今日、11月19日は交通事故に遭ったシカののぼるくん(オス2歳)の命日です。

 

2021年11月下旬にのぼるくんは高度医療を提供する病院での診察予定をしていましたが、車との接触による損傷が非常にひどく安楽死を選択せざるを得ないシカでした。

 

交通事故に遭い、道路で身動きとれない野生動物は瀕死の状態です。瀕死の状態でなくても、道路から移動できる動物たちは草むらなどに移動をして死亡していることが頻繁にあるということです。

 

シカについては、繁殖期である秋から車両との接触事故が増加します。その他に猟期にシカと車両の接触事故が増加するという研究報告があります。

 

繁殖期と猟期が重なると、シカが混乱することは明らかです。

 

2021年に保護したせーこちゃん(メス推定1歳)も2022年に保護したのぼるくんも猟期に交通事故に遭っています。

 

狩猟者が山に入ることで、シカを山から追い出して道路を歩かせるとミズーリ州の自然保護局職員は語ります。

 

ハンターなどは、狩猟とシカとの交通事故は関係ないと主張していますが、ミズーリ州保険情報サービスの調査によって狩猟が「主な原因」であることが明らかになっています。

 

狩猟者が山や森に入ると野生動物たちの行動は当然変化します。

 

ハンターや猟犬に追われるシカは、通常の行動域とは異なる場所にまで逃げ込むこともあるでしょう。

 

オオカミがシカの行動を変化させているように、人間の活動もシカの行動を変化させます。

 

ドライバーのみなさんは、「野生動物が飛び出てくる」運転をし、車は急停止できる速度で走行してください。

 

野生動物と自分を守るためにも、車両速度のスピードは出さず、視野が広範囲に行き届く運転をお願いします。

 

行政とロードキルの話をしていると、シカを「避けることはできない」「気をつけていてもぶつかる」などと言われます。

 

避けられない事故もあるでしょう。しかし、事故のほとんどが人間の不注意によるものだとわたしは考えています。

 

山間部などで車の走行を観察していると、シカがいても猛スピードのままシカのすぐ側を通過したり、シカが遠方から走ってきているにもかかわらず、それに気づいていなかったりするのを目撃しています。

 

気をつけていると回避できる事故はあります。

 

シカを車で跳ねた人は「シカとぶつかって最悪だ」とばかり言いますが、最悪以上の経験をしているのはシカたちです。

 

シカへの配慮が少しでもあれば、シカとの接触事故は回避できる可能性は高くなるのです。

 

地球で生きている限り、他の動物へ配慮するのは当然のことです。

 

野生動物との接触事故を「回避できないもの」と結論づけるのではなく、「回避できる」と正しく理解して、行動しましょう。

 

●シカとの接触事故について以前書いた記事です。下矢印

 

 

他の国では、ロードキル調査が行われており、野生動物との接触事故を減らすためにさまざまな取り組みが行われています。

 

わたしたちの社会も、野生動物への配慮の気持ちを持ち、動物と人間の安全を守る意識を持ちたいものです。

 

野生動物への暴力である狩猟はなくすべきです。

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参考文献

Deer-Car Collisions Increase During Hunting Season PETA、(最終閲覧日:2022年11月19日)。