山里では昨晩から急に気温が下がり寝る時は毛布を出しました。
今晩もヒンヤリと冷えるので電気ストーブを使うことにしました。
ところで、「イノシシが入った田の米は臭くて食べれん!!」とよく聞きます。
田にイノシシが入ると全ての米に臭い匂いがつき、出荷できないとまで言われています。
このことに以前から疑問を持っていたので、14名に協力してもらい、今年イノシシが入った田の稲を食べ検証することにしました(嗅覚過敏の方にも協力していただきました)。
検証結果を報告する前に、イノシシの入った田の稲(米)は臭いのか?について書かれた内容を紹介します。
「H30農作物鳥獣被害対策指導人材育成講習会レポート」にはこのように書かれています。
「Q. イノシシが入った田んぼで収穫したコメはにおいがつくと聞いたが本当?
A. 歩いただけでは、においはほとんどつかない。
獣が臭いのは、止め刺し時に出る血液が酸化するにおいであることが多い」。
イノシシを殺しておいて臭いとはよくない話すぎて驚きます。
そして、岩手県「令和3年度イノシシ管理検討委員会会議録」にはこのように書かれています。
「8・9年程前ですが、ちょっとでも田んぼにイノシシが入った米は匂いが移るから出荷しては駄目という話でしたが、そんな事はなく、JAがちゃんと引き受けるから安心してほしいとしました。イノシシが入ったところは出さないでもらいたいが、その周辺については購入するという話にはなって収まったという話です。触って匂いが付いているなら分かりますが、全然触っていない米なのに匂いが付くという事はそうそうありません」。
普通に考えて「そうでしょ」と思うことですが、イノシシへの偏見や決めつけ、思い込みがあると「臭くて食べれん」となるのだと推測しています。
話が脇道にそれますが、イノシシが入った田全体の米に匂いがうつると言われ出荷できない状況は、鳥獣による農業被害額を大きく変えますよね。出荷できないと思い込んでいる米が実は出荷可能な場合、農業被害額は多く算出され正確ではないということになりますよね。
本題に戻ります。14名に協力していただき、イノシシが入った田の米の臭いと味を評価してもらった結果、14名全ての方が「とってもおいしい!」「臭くない」「香りがいい!」など米を食べたさまざまな感想を述べてくれました。
結果としては「やっぱり」と思いました。
イノシシにはイノシシの匂いはありますが、一般的に言われている「獣臭い」という匂いがどういう匂いなのかわたしにはわかりません。イノシシの体にわたしは鼻をつけて匂いをしたことがないので、イノシシの匂いはわかりませんが、イヌもネコもシカ、トリからもいわゆる獣臭い匂いを感じたことはないのです。動物たちの匂いをしてわたしが感じるのは「いい匂い」だけです。いい匂いとは、太陽のにおいだったり、草の青っぽい匂いだったり、土の匂いなどです。=地球の自然環境の匂い+動物たちの生きている匂い(シカのすぐるちゃんなら少し油っぽい匂いや、季節によって変化する角の酸っぱい匂いなど)。
もし、イノシシが稲に体をこすりつけたら、その部分はイノシシの匂いがつくかもしれませんが、米を脱穀して精米し、洗って炊きますよね。それで匂いが残る方が不思議ですよね。
臭いのはイノシシを刺し殺した時に出る血の酸化臭であり、イノシシ自体が臭いということではないです。
後、イノシシなどの糞尿を臭いと思う人もいると思いますが、糞尿を臭いと思うのは人間のそれも同じですし、田畑に動物の糞などの肥料を投入しているので、田畑で野生動物が排泄物をしてくれるとうれしいのでは?と思います。ちなみにわたしの排泄物はイヌとシカたちの排泄物よりとても嫌な匂いがします(苦笑)。
今回の検証からイノシシは人間から言いがかりをつけられているのだとわかり、イノシシたちを気の毒に思います。
そもそも、米についた通常時のイノシシの匂いがわかる嗅覚なら現代社会で生きるのは非常につらいと思います。
嗅覚過敏の方からすると、そうでない人たちの鼻はほとんど機能していないのでは?ということでした。
今回、検証に協力してくださったみなさん、どうもありがとうございました。
炊き立てだよ~(我が家は水分多めで米を炊いています)。
検証に協力してくれた知人が、
「イノシシと一緒に育ったお米」として販売すると都会ではウケそうだね、と言っていました。
知人の意見に「それ、とてもいいね!」と思いました。
イノシシと一緒に育ったお米をおいしくいただいています。
金木犀の花びらの上で休むシカののぞみちゃん(♀推定4歳)。
「ウトウト~」
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