『モンタナの風に吹かれて』・馬の耳にささやく ・ロバート・レッドフオード監督 | 吐夢の映画日記と日々の雑感

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好きなのは戦前のフランス映画です。

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〈モンタナの風に吹かれて〉を 再投稿しておきます。

ベストセラー小説、
《ホース.ウィスパラー》を
ロバート.レッドフォードが
監督、主演をつとめた
自然が美しい感動作です。
吐夢の部屋では比較的に新しい
作品なんですが、それでも
封切られて20年近く経ってるんですね。

改めて見ると
レッドフォードがまだ若い。共演のクリスティンも
若くて綺麗で素敵。
スカーレット.ヨハンソンは
まだ15歳の少女で初々しいですね。

ロッキー山脈の麓
モンタナの雄大で美しい景色はうっとり癒されます。

モンタナ州は
1889年に第41番目の州として誕生した地なんですね。
ロッキー山脈の東、北に
カナダとの国境という位置にあります。
冬は多分厳しい寒さ。
だから、春と夏の緑がキレイで
秋の紅葉が美しいのでしょう。

3時間近い長さの作品ですが、丁寧にゆったりとした
演出は心地よく
馬と少女が受けた身体と心の傷の快復が
人生の快復となってゆく。

ぶきっちょな母と娘の心のすれ違い、そして芽生える愛、家族の絆、一頭の馬の
身体と心の傷の治療が
全てを包み込んでいきます。
それにしても
馬 って かわいいですね。そして 美しい。
純粋で正直。駆ける姿にはうっとりです。


制作 監督
ロバート.レッドフォード

キャスト
トム ブッカー=
R.レッドフォード

アニー・マクリーン=クリスティン・スコット・トーマス

ロバート・マクリーン=サム・ニール

フランク・ブッカー=クリス・クーパー

ダイアン・ブッカー=ダイアン・ウィースト

グレース・マクリーン=スカーレット・ヨハンソン

1998年度作品


ストーリー

マクリーン一家は
ニューヨークに住んでいる。
夫ロバートは弁護士
妻アニーは有能な雑誌編集長。
娘のグレースは15歳。

ある雪の積もった早朝、グレースは
親友のジュディスと二人
愛馬に乗っていつものように森に散策に出かけた。

ジュディスの恋の話に夢中になっていて、
道を外れ、
滑りやすい坂を無理をして登ろうとして、
ジュディスの馬はスリップし、
落馬しただけならまだしも、
ジュディスは馬に引きずられ、道路に出た馬の前にトラックが。。

ジュディスは即死。

グレースの愛馬ピルグリムも驚いて前足を上げ、
振り落とされたグレースは複雑骨折で右足切断という重傷、
ピルグリムも顔に大怪我、足も骨折、お腹も木の枝で切り込まれる大怪我をうけてしまう。

苦しむピルグリムの安楽死を迫られたが、
アニーは
グレースの馬だから、
何とかできる限りの手当てをしてくれと、安楽死を断った。
しかし、身体の傷より、ピルグリムも心に受けた傷は大きく
厩でもヒステリックで
手をつけられない暴れ馬になってしまった。

グレースも心を閉ざし、
片足を無くしたことより
親友の死に自分を責めていた。

元々、娘の扱いに不器用な母アニーは
娘にどう向き合っていいのか悩み始めた。

厩のピルグリムに会いに行ったアニーはピルグリムと
じっと見つめあった。

社に戻ったアニーは
部下に馬に関するあらゆる資料、雑誌を集めさせた。

そこで、モンタナのカウボーイ=トム.ブッカーに
目が止まった。

《 ホース.ウィスパラー》
馬の耳にささやくー
つまり
馬の心を理解できる
動物の精神科医みたいな
特殊な能力だと思うんですね。

無理にねじ伏せるのではなく、馬の心になって対峙し、心を開かせていくんです。

早速連絡を取るが
専門家ではないし、
ただのカウボーイに過ぎないからと断られてしまう。

引き下がるアニーではない。
トレーラーを用意し
ピルグリムを乗せ、
拒むグレースを無理やり連れて、何千キロ離れた
モンタナを目指すのでした。
長い道中で、母と娘の
心のすれ違いが何なのか
わかってきます。

仕事に追われ、いつも落ち着きなく、
物事を自分判断のみで決めつける母にグレースはついて行けず反発している。

だから馬の件にしても
答えを急ぎすぎるのだ。

トムに会えたが、
トムはグレースの気持ちを優先して彼女にどうしたいか決めさせた。

いい加減な気持ちなら
引き受けないと。

もう、ここいらから
アニーもグレースも
ピルグリムも治療されているんですね。

トムの治療というより
ブッカーファミリーと
モンタナが育んだ生き様そのものが
治療になっていくんですね。

ピルグリムとトムの向き合いが時間をかけて描かれていきますが、理学療法のような傷のリハビリと、
トムに段々と心を開いてゆくピルグリムがかわいい。
動物への深い愛情と接し方がすごく学びになります。
その様をずーっとグレースは自分の目と心で観察しています。




ブッカー家には
トムの兄フランク夫婦とその子供達がいます。
穏やかな兄、
つましくしっかり者の妻ダイアン。
10歳位の息子は
グレースの良い友達になった。
美しいモンタナの広大な草原の夕暮れを
ひ と り 散策する馬
ピルグリムをじっと見守るトム。

いつも生き急いでいるアニーはいつしか
トムを理解し、
かつて
自分も馬に乗っていたことを思い出し、トムと馬で駆ける楽しさを見出し
心落ち着くのでした。

トムはシカゴで知りあったチェリストの女性と一度結婚したが、モンタナに馴染めず離婚していた。彼の癒しは
クラッシック音楽を聴くことだった。

アニーの夫ロバートは仕事が一段落したらモンタナへ来ると連絡があったが、アニーはいつしかトムを愛し始めていた。
トムはグレースに厩の掃除や馬の世話の仕事を与えた。

ピルグリムはなかなか
綱をつけさせない。

トムが信頼できるかどうか試しているのだろう。
グレースと同じように。

果たしてピルグリムとグレースは信頼関係を取り戻すことが出来るのか!

ピルグリムの方から
トムにすり寄ってくる日がやってきた。

広大な牧場の放牧、牧畜をトムは兄と二人で取り仕切っている。


こういった日常の中で
命の大切さ、大事なものは何かを母と娘はいつしか学びとっているようで
グレースの笑顔も戻ってきた。

ロバートがやって来た。
ピルグリムに会って、
その快復ぶりに驚いた。

これがあの馬?
完治はまだだ。とトム。

あと何日ぐらいで?
それは 馬次第さ。。

集会所で牧童たちの
パーティがあり
みんなダンスに興じた。
アニーとトムも。

トムはアニーに
今なら家庭へ戻れる、ロバートはいい人だ。
君にここの暮らしは無理だとアニーに告げた。

あくる日、トムは
ピルグリムに最後の治療を
行った。

完璧にトムに服従する=
心を全開させるんですね。

横たわったピグを優しく
優しくさすります。
そして、グレースを呼び、横たわったピグにまたがるように言います。
そして優しく撫で、
ピグを揺さぶります。

するとピグリムはグレースを乗せたまま起き上がるのですね。

ピグリムとグレースは
一体となって駆けます!

二人の完治ですね。
幸せそうに駆ける二人。
幸せそうに眺めるロバート。
やはりトムの治療であるのですが、

こんな素晴らしいトムに育てたモンタナ=自然の
もたらす大きなチカラなんだと思います。

マクリーン一家の
新しい旅たちですね。

草原の高台から
見送るトムは ステキでした。
ロッキーの山並みが
キレイでした。

ロバート.レッドフォードの映像美学 ここにあり❗️