは私だけではないでしょうね。
いつも思っているのですが、朝・夜に挨拶ができるって、あらためてとても大切なことだと思いました。
 
初めてビクターから教わった言葉は「パパ」
「パパを困らせるつもりじゃなかった」
 
怪物さんはただ父親に会いたくて、名前をつけてほしくて。
一緒に暮らしたくて、ただ一言「愛してる」と言ってほしかっただけでした。
 
人から忌避され疎外されながら、まだ人を慕う気持ちが残っている怪物さん、なんて純粋な存在なのだろう。
そんなに純粋な人はいないのではないか、人間の方がよほど怪物のようだとさえ思えました。
 
子供の声から青年の声へ、姿勢・仕草・表情・セリフの言い回しで変化をつけていく。
短期間にどんどん成長していく怪物さんの、成長過程の表現がわかりやすく細やかでした。
これまでにも観劇感想で書いてきましたが、声優のお仕事がかいちゃんにとって大変プラスになっているのを実感できました照れ 
 
カッコいいイケメンのかいちゃんも大好きですが、かいちゃん演じる怪物さんが愛しくなりましたよニコニコ
 
個人的には、この物語を今観れてよかったなと。
ひと昔前なら、セリフの1つ1つが突き刺さってしまっていたでしょう。
もう1つ、あまりないことですが、少しの間プチロスになっていました。
公演が終わってしまって、かいちゃんに会えないことがさみしくて。
そういえば、かいちゃんも寂しいけど荷物を片づけたと言われてましたね、同じ気持ちねニコニコ
 
 
アガサ(彩凪翔)
町から離れた山の中に家族と住む盲目の娘、怪物と心を通わせるようになる。
盲目ですが、お洗濯をしたり1人で行動でき、自立しているアガサ。
ハンディキャップがあってもくじけず、明るくユーモアがあって強く優しい女性。
アガサがそうなれたのは、家族があたたかく、貧しいけれど助け合って生きているからなのでしょうね。
 
 
アガサ一家は優しく善良な人たちですが、怪物の姿を見ると恐れ、アガサを守るため怪物を力ずくで追い出します。
何も悪いことをしていないのに、異形であるだけでぶたれる怪物さんを見るのがすごく辛かった。
 

知的障害がある為、偏見を持たず見たままを受け取れるウィルと同様、アガサは盲目故、視覚以外の感覚機能を駆使して怪物を知ろうとする。

言葉を上手く発せず困っている人と思い、食べ物を分け与え言葉を教えたり、図書館で本を借りてあげる。
 
怪物が初めて出会った人間が、優しく接してくれるアガサで本当によかったお願い
物語の中で、彼女は怪物の本質を捉えることができる数少ない人物です
皆が怪物を恐れ忌避する中で、純粋な2人の存在に救われますね。
 
翔くんは今回2役で、アガサと女性の怪物を演じています。
それは、ビクターが怪物を未開の地グリーンランドへ行かせるために、パートナーとして作った怪物でした。
 
彼女の脳は、無実の罪で処刑された使用人ジャスティーヌのもので、人間に激しい怒りを持ったままの記憶が残っていたのです。
怒りと絶望を露わにする翔くん、元男役の強さが活かされていて大変な迫力がありました。
 
お芝居ラストに、グリーンランドへ向かうアガサ一家と怪物が再会します。
家族の姿を見て逃げ出そうとする怪物に、アガサの祖父が彼を傷つけたことを謝り、よかったら一緒に暮らそうと。
泣けました、心から謝っている一家の姿に。
ようやく受け入れてくれる人たちに出会えたことに。
怪物さんが最も望んだ願いが叶えられて、本当にうれしかった照れ 
 
宝塚ご卒業後、初めての女性役に挑戦した翔くん。
作り込んだメイクやお衣装ではないのに女性役がまったく違和感がなく、とてもナチュラルでした。
素朴で穏やか、あたたかく強いアガサを演じられていました。
ビジュアルが美しいのはもちろんのことラブ 女性の声も素敵でしたドキドキ
宝塚時代「ひかりふる路」でロラン夫人を演じられていた時も、翔くんの声って聞き心地のよい声だと思った覚えがあります。
大好きな翔くん、これからも応援していきますねニコニコ
 
 
凍てつくような寒さのグリーンランドに訪れたのは、家族の愛と愛する人。
住む人がほとんどいない未開の地で、新しい家族を迎えて1から始めようとするたくましさ。
アガサが、もし怪物さんに再会できたら「愛してる」と伝えたいと。
物語の90%が悲劇の作品、最後に希望を持てるような結末で救われました。
 
 
舞台セットは簡素ながらも、階段を中心に大きな額縁の一部のようなオブジェが配され、人物の登場や机・木といった小道具で、実験室・酒場、フランケンシュタイン家のお屋敷、森の中とわかるのが新鮮でした。
劇中の音楽、冒頭とラストに流れたものは青い月の光を思わせる、荘厳でわずかに物悲しい、印象的で耳に残る美しい曲でした。
 
 
かいちゃんドキドキ 
とても心に残る素敵な作品でした。
大阪で公演をしてくださって、本当にありがとう照れラブラブ