近江の観音巡礼
<その2>
お話したいと思います。
じーッと見ていると、大変高貴で、慈悲深いお顔立ちですね。 見る角度で仏像の表情は変わります。そして、見る方のその時の精神状態でも
渡岸寺の十一面観音は余りにも有名な観音さまで、教科書を始め、美術史の一般書等あまたの文献に掲載されております。
十一面観音としての国宝第一号と云うこともありますが、その造形の美、伝来の歴史的由来、仏像の現在の安置のされ方等いろいろな要因から、人気のある観音さまとなられたのでしょう。
観音は観自在菩薩という如来・菩薩・明王・天部という仏像の中の一グループである菩薩の範疇に属しています。 地蔵菩薩、弥勒菩薩・・・菩薩の中にも多様な形態があります。
普通、仏教学の教科書などでは、「菩薩」は未だ修行の身である方と云うような解説をされておりますが、別の解釈も存在しています。
<観音菩薩は元々如来で在られたのであるが、この身が如来のままでは一切衆生が何時までも救われないから、如来の位を降りられて、菩薩となられた>
とても、奥床しい感じのする故事来歴ですね。
* 「一切衆生」とはこの世に生命を与えられている<生きとし生きるもの>を意味します。
有名なものとして・・・・・・「一切衆生には悉く仏性が有る」・・・・
先回、弟の桃ちゃんが、「普門」と言う言葉の来歴を語る中で、法華経の話をしていたことをご存知でしょうか。
法華経という仏教の根本経典のなかに
「妙法蓮華経観自在菩薩普門品第二十五」というところが在ります。
簡単に云うと法華経の第25章のことです。
*「品」を(ヒン)なんて呼ばないでね。 この場合は「ボン」ですね。
経典は通常呉音(ゴオン)で呼んでいます。漢音だとヒンです。 密教系の真言宗の経典は通常漢音で読みます。
桃ちゃんだと<面倒クセー>と言いそうですが、古来から寺院ではそのような慣習になっています。
少し、回り道します。 <オーライ>
<なんでだよー>なんて云う方もあるかもしれませんね。
特に真言宗の方は「理趣経」を読む機会が多いと思いますが、これにはある理由があります。
余り、私のようなうら若い乙女が口にするのははしたないのですが・・・・
じつは、理趣経を漢音で読んでしまいますと・・とても誤解をされる危険があります
・・・・・ミイちゃんにはとても恥ずかしくて・・・・これ以上言えませんわ
つまり、医学的に云いますと、<男女の性的交合は即ち菩薩の位である>と書いてあるからです。ですから、高野山では新米のお坊さんには「理趣経」は読ませて貰えませんでした。 そうでしょう、神聖な所であるお寺の中で、
<SEXは素晴らしいことだ>なんて教えようものなら、若いお坊さんは卒倒するでしょうに。
ああ!恥ずかしい。 なんて私としたことがはしたない事を
でも、これ嘘じゃありませんのよ・・・・
良く「理趣経」を読みますと極当たり前のことが書かれているだけなのですが、若い時は血の気が多いものですから、つい、想像をたくましくするだけです
<ああ、暑い 今日は随分冬なのに蒸しますのね>
そんなこんなで、話はあらぬところへ行ってしまいました。
詳しくは「理趣経」を丁寧にお読みください。
<話変わって>・・・・・・・・
<この写真何だと思われますか>
ハイ、渡岸寺の観音さまを裏側から撮影したものです。
<なんで、笑ってるの>って云いたいのでしょう
「大爆笑面」って言います。
*話し出すとなかなか終わりませんので・・・・途中省略・・<ヨーソロー>
チイちゃん イササカ、本日は疲れました。
この観音さまは現在は厚い漆塗りの状態で、金箔がすっかり落ちています。
<どうして>・・・・・貴方、サッキカラ、ウルサイノネ。
戦争になると仏像を土中に埋めた(火災の焼却から守るために)ことにより、すっかり金箔が剥げ落ちてしまったのです。 お陰と言ってはなんですが、非常に落ち着いて素敵に見えるのです。不幸中の幸いかしら。 仏さんにとって迷惑よ
今日はなかなか、先日の続きの第2話に進めませんが。
でも、慌てないでユックリ参りましょう。
お爺ちゃんは近くに住んでおりましたので、何度も、何度も礼拝しました。
近くを流れる 高時川
江戸時代の儒学者「雨森芳洲」の生
家が近在にあります。
お爺さんが礼拝に行くと、管理の農家の叔父ちゃんが, 案内代わりの録音テープの放送のスイッチを入れてくれます。・・・・・・<お爺さん、悪いけどもうイイや!>
と言ってテープを止めてもらったそうです。・・・・「有難迷惑」かな
< 早い話、センスないのね >・・・・ごめんなさい
何処でもそうですが、観光化し過ぎているのです。 礼拝は静かな雰囲気の中で行うのが本旨ですが、博物館、美術館化してしまっているのですね。
巡礼と同じく、物見遊山ではないのですが。
そうは云っても、以前チイちゃんが奈良県で巡礼しておりましたら、竹林の坂道をお婆ちゃんの巡礼の一団が上がってきました。 耳が遠いから大きな声出して。
何を話しているのかしら・・・・・・その気にならなくても自然に耳に入りまね。
< 何と、お嫁さんの悪口 >
こんなとこまで来て
私も女の端のくれですけれど、 婆さんて嫌ですね。どうして、嫁イビリするの
チイちゃんも疲れました。
今日はこの辺で。次回に致しましょう。
お姉ちゃんはまだ帰ってキヤシヤへンシ。 心細くなるし。
<もう、お爺ちゃんの寝床の中へはいろ>
ウン、第2話ですか。 ご免ね。 次回にね
2011-01-29
主催者代表代行補佐
琵琶湖の傍のチイちゃん
山茶花の淡い蕾よ
この凍りつくような中で
今静かに咲こうというの
やはりお前は健気な
武家の娘なんだね