ヌーベルバーグ作品の再発見  | 吐夢の映画日記と日々の雑感

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    (ヌーベルバーグ)作品の再発見

 

こんばんは、いつもご訪問いただきましてありがとうございます。

 

ヌーベルバーグ作品に関してはそれほど詳しくもないのですが

 

≪突然炎のごとく≫、≪いとこ同志≫,

 

≪大人はわかってくれない≫

 

 ≪地下鉄のザジ≫、≪鬼火≫

 

 ≪美しきセルジュ≫≪素直な悪女≫などなど

 

確かに

 

青春時代にリバイバル興行などで観ているはずなのですが

 

確かな見方を していない のはタシカ である。

 

そもそもヌーベルバーグとはなんなのか??

 

それまでの既成の概念を打ち破った映像的映画だと

 

皆さん片付けてしまわれる。

 

 以前、フランス映画の概略史らしきものを吐夢のブログで

 

書きました。

 

 戦前、戦中と活躍した第一時期黄金時代の巨匠達のことを書き、

 

またそれらの作品をかなり取上げてきました。

 

 大体においてそれらの作品は詩的レアリズムと言われる・・・

 

 

分りやすく言えば文学的要素を含んだものと言ったらいいかな?

 

それに対して

 

真っ向からあるがままのものをあるがままに映像化しよう。

 

 無駄な脚色はしないと言うような動きが出始めた。

 

これなんですね。

 

でもこれだけではまだまだ解りにくい。

 

 

 詳しい事は図書館で見つけた本を

 

参考に整理してみます。

 

 著者は中条省平さんという方。

 

 著書名は”フランス映画史の誘惑”というものである・

 

噛み砕いてここに整理してみようと思います。

 

 

つまりは、

 

 素敵なセリフ!!だとか、

 

 伏線ーーアンダーブロットなどの

 

映画の定石と思われていたものが

 

 ぜーんぶ,彼等によって否定されたということなのだそう。

 

ではどの辺りを基点に??

 

というと

 

 ヒットした上記作品よりもかなり前から

 

 そういった動きはあったのだそう・

 

 

詩的レアリズム=良質の伝統なのだが、

 

 新しい波を起こそうとした彼らのやりかたは

 

 リアリズムがとらえた瞬間を、

 

 瞬間に崩壊してしまうというものであり、

 

 決まりきった言葉や、駄洒落や

 

警句で

 

 がんじがらめに囲んだ彼等のちいさな世界に

 

人間を閉じ込める事ばかりを

 

考えていて、

 

それまでの心理的或いは

 

詩的レアリズムの息の根を殆どとめてしまった・・・と

 

書かれています。

 

なるほど、そういう風にまず,頭に叩き込んで見ると

 

≪突然炎のごとく≫のような

 

 トライアングル恋愛という当時としては妙に

 

 くすぐったいような映画が

 

斬新とみられたのも分かるような気がする。

 

 

 戦前派、戦中派にとって

 

 こういった作品はかなりの映画として

 

石頭であった彼等には

 

 ショッキングなものであったであろう。

 

だが、今見るともう、古い波である事も確かではある。

 

しかし、このヌーベルバーグ活動は、

 

それまでの良質の伝統的作品を

 

徹底的に痛めつけただけでなく、

 

 映画産業そのものを根底から覆す事になった。

 

 

 脚本家も撮影技術者も、

 

 美術さんといった職人さんも

 

 いらなくなった映画産業は目に見えて荒廃の一途を辿るのである。

 

≪カイエ・デュ・シネマ≫という映画評論誌

 

 若い批評家たちは文学性とは何の関係も無い

 

 ヒッチコックやハワード・ホークスを賞賛した・

 

何故なら,彼等は文学性など何の関係も無いところで

 

真の映画表現の本質を究めてしまったからだとある。

 

この批評家達がゴダールであり,トリュホーたちで

 

自らが映画を撮るようになった経緯である。

 

 後の有名な著書。

 

トリュホーのヒッチコックインタビューにもあるように

 

 トリュホーはヒッチコック崇拝者である。

 

まあ、

 

そういったところが

 

簡単に述べる

 

新しい波の考え方のようです。

 

ジャン.コクトーでさえ

 

遠い源泉にあるヌーベルバーグの部類に入ると

 

著者は分類している。

 

 

この新しい波もカイエ派と左岸派に分かれているそうで

 

 それはまた後で述べます。

 

とりあえず、年代順に作品を羅列してみましょう。

 

 最初の成功をもたらした作品を出発点とさせていただきます。

 


≪素直な悪女≫・・・・・・・・・・・・・ロジェ・バディム  1956年度

 

≪死刑台ノエレベータ-≫・・・・・ルイ・マル     1957年度

 

≪恋人たち≫・・・・・・・・・・・・・・・ルイ.マル     1958年度

 

 1959年がヌーベルバーグが本格的に暴れまくるわけです。

 

≪美しきセルジュ≫・・・・・・・・・シャブロル      1959年度

 

≪いとこ同志≫・・・・・・・・・・・・シャブロル       1959年度

 

≪大人は判ってくれない≫・・・・トリュホー       1959年度

 

≪勝手にしやがれ≫・・・・・・・・・ゴダール       1959年度

 

≪ピアニストを撃て≫・・・・・・・・トリュホー        1960年度

 

≪突然炎のごとく≫・・・・・・・・・トリュホー        1961年度

 

 監督別に取上げるともっともっとあるのですが

 

 まあそんなふうにして1960年代はゴダールが疾走していきます。

 

 

 夫人のアンナ・カリーナと組んでの≪女と男のいる舗道≫

 

そして吐夢でも以前紹介しました≪気狂いピエロ≫≪はなればなれに≫と言った風に・

 

細かい事は作品ごとにそれぞれ書いてまいります。

 

さて、先ほど書いた左岸派ですが

 

 これはゴダール、トリュホー,ロメール、シャブロル、リヴェットといった主要五監督を中心とする

 

≪カイエ・・・・・≫誌の事務所が

 

 セーヌ川の右岸にあり、

 

このカイエ派よりもっと早くに活動し始めていた監督達

 

(もっと広い意味でのヌーベルバーグに入れるとして)が

 

 セーヌ左岸のモンパルナス付近に集まっていた・

 

 その人たちのことを左岸派と呼んで

 

 いたらしい。

 

アラン・レネやジャック.ドミー、そしてドミー夫人で≪幸福≫の監督であった

 

アニェス・ヴァダなど。。。

 

アンドレ・バザン、ロベルト・ロッセリーニ、ジャン・ルノワール

 

、ロジェ・レーナルト、ジャン=ピエール・メルヴィルといった

 

精神的な父と呼ばれる人物がいた、。

 

そういった人たちのことも、

 

 細かい事も作品の中で書いていきたいと思います。

 

この本を読んでからヌーベルバーグ作品を見て、とっても解りやすかったです.

 

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