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《過去を持つ愛情》
みなさま、こんばんは。
熊本、大分は大変な事態になっていますね。
不安な毎日を送られている状況、お見舞い申し上げます。
ご心配でしょうが
なんとか乗り越えてくださいませ。お祈りします。
ーーーーー
ファドというジャンルの音楽をご存知でしょうか。
アマリア.ロドリゲズスという歌手が
映画≪過去を持つ愛情≫の中で歌って日本でも大ヒットした.
その後、知る人ぞ知るジャンルの音楽となってしまったが、
CDというものが出始めた時にすぐに買い求めた。
十数年前に引退後何年振りのNHKに出演したちあきなおみが
このフアドなるものを絶唱した。
歌唱力とその人の持つ雰囲気が
絶対に影響するジャンルのものであるが、
さすがであった.
ポルトガル版民謡とでも言おうか。
その哀愁を帯びた歌声とロドリゲスの雰囲気はなんと形容したら
よいだろう?
一度聴いていただきたいな.
そして≪過去を持つ愛情≫も
メロドラマでもあり、サスペンス風でもある。
1950年代、オードリー.ヘップバーンが
ハリウッドに
登場したときでさえ、
今夜の映画の主役の
フランソワーズ.アルヌールは
彼女をしのいで
日本では
人気NO.1であった.
卵型の小作りな顔立ち、広いおでこ.
小柄でもグラマラス.。
まさに日本人好みの
美少女の典型であった。
そう、
仔猫のような女性です。
《過去を持つ愛情》の 後の≪ヘッド.ライト≫で
演技者としての
評価を決定的にした.
今日はストーリーを簡単に紹介します。
映画も良かったが、それよりなにより
フアドに出遭えたという事でまず、印象深い作品なのです。
≪過去を持つ愛情》
ストーリー。
ポルトガルのリスボンで出遭った二人...
ピエール(ダニエル.ジュラン)は
自分を裏切った妻を殺した。
キャスリーン(フランソワーズ.アルヌール)は夫を亡くし、
莫大な財産を相続。
ある日、家にいたキャスリーンのところに
家具を配達に来たピエールがこの魅力ある未亡人に
普通の女性と違う魅力を感じたところから、接近していく展開。
お互いに暗い過去をもつ身で愛し合うようになるには時間が
かからなかった。
しかし、ロンドン警視庁のルイス警部(トレーバー.ハワード)は
彼女の夫の事故死は彼女が手を下したものと確信していて
追いまわす。
ピエールは最初は
ルイス警部の尾行を気にしていなかったが
次第に彼女の行動に疑問を持つようになる。
とうとう、キャスリーンはピエールに真実を告白。
二人は逃げるしかないと南米行きの船に乗るが、
二人を引き合わせた”過去”が今度は二人を裂こうとする....
そして、本当に夫を殺したのかどうか
今だに分かりませんの。
アルヌールの魅力いっぱい。
きっとみなさんも好きになると思います.
ハリウッドの人工的な美貌や容姿と比べて
極めて人間臭い、ヨーロッパの女優さんたち.
この後に作られたヘッド.ライトは老優、ジャン.ギャバンとの
共演、これはストーリーよりもギャバンとアルヌールが
そこにいるだけでドラマテイックになった佳品である.
しかしこの
≪過去を持つ愛情≫は
ギャバンという大物ナシで
アルヌールの魅力をたっぷりと味わっていただける映画である.
そして、二人がデイトをするクラブでロドリゲスが切々と
歌う♪暗いはしけ♪にドラマは情緒満点になるのです.
制作 仏 1954年度
監督 アンリ.ヴエルヌイユ
出演 フランソワーズ・アルヌール/ダニエル.ジェラン