『離愁』・・究極の究極の愛に身をゆだねる二人・・ロミー・シュナイダーの魅力 1978年 | 吐夢の映画日記と日々の雑感

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   ロミー・シュナイダーの魅力
         (離愁)

こんばんは。

 

いつもご訪問いただきましてありがとうございます。

 

今夜はいつか書きたいと思っていた作品・・

 

ロミー・シュナイダーの作品の中では一番好きな作品・

 

    ロミー・シュナイダーとジャン・ルイ・トランテイニアン共演

 

    究極の愛・・愛の終着駅でくずれ落ちる二人に

 

     号泣した   (離愁)を取り上げます。

 

ロミー=シシ(デビュー当時の作品のヒロインの名前からロミーの愛称になった)の

 

活躍はドイツに始まり

 

アラン・ドロンと出会ってドイツを捨ててフランスに移ってから

 

低迷期を経て、別れたドロンさんとの共演から、ヴイスコンテイ監督との

 

出会い、その辺りからぐんぐんと頭角を現して1970年代後半には

 

押しも押されぬフランス映画界のトップ女優となっていった。

 

 

フランス映画界では世界最高の女優の第一位に選出されている

 

ロミー・シュナイダー。

 

 

 

印象としては薄幸の大女優・・

 

 

ドイツ生まれで

 

西ドイツ
オーストリア
フランス三カ国の国籍を持つ。

 

1938年生まれで1982年に43歳で亡くなるまでの彼女の人生は

 

波乱万丈と言えるでしょう。

 

30代から40代にかけてのロミーはとても美しいです。

 

      
     (離愁)

 

監督.脚色   ピエール・グラニエ=ドフェール

 

原作        ジョルジュ・シムノン

 

音楽        フィリップ・サルド

 

キャスト

 

ジュリアン     ジャン=ルイ・トランティニャン

 

アンナ         ロミー・シュナイダー

 

モーリス       モーリス・ビロー

 


   ストーリー

 

1940年、

 

ベルギーとフランス国境近くのフエノアに暮らすラジオ修理工のジュリアンは、

 

ナチスが進撃してくるというニュースを聞いていた。

 

・・・・ドイツ軍は猛烈な勢いでベルギーに進軍中です 新たな前線となった

 

アルベルト運河にーー連合軍の到着が待たれます この第三帝国の急襲を

 

世界中が脅威の目で見守っています 

 

バチカンは交戦国に対しーー市民の保護を求めました 

 

法王は兵士たちの良心と信仰に訴えています またオランダの鉄道と道路は

 

急襲で麻痺しました 地上では落下傘部隊と陸軍部隊がレジスタンスを排し

 

アルデンヌ地方へ進撃中です ・・・・・

 

 

危険を感じたジュリアンは

 

臨月にきている妻と7歳になる娘を連れ疎開することにした。

 

 

しかし、向かった駅では客車には女性と子どもだけ

 

男は貨車にと、別れて乗るように指示された。

 

客車も貨車もすぐに疎開者でいっぱいになった。

 

駅ではない草原のど真ん中に列車が止まると

 

どこからともなく人々が現れ、列車内はどんどんと増える人々で

 

ぎゅうぎゅう詰めである。

 

 

その貨車の大勢の中にひとり人目を引く美しい女性に目が行った。

 

何となく横に座って・・・話をするでもなかったが

 

ジュリアンのほうが女性を意識して見る様になった。

 

 

軍の輸送のため列車が待機している間に水を汲みに行ったジュリアンは

 

女性に水の入ったボトルを渡した。

 

女性は少しづつ笑顔を見せ、ふたりは何となく心を許しあう感じになってゆく。

 

 

それを見た同じ貨車に乗っている男が女性を強引に連れ出そうとしたが、

 

ジュリアンは身体を張って阻止した。

 

ジュリアンの妻と娘が乗っている客車と貨車が切り離され、

 

客車はどこへ向いて走り出したかも分からなかった。

 

貨車は再度動き出す・・・列車はドイツ軍の空爆を受け緊急停車する。

 

 

慌てて列車の外に出た女性は、暗闇の中の草むらで、

 

靴を無くしてしまった事をジュリアンに告げた。

 

その夜、二人は列車の中で寄り添っているうちに急速に親しみを感じ、

 

お互いを見つめあい、抱き合って寝ていた。

 

 

やがて列車はムーランに停車。

 

ジュリアンは妻と娘の安否の情報を求めに相談所に向かうが、

 

空襲を知らせるサイレンが鳴り響いた。

 

ジュリアンは女性の元へとひき返した。

 

女性の名はアンナ・・ドイツから来たユダヤ人だった。

 

夫はある日ナチスに連行されたままで戻って来なかったと話してくれた。

 

明日の分からない疎開者たちは、列車が故障して止っている間、

 

村の空き家に入り、食べ物を調達した。

 

貨車の中では宴会が始まった。

 

せめてもの気晴らしだ。

 

終点まで行ってもこの先どうなるか分からないと絶望するアンナに

 

ジュリアンは愛を告げる。

 

やがて列車は終着駅のラ・ロシェルに到着した。

 

互いに別れを告げあう貨車の乗客たちと離れ、ふたりは

 

手を取り合って赤十字社の事務所を訪れた。

 

ジュリアンはアンナを妻と偽り、仮の身分証を発行してもらった。

 

戦時下の極限の状況下で出会い、恋に落ちたふたり。

 

妻子はどうする?とかそういった次元のことではないふたりの

 

短い時間に燃え上がった愛。

 

妻が運ばれた病院で男の子を産んだとと聞き、ジュリアンは駆けつけた。

 

アンナもついてきて待っていたが、それきり姿を消してしまった。

 

それがふたりの別れとなった。

 

それから三年の月日が経った。

 

ジュリアンは元の平凡な生活に戻っていた。

 

そんなある日、

 

彼はナチの秘密警察から呼び出しを受けた。

 

そこで、レジスタンスの一員として捕えられたアンナに引き合わされた。

 

係員は、ジュリアンと彼女との関係を追求する。

 

シラを切れば身の安全を期することは出来た。が、

 

ジュリアンはシラを切ってその場を去ることがどうしても出来なかった。

 

知っていると認めればふたりとも明日の命は保障されない。

 

だが、彼はアンナに近より、あごにやさしく手をあて、

 

じっとアンナの目を見て愛おしそうに髪を撫でた。

 

苦渋にゆがむアンナの顔。係員は言った。

 

”やはりそうか。”

 

しかし、ふたりにはそんな言葉は耳に入りはしなかった。

 

苦渋の顔にうれしさをかみ締め、嗚咽をこらえるアンナに

 

ジュリアンは”これからは一緒さ、一人にはさせないよ”と言わんばかりに

 

アンナの顔を両手で包みこむのでした・・・・・

 

 

トランテイニアンとロミーの終始押さえた演技が印象的で

 

その中にも熱い思いを表現するロミーの演技はすばらしいものでした。

 

原題は  Le Train  で 列車が引き合わせた偶然

 

つかの間の愛に燃え、別れつも運命の糸にたぐり寄せられるように

 

再会したふたりはアンナの美しい涙のなかにくずれ落ちてゆく。

 

愛の終着駅に・・・

 

ロミーさんの作品では(恋ひとすじに)に始まって

 

ドロン作品(太陽は知っている)、(暗殺者のメロデイー)

 

ヘップバーンとの共演作(華麗なる相続人)、

 

カメオ出演では(太陽がいっぱい)にもちょっと出ていましたね。

 

(ルードヴイッヒ 神々の黄昏)、位のものなんですが、

 

(サン・スーシの女)や、(追想)、(夕なぎ)を見てみたいです。

 

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