『デイア・ハンター』・サントラが忘れられない名作・・1978年度作品 マイケル・チミノ監督 | 吐夢の映画日記と日々の雑感

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こんにちは。


いつもご訪問いただきましてありがとうございます。

 

さて、今日は.......

 

息苦しくなるほどの感動を覚えました作品ーーー

 

    ーーーー(デイア.ハンター)を取り上げてみます。

 

私にとっては比較的新しい作品の部類なんですが、ぜひ皆さまに

 

見ていただきたい作品でしたので。

 

 

音楽

 

スタンリー.マイヤー

 

曲     カヴアテイーナ  Cavatina  の美しいメロデイーが哀しく胸を打つ。

 

「ディア・ハンター」は

 

背景がベトナム戦争なんですが

 

戦闘シーンがほとんどないんです。

 

ベトナム戦争映画の最大傑作と言われている。

 

ただし、見る人の感性で、

 

素晴らしいという人と

 

  退屈  という人に分かれると思います。

 

1978年公開。

 

私も最初鑑賞した時に、

 

他のベトナム戦争と比べて

 

単純にベトナム戦争の悲劇を描いた作品と捉えていて、

 

差程の感動は無かったのです。

 

ロシアンルーレットの場面がやけに多く

 

何をどう受け止めていいかもわからなかったのです。

 

でも何故か心に何かが残っていたのは事実で、

 

もう一度見たいと常々思ってはおりました。

 

1960年代末期のべトナム戦争での

 

過酷な体験が原因で心身共に深く傷を負った若き3人のベトナム帰還兵の

 

  生と死、彼らと仲間たちの友情を描いた作品。

 

マイケル・チミノ監督

 

キャスト
マイク=ロバート・デ・ニーロ

ニック=クリストファー・ウォーケン

スティーブン=ジョン・サヴェージ

スタンリー=ジョン.カザール

リンダ=メリナ.ストリープ

 

 

      ストーリー

 

アパラチア山脈の西方  ピッツバーグ郊外、

 

クレアトンの製鉄所で働くロシア系移民のマイケル、とニック、

 

スティーブン、スタン、アクセル、ジョンの六人は

 

休日はみんなで

 

鹿狩りを楽しむ、仲の良い仲間。

 

そんな彼らが、ベトナム戦争へ徴兵されて行くことになった。

 

マイケル、ニック、スティーブンの三人の壮行会が、

 

町の集会所で行われた。

 


スティーブンとアンジェラ(ルターニャ・アルダ)の結婚式も兼ねて。

 

 


アンジェラは別の男との間に出来た子供を

 

身ごもっていましたが、スティーブンはそれを承知の上で

 

結婚式に臨みました。

 

式も終わりに近づく頃、

 

ニックは突然

 

リンダ(メリル・ストリープ)に結婚を申込みます。

 

リンダは喜んでそれを受け入れました。

 

明くる日一

 

彼らは皆で鹿狩りに出かけ、

 

マイケルは見事な鹿を一発で仕留めます。

 


そして、3人はベトナムへと発って行きました。

 


ベトナムの戦場で、マイケルは偶然、

 

ニックとスティーブンに再会します。

 

3人は北ベトナムの捕虜となってしまいます。

 

閉じ込められた粗末な小屋の中ではロシアンルーレットが行われていました。

 

北ベトナムの兵士たちは一発の弾の込められたリボルバー銃を捕虜に渡し、

 

自分たちのこめかみに当て、自ら引き金を引かせ、弾が出るかどうか賭ける遊びを楽しんでいました。

 

実弾が出れば   死 空弾ならば勝ち

 


そんな危険なゲームにスティーブンは発狂寸前となり、

 

震えが止まりません。

 

マイケルは冷静でかつ強靭。

 

北ベトナムの兵士の心理を逆手に脱出することを咄嗟に思いつく。

 

兵士のリーダーに銃に込める弾を一発から3発に増やすことを勧める。

 

その3発が自分達に向かって発砲される機会を相手に与えることになったのも気づかず、銃をマイケルに渡します。

 


瞬間マイケルは

 

北ベトナム兵を続けて射ちまくります。

 

そして、スティーブンとニックを連れて脱出に成功。川に浮かぶ丸太にしがみついて

 

濁流を下ります。

 

すると

上空をアメリカ軍のヘリコプターが旋回していました。

 

まず、ニックが

 

吊り上げられます。

 

しかし、

 

マイケルとスティーブンは力尽きて

 

川へと落ち、流されて行きます。

 

ステイーブンは足を骨折してしまいます。

 

マイケルはスティーブンを担いで

 

道まで、たどり着き、ちょうど通りかかった軍のジープにスティーブンを委ね

 

病院に運ぶように頼み、

 

自分は歩いて町まで向かいました。

 


救出されたニックは、病院で回復したが、

 

サイゴンの町に繰り出し、そこで

 

ロシアンルーレットの賭けに興じる集団に出くわします。

 

観衆の中にはマイケルがいるのに気づかず、怪しげな男から金を稼げるという誘いを受けます。

 

ニックは一旦断りましたが、引き金が引かれるのを目にした彼は、

 

急に狂ったように銃を奪い、

 

自らのこめかみに当てると、

 

躊躇なくその引き金を引きます。

 

 

弾は空で出ませんでしたが、その場は騒然となり、

 

マイケルが追っかけるのを振り切って、その怪しげな男と

 

闇の中へ消えていきました。


マイケルは二年後、故郷クレアトンに帰ってきました。故郷の仲間たちはマイケルを温かく迎えましたが、

 

マイケルはもう以前の明るい兄貴肌の彼ではありませんでした。

 

歓迎パーティにも出かけません。仲間達と二年振りに鹿狩りに出かけますが、

 

鹿を追い詰めましたが、

 

引き金を引くことが出来ませんでした。

 


あの時、ジープに委ねたまま会っていなかったスティーブンは両脚を失い

 

陸軍病院で治療を受けていると知ったマイケル。

 

見舞った彼から聞かされた事は


サイゴンからスティーブン宛に分からない相手から、送金があるとのことだった。、

 

ニック は生きている?

 

送金した謎の人物はニックに違いない。

 

陥落寸前のサイゴンへとマイケルは向かいます。

 


しかし、

 

出会ったニックは

 

マイケルを覚えていない?それとも覚えていない振り?か。

 

いずれにせよ、ニックは身も心もズタズタ、ボロボロになっていたのです。

 


今回改めて二回繰り返し

 

鑑賞してみました。

 

3時間の長い作品でしたが、こんなにも凄い作品だったんだと。

 


まず、

 

クリストファー.ウォーケンが素晴らしい!凄い!

 

壮絶な心理描写を全身

 

何かが乗り移ったかのような演技です。

 


戦争は生と死が紙一重。

 

戦場の模様を

ロシアン.ルーレットの紙一重の一発の運とを重ねたんですね。

 

何故あんなにくどく

 

ロシアン.ルーレットのシーンが多いのか?

 

だから

 

戦闘シーンがないんですよね。

 

精神の崩壊に繋がる絶望をチミノ監督はルーレットで表現したんだと思いました。

 

そして、もう狂っているとしかいいようのない

 

ニックがリボルバー銃を

 

握った時に、マイケルは

 

ニックに”俺だ!マイケルだ、マイケルだ!

 

やめよう!”と叫ぶが

 

やめようとしないニックに”よし、じゃあ  俺もやる!”  と、 

 

  命がけ、身体を張ってニックと運命を共にしようとするんですね。

 

 

ここはもう思わず

うるっときました。

 

命がけで親友と 運命を共にすることができる。

 

そんな彼らの友情。そんな言葉ではあまりにも甘すぎる表現でしかない・

 

ロバート.デニーロも凄みがあります。

 


オープニングから一時間=壮行会兼結婚式=ダンス、歌   と描かれ、

 

彼らの固い繋がり、皆が家族のような友情が楽しく描かれ、

 

中盤、3人がそれぞれ

 

絶望的なギリギリのところで傷つき、ボロボロになってゆく様が描かれ

 

後半、故郷に帰ってからが一時間と丁寧に描かれますが、息苦しくなります。でも感動の息苦しさです。

 

 

テーマ音楽は

 

冒頭にも書きましたが

 

スタンリー・マイヤーズ作曲の「カヴァティーナ」。

 

ギター演奏

 

はジョン・ウィリアムズ。

 

また、

わたしの大好きなフランキー・ヴァリが、1967年に出したヒット曲の

 

「君の瞳に恋してる」が

 

二回登場します。

 


一度目はジョンの店でのビリヤードのシーンです。皆でヴァリの歌にあわせて合唱するんです。

 


二度目は

結婚式のシーンに。バンドリーダーが壇上で歌ってくれます。

 


前半の結婚式と披露宴で、ロシア正教会聖歌「スラーヴァ」、ロシア民謡「コロブチカ」、「カチューシャ」などが流れる。

 


そういえば

 

ニックの葬儀の時に

 

映るのはロシア正教会の建物。ロシアからの移民が多い街なんですね。


そして、葬儀の後、

 


仲間でテーブルを囲むが

 

 

しばらくの沈黙の後、

 

アメリカを讃える歌を口ずさんで

      ”ニックに乾杯”  と ビールを挙げる。

 


何があってもやはりアメリカは故国であり

 

愛してゆく国なんだと。

 


やはり凄い作品だと

 

私は思いました。

 

スタンリー役の

 

ジョン.カザールは

 

撮影中に癌だとわかったのですが、デニーロやメリナ.ストリープの支えで

 

最後まで頑張って出演。

 

撮影終了後に封切りを待つことなく、亡くなる。

 

いつだか、ゴッド.ファーザーを観ていて気づいたんですが、、

 

彼のデビュー作だったんですね。

 

アルパチーノと共に

 

無名から一挙にスターダムに。

 

メリナ.ストリープとは恋人関係だったとか。

 

メリナと言えば

 

叶夢のページでも紹介しました《ジュリア》でデビューして、

 

本作品は二作目。

 

しかも、デニーロの熱心な誘いで実現。

 

出演場面は少ないが

 

十分インパクトはもらいました。

 

クリストファー.ウォーケンさん、すごい存在感ですねえ。

 

ちょっと前に見た

 

    《ジャージー.ボーイ》に出演されてましたよ。