花に寄せて-02 | 茜ちゃんとサワラちゃんの宇宙・素粒子物理学入門

茜ちゃんとサワラちゃんの宇宙・素粒子物理学入門

中学・高校生・叔父さん・叔母さんのための宇宙・素粒子物理を一緒に勉強していきましょう。

     

  ブーケ1  花ものがたり  ヒマワリ


          <<花によせて

                      

パキラ



第二話    パキラ


 それはいまから25年ほど前のことでした。 

その頃。 私は名古屋の南、

古戦場跡である「大高緑地」の傍に住んでおりました。霧

 或る日、マーケットに行ったとき、

店頭の隅を何気なく見やると、

可愛いパキラの小鉢が目に留まりました。

春の物憂い日溜りの中に、ポツネンと坐っておりました。

それがこのとの出会いの最初でした。 チューリップ赤

 自宅の子猫の「ニッケ」が公園で遊びたがるので、

良く彼を肩に担いで、日がな一日遊んだことも、

今となっては懐かしい思い出です。  にゃー



 その後、数年して名古屋の、瀬戸線の沿線の

矢田川の傍に引越しをしました。

猫の「ニッケ」は病気でとうに空高く登っておりましたが、

その子はすくすくと成長して

身の丈2m程になっておりました。 もみじ

 その後も、何事もなく自宅の寝室の南側の窓の傍で、

その子は、平和な日々を過ごしておりました。晴れ

                        ダウン

 ある冬のことです。 

名古屋も冬ともなれば、「伊吹降し」で、

それは寒くなります。 

その子はとっても寒がりですから、

我が家の寝室の特等席をあてがわれたのは、

無理からぬことでした。 女の子



  おとめ座

茜ちゃんの近江の自然と文化財の紹介


 特に手の掛からぬ子で、水遣りだけは注意する位、

その他は大して

気も使わなかったように記憶しております。 ブーケ1



 それはそれは、寒い冬の日の事でした。

でも、そんな中で何時もの通り青々として葉を茂らせ、

どこも、身体の具合の悪いところがないように見えておりました。

寝る時には寒さだけには気を使って、

その子の健康状態をチェックして

就寝する習慣を取っておりました。 わんわん


茜ちゃんの近江の自然と文化財の紹介


 床に付いてからどれくらい立った事でしょう。

私の目の前に一人の見知らぬ若い女の子が立って居りました。

夢うつつの中で、

私はハッキリそれだけは認識しているのです。


この子はいったい誰だろう おとめ座


 一度も会ったことが記憶にない若い娘  

でも、顔が見えないのです  

顔が見えぬのに見えているような錯覚。


 でも、声だけはハッキリ聞こえる。

その子は丁寧な言葉遣いで、こう言ったのです。 おとめ座


叔父さん。長い間お世話になりました。 どうも有り難うございました。

  私、これで叔父さんとお別れしなければならなくなりました。

     とっても、悲しいのですけれど>  おとめ座


 15年たった今でも、

この、ドラマに良く出てくるような、

言ってみれば月並みなせりふをハッキリと覚えております。 てんびん座


 暫くしてから、 何時間位たった頃でしょうか、 或いは数分か。

思わず飛び起きました・・・・しばらく 夢うつつの状態。 

こんな夢みたいな経験は初めて> パンダ


 そう思った瞬間、

とっさに寝台の横に於いてあるそのを見たのです。

夜はすっかり明けておりましたので、

ハッキリその子の姿を見ることが出来ました。

昨晩、就寝の時見た、生き生きとした茶色の枝は真っ黒に変色し、

全ての葉が萎(しおれ返っていたのです。 ドクロ 叫び


 そんな馬鹿な、たった数時間でこんなに変色なぞ・・・・・・・・

でも、あのうら若い女の子はいったい誰だったの・・・・・・・


 それから、一ヶ月後に 神戸淡路大震災が発生し、自宅も大きく揺れ、

その五日後に数年間病床に伏していた実父が

黄泉の国に旅立ちました。

いったい、あれは何だったんでしょうか。  ドクロ 叫び


   おとめ座   いったい、あの娘は誰なの おとめ座


雪 もう、季節は梅のちらほら咲くような

       一月の終わりの頃になっておりました雪の結晶



茜ちゃんの近江の自然と文化財の紹介





茜ちゃんの近江の自然と文化財の紹介





2011-01-30-00


                              琵琶湖湖畔の寓居にて

                           六無斎