『モナリザスマイル』・誰にでもいる憧れの女性 ・2004年度作品 マイク・ニューウエル監督 | 吐夢の映画日記と日々の雑感

吐夢の映画日記と日々の雑感

懐かしい名画、最近の気になる映画のことを書いています。

好きなのは戦前のフランス映画です。

読まれて共感頂けたら、"いいね"を押してくださいませ。
励みになります。

『モナリザ・スマイル』

 

こんばんは。

 

いつもご訪問いただきましてありがとうございます。

 

吐夢のページは旧い作品が主ですが、

 

印象に残った作品がありますので

 

もう一本新しい作品を投稿いたします。

 

2004年公開という 比較的新しい作品です。

 

2000に年にスティーヴン・ソダーバーグ監督の(エリン・ブロコビッチ)で

 

アカデミー賞最優秀女優賞に輝いたジュリア・ロバーツ。

 

私は特に彼女のファンというわけでも

 

なかったんですね。

 

 

最初に見た作品はおそらく《マグノリアの花たち》だったと思います。

 

その後、

 

《プリティ.ウーマン》や

 

《ノッティングヒルズの恋人》、《ペリカン文書》、《愛がこわれるとき》、

 

《ベスト.フレンズ.ウエディング》《グッド.ナイト.ムーン》と、

 

上げれば 何気に 結構見てるんですよね。

 

でも、そんなラブ.ストーリーの女王が

 

全く違った役柄を演じた

 

《エリン・ブロコビッチ》は

 

体当たり演技で素晴らしかった。

 

そして、10年ほど前に

 

レンタルショップで何気に手にとったDVD.

 

《モナリザ.スマイル》は

 

私のような年齢のものでも、

 

   さすが  スター女優!  輝くようなジュリアに

 

作品もさることながら,を強い印象を受けました。

 

他の若手有望株の共演女優を退け、オーラを放っていたジュリア。

 

公開当時はかなりの

 

興行成績をあげたようです。

 

キルスティン・ダンストや、

 

ジュリア・スタイルズ、

 

マギー・ギレンホールをはじめ、

 

この作品のためにハリウッド中から集まった若手女優たちの素晴らしい競演は

 

自分探しや自分の生き方を模索している

 

世界中の女性たちから圧倒的な支持を集めたと思います。

 

作品(モナリザ・スマイル)は、女性なら年齢に関係なく、

 

誰もが共感を覚え、見終わった後にじわっと心が温かくなる愛と感動のドラマで

 

す・

 

2004年公開

 

  監督

マイク・ニューウェル
   脚本
ローレンス・コナー&マーク・ローゼンタール 
撮影  アナスタス・ミコス
音楽レイチェル・ポートマン 

 

キャスト
ジュリア・ロバーツ= キャサリン.ワトソン
キルスティン・ダンスト= エリザベス
ジュリア・スタイルズ= ジョアン
マギー・ギレンホール= ジゼル
ジニファー・グッドウィン= コニーベイカー
マーシャ.ゲイ.ハーデン= ナンシー
ドミニク・ウェスト= ビル
ジュリエット.ステイーブンソン= アマンダ
ジョン.スラッテリー= ポール
マリアン.セルデス= ジョスリン学長

 

 

     ストーリー

 

1953年、第二次世界大戦が終わり、

 

朝鮮戦争勃発の少し前、

 

アメリカがしばしの平穏にある時代。

 

これからの物語はひとりの女生徒によって語られはじめる。

 

ー《ウェルズリー女子大は

 

彼女の夢  。  美術史講師の席が空いた時ーー彼女は

 

その席を求め  獲得した。

 

オークランド州立大の頃からーキャサリン.ワトソンは

 

  ”家柄より頭脳で勝負する講師”だと。

 

リベラル志向で個性的。その彼女が

 

米国一保守的と言われるニューイングランドの女子大へやってきたのである。》

 

校風に同化するのではなくー

 

    自分ならではの変化をもたらしたいと

 

   考えていた。

 

1953年  秋

 

新学期が始まろうとしている。

 

ホールに集う教師や生徒に混じって

 

キャサリンは歩んだ。

 

講堂の扉を小槌で叩くのは優等生のジョアン。

 

ー学長の何故扉を叩くのか?という問いに、

 

《勉学に努めて心を目覚めさせ 知識を吸収すること》とジョアンは

 

みんなを代表した答えは

 

新学期の始まりの宣言だった。

 

キャサリンはナンシーの家に下宿した。

 

ナンシーは生徒に話し方や作法を教える教師で

 

ここにはもう一人アマンダという教師が同居している。

 

 

さて、美術の講義が始まろうとしていた。

 

教室の前に立ち、中を覗くキャサリンに

 

アマンダが声をかけた。ー

 

〝気をつけて  生徒たちは 

 

     恐怖を   嗅ぎつけるのよ〝と笑いながら。

 

      足元を救われないようにね!

 

講義を始めるが、生徒たちは教材の最後まで予習し尽くしていて

 

キャサリンの授業を台なしにしたのだった。

 

 

その上、彼女たちは

 

キャサリンがここにはいるのが場違いなのよ と言わんばかりに陰険に揶揄した。

 

コニー、ジゼル、ジョアン、エリザベス

 

がどうやら、キャサリンに関わってくるようです。

 

四人は仲良しというより、いつも一緒にいる。

 

頭脳明晰、家柄も良く、性格はまあ

 

いろいろと問題あり。

 

どうやら、頭脳は嫁入り道具の飾り物に必要であって

 

キャサリンが教えようとした

 

リベラルはのっけから打ち砕かれたのである。

 

エリザベスは母親の勧める縁談が自慢で、キャサリンの理想などバカにしている。

 

この大学の学生にとって最も価値があるのは、

 

どこにも負けない教育内容ではなく、エリートのボーイフレンドから

 

プレゼントされる婚約指輪なのである。

 

更に、キャサリンは優秀なジョアンに

 

イエール大学への願書を出すように勧めるが

 

ジョアンは

 

イエールに行く気持ちはない。

 

エリザベスのように結婚がここの卒業生の進む道だと固く信じている。

 

ジゼルは頭は良くてひねくれ者だが、

 

実は大人でやさしい。

 

  この人が

 

キャサリンをいち早く理解するようになる。

 

自分の理想の女性像としてキャサリンを見ている。

 

 

ジゼルは男性教師と関係を持つことも平気。

 

イタリア語の男性教師ビルとは

 

もう別れているが、まだ忘れられずにいる。

 

ビルはキャサリンに好意を持ち始めた。

 

ジゼルはインテリ女性は結婚しないものよ!とエリザベスに言うが、

 

結婚は必要よ。それも名門の男性とね。と応える。

 

エリザベス=《以降、ベスと呼ぶ》は

 

はっきり言って意地の悪い娘で、美人ではないコニーに

 

ストレートな嫌味を言う。

 

内気なコニーにとってもキャサリンは

 

不安で自信のない自分に勇気をくれる憧れの女性となっていった。

 

ベスは学生結婚をするが、夫は愛人を作り

 

どうやら不幸な結婚だったようで、

 

それが元で意地悪はますます激しくなる。

 

心の痛みを素直に伝えらないベスにジゼルは真っ向からぶつかって彼女を

 

受け止める。

 

などなど・・・エピソードを交えながら、

 

キャサリン、ベテイ、ジョアン、ジゼル

 

コニーの生き方、思想まで踏み込んで

 

描いて行きます。

 

キャサリンは自分の頭で考えることの大切さを教えていく。。

 

一見1953年という年代を考えると、

 

女性の社会進出、女性解放といった

 

底の浅い作品に感じられそうだが、

 

いやいや、中々重みのある奥深いドラマとなっている。

 

実際、ウエルズリー女子大の卒業生である

 

ヒラリー.クリントンさんの手記がヒントとなって生まれた作品だそうだが、

 

 

良き妻になるという現実と、自立への憧れ。

 

その狭間で悩む女学生と、自由な精神を持つキャサリンの生き方は

 

魅力的な素材だったと思いますね。

 

まあ色々なエピソードがあって、

 

校風に甘んじられなくなったキャサリンは大学を去ることになるが、

 

キャサリンの考え方はしっかりと生徒たちに伝わり、

 

ーーー彼女たちは自分たちの心に素直な生き方を目指すことに目覚めるのである。

 

当初手におえなかった生徒一人一人が描いた絵を

 

プレゼントされたキャサリンは嬉しさに喉を詰まらせるのでした。

 

大学を去るキャサリンを自転車に乗って泣きながら、

 

いつまでも追いかける四人がいました。いいえたくさんの生徒たちが.........

 

《私の恩師キャサリン.ワトソン先生は

 

自分の価値観を貫きーー学校のためにさえそれを曲げませんでしたーーー

 

私はこの最後の論評をーーーその模範を示した非凡な女性に捧げます。

 

ーーーものを見る新しい目を与えてくれた方にーーー

 

彼女は今ヨーロッパに向かう船の上どこかで

 

   また壁を壊し 新しい壁を建てるでしょう  》。ーー

 

ーーーそう語り部は最初一番反発したベスだったのです。

 

題名のモナリザ.スマイルは

 

美術を教える教師とダ.ヴインチが讃える

 

アルカイックスマイルのミステリアスな魅力から

 

   ひらめいた作品名だそうです。

 

作品の中で、女生徒が

 

《モナリザは幸せだったのですか?》と問うシーンがありますが

 

果たしてどうなんでしょうね?

 

心の中に潜む真実は

 

見かけではわからない。

 

そんな笑みかも?