《暗殺の森》・トランティニアンの魅力全開・1970年度作品 | 吐夢の映画日記と日々の雑感

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 ≪暗殺の森≫


みなさま こんばんは。




   ≪暗殺の森≫・・

ベルナルド・ベルドリッチの作品で

どうしても見たかった1970年度の作品です。

15年程前に初めて鑑賞しました。

このぺージを開設して作品を紹介していくうちに
ジャン・ルイ・トランティニアンのファンにもなってしまいました。

暗殺の森のトランティニアンは
先に取り上げた≪Z≫での予審判事役での好演が
印象に残りましたが、それに続くこの作品もファシズムの
頽廃を描く作品で
主人公は幼いときの異常な体験がきっかけで
ファシズムにのめり込ンでいった・・・・・

そして次第に時代に取り残され価値観の変貌についていけなくなった
男を
色っぽく且つ
ニヒルに好演しています。

カラーや音楽も秀逸で
ベルドリッチ作品としては
分りやすく
そして出来のいい作品であったとわたしは思いました。

ストーリー

愛人を次々と作っている母親の元で育った男マルチェロ・

ノーマルな人間になる為にプチブルの娘と結婚することにした・

何故,ノーマルにこだわるか・
自分が他人と違っていると思えて仕方がないのである。

結婚するにあたって教会で懺悔をする彼は
13歳の時の異常な体験を告白する。

同級生の男の子達に
性的いたずらをされそうになったところを
アル兵士に助けられるが
その男も彼をどこぞに連れ込みいたずらしようとした・
マルチェロは美少年だった。

戯れの中で銃をもてあそんでいてマルチェロは
その兵士を撃ち殺してしまう。

そして彼の手に銃を握らせ,自殺したように見せかけ逃げた・・・と神父に
告白した。

殺人の罪に対して懺悔をしているのに
神父は男色に興味を持ち
必死で聞き出そうとするのも風刺であろうか?
滑稽である。

ということから極端に
ファシズムに興味を持ち
その運動にのめりこんでいった。

表面、一般人を装って
左翼の邪魔な人間を始末している。

妻になった女性は
性と食にしか興味のないような人だったが
彼にとってそんなことはどうでもよかった。

そして、今は女性しか性の対象としては見ていないと公言する。

そんな中であるバレー学校の女教師(ドミニク・サンダ)と知り合うが
彼女の魔性の魅力に取り付かれる。

がしかし、彼女にはイタリア人の恋人がいて
反ファシズムの人間である。

危険を感じた彼女は
マルチェロの目を盗んで逃亡しようとするが
非情にも部下を使って
マルチェロは森の中で
その男を彼女の見ている前で
惨殺する。

そして恐怖の声を上げてマルチェロの車に助けを求めてくるが
彼は身動き一つせず、一瞥もくれず無視する。

そして彼女は部下の凶弾に倒れる。

世の中は民主主義へと変りつつあるがマルチェロは
ついていけない・

街へ出ていて妙な言葉を聞いた・

13歳の時に殺した男がつぶやいたのと同じセリフを......聞いた。

”1935年の
3・7日・・・何処で何をしていた?”と
その男に
詰め寄った・・・

そう、あの男は死んではいなかった・

あのことがなかったら、その後の殺人は自分にはなかった!

何故だ生きていたのか・・マルチェロは狂ったようにその男も
同士もファシストだ!と叫んでいた・

そのこと事態が道往く人には珍奇な光景であったのに・・・・

簡単なストーリー紹介で分りにくいかもしれませんが
この作品は少し抽象的な捉えかたをしてみたほうがいいかも・

ファシズム時代のひとつのデカダンスを描いている作品ですが
時代の変化と共に,主人公が信じていた価値観が
崩れてゆくその様が非常に印象的で、いいですねえ。

ドキュメンタリータッチの作品が多い中で
この作品はきちんとしたドラマ仕立てで非常によく出来ています。

映像も美しいし,音楽の挿入も非常にいいです。

ご覧になった方は感想を聞かせてくださいね。

1970年度、伊作品。

監督 ベルナルド・
ベルドリッチ
出演  ジャン・ルイ.
トランティニアン

ドミニク・サンダ

撮影  V・ストラーロ

トランテイニアンについては
≪激しい季節≫と≪男と女≫、≪危険な関係≫、
ドロンとの共演作≪フリック・ストーリー≫や

≪Z≫,今夜の
≪暗殺の森≫で本当に
素敵な男優さんだと再認識いたしました。

でも、どうしても、もう一度見たい作品があります。
トランティニアンも
ロミー.シュナイダーも
最高の演技、最高の作品

《離愁》なんですが、レンタルショップにはないんですよね。

ーーー
トランテイニアンファンのみなさま・・・・
私もファンになりました・

フランス映画好きには
たまらん作品かも?