《過去を持つ愛情》・洒落たファドとの出会い ・仏 1954年度作品 | 吐夢の映画日記と日々の雑感

吐夢の映画日記と日々の雑感

ご訪問ありがとうございます。
懐かしい名画、最近の気になる映画のことを書いています。

戦前のフランス映画が大好きです。

読まれて共感頂けたら、"いいね"を押してくださいませ。
励みになります。











《過去を持つ愛情》



みなさま、こんばんは。



熊本、大分は大変な事態になっていますね。



不安な毎日を送られている状況、お見舞い申し上げます。



ご心配でしょうが

なんとか乗り越えてくださいませ。お祈りします。



ーーーーー



ファドというジャンルの音楽をご存知でしょうか。

アマリア.ロドリゲズスという歌手が



映画≪過去を持つ愛情≫の中で歌って日本でも大ヒットした.

その後、知る人ぞ知るジャンルの音楽となってしまったが、

CDというものが出始めた時にすぐに買い求めた。



十数年前に引退後何年振りのNHKに出演したちあきなおみが

このフアドなるものを絶唱した。



歌唱力とその人の持つ雰囲気が

絶対に影響するジャンルのものであるが、

さすがであった.



ポルトガル版民謡とでも言おうか。

その哀愁を帯びた歌声とロドリゲスの雰囲気はなんと形容したら

よいだろう?



一度聴いていただきたいな.

そして≪過去を持つ愛情≫も

メロドラマでもあり、サスペンス風でもある。



1950年代、オードリー.ヘップバーンが

ハリウッドに

登場したときでさえ、

今夜の映画の主役の

フランソワーズ.アルヌールは

彼女をしのいで

日本では

人気NO.1であった.



卵型の小作りな顔立ち、広いおでこ.

小柄でもグラマラス.。



まさに日本人好みの

美少女の典型であった。



そう、

仔猫のような女性です。



《過去を持つ愛情》の 後の≪ヘッド.ライト≫で



演技者としての

評価を決定的にした.



今日はストーリーを簡単に紹介します。



映画も良かったが、それよりなにより

フアドに出遭えたという事でまず、印象深い作品なのです。




 ≪過去を持つ愛情》



ストーリー。



ポルトガルのリスボンで出遭った二人...

ピエール(ダニエル.ジュラン)は

自分を裏切った妻を殺した。

キャスリーン(フランソワーズ.アルヌール)は夫を亡くし、

莫大な財産を相続。



ある日、家にいたキャスリーンのところに

家具を配達に来たピエールがこの魅力ある未亡人に

普通の女性と違う魅力を感じたところから、接近していく展開。



お互いに暗い過去をもつ身で愛し合うようになるには時間が

かからなかった。



しかし、ロンドン警視庁のルイス警部(トレーバー.ハワード)は

彼女の夫の事故死は彼女が手を下したものと確信していて

追いまわす。



ピエールは最初は

ルイス警部の尾行を気にしていなかったが

次第に彼女の行動に疑問を持つようになる。



とうとう、キャスリーンはピエールに真実を告白。

二人は逃げるしかないと南米行きの船に乗るが、



二人を引き合わせた”過去”が今度は二人を裂こうとする....



そして、本当に夫を殺したのかどうか

今だに分かりませんの。



アルヌールの魅力いっぱい。

きっとみなさんも好きになると思います.

ハリウッドの人工的な美貌や容姿と比べて

極めて人間臭い、ヨーロッパの女優さんたち.



この後に作られたヘッド.ライトは老優、ジャン.ギャバンとの

共演、これはストーリーよりもギャバンとアルヌールが

そこにいるだけでドラマテイックになった佳品である.



しかしこの

≪過去を持つ愛情≫は

ギャバンという大物ナシで

アルヌールの魅力をたっぷりと味わっていただける映画である.

そして、二人がデイトをするクラブでロドリゲスが切々と

歌う♪暗いはしけ♪にドラマは情緒満点になるのです.



制作  仏  1954年度

監督  アンリ.ヴエルヌイユ

出演  フランソワーズ・アルヌール/ダニエル.ジェラン