今日は非常にひどい記事を見た。
「害獣駆除の理解を深めてもらうため、滋賀県日野町大和路の滋賀農業公園『ブルーメの丘』」で地元の小学生がシカの解体作業を経験したという。
過去に、子どもたちにブタを育てさせ、ブタを殺しその身体の一部を子どもたちに見せるといった「命の教育」を思い出した。
●そのことについて書いた記事はこちら
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記事よれば、子どもに「害獣駆除」の理解と「命の大切さ」を伝える企画だということだが、この企画は、子どもに対して何重にもよくない、非常に酷いメッセージとなっている。
まず、「害獣駆除」を理解してもらうということは、「害獣駆除」に批判的な子どもの思考を摘み取るものであり、子どもたちから大事な思考(思いやり・やさしさ・共感力・想像力など)を奪う。
さらに、「害獣駆除」が必要という内容について、それが正しいかの判断は現在の自然科学では不解明な点が多く、子どもたちに誤った知識を伝えている可能性がある。
そして、「害獣」は「駆除」すべきという思考を子どもたちに植え付ける。このことは、おとなが子どもに「差別」を教育していることになる。
次に子どもにナイフを持たせ、シカの身体の一部を切り裂かせ「命の大切さ」を学ばせたそうだが、これは「命の教育」の完全な暴走である。
命の大切は、慣行を教えることではない。
命の大切さは、生きる全ての者を差別することなく、命はみな同等であること理解することだ。
記事に「シカやサルなどによる農地被害は後を絶たない。同協議会職員の小川信久さんは『解体を子ども向けに行うのは初めて。猟師も高齢化しているので、獣害を知ってもらい、将来の課題解決につながれば』と話した」と書かれているが、なんというひどいことを子どもたちに行わせ、教えているのかと怒りが湧いてくる。
野生動物による農地被害が後を絶たない理由は、わたしたちが行っている自然破壊が原因であり、それに加え、生態系を考慮しない農作物の防除柵設置などだ。それをわたしたち人間が「被害者」という前提の話であることに、おとなの思考力を疑う。
「害獣」を知ってもらい、将来の課題解決につながればということだが、誤った情報を子どもに伝えることで、問題解決などしないのは明らかだ。
それを平気で言えるおとながまず、自然環境保護と自然動植物との共存を学んでください、と言いたい。
命の大切さを学ぶのも、後期に渡り何が大事で必要なのかということも、おとながまず、学ばなければいけない。
おとなが子どもに適当なことを教え、それを後期に残したいという無責任な行動はやめてほしい。
おとなの考えがすべて正しいとは限らず、この社会では権力の力が非常に大きいため、権力にとって都合の良いことばかりが優先されている。
●「害獣駆除」やジビエは行政、政府、自民党、猟友会の大きな癒着構造で行われている。
そのため、子どもたちも含めわたしたちにとって非常に大事で大切な本質が学べない環境で、事態は悪循環に陥っている。
おとなが子どもにこのような過ちを教えていることが、未来を危うくすることをおとなはまったく理解していない(このような企画をしていることがその証明だ)。
子どもたちは個々に自分たちの考えを持ち、個々に感じることが違う。その、個々に違った子どもたちにおとなたちの考えを押しつけるのは子どもの権利侵害にもあたる。
同町有害鳥獣被害対策協議会が企画したこの催しは、子どもたちの将来を考えていない企画である。
この催しを企画したおとなはこの先、社会に差別がより蔓延し、暴力が日常茶飯事になり、自然環境も破壊され生態系が崩壊し、自然災害(人災)が増すことを望んでいるのだろうか?
繰り返しになるがこの企画は非常にひどいものである。この企画は道徳授業ではない。
おとなの都合の考えを子どもたちに押しつけ、差別を助長し、暴力をも促進させ、それを正当とし美化しているとことが悪意を感じる。
差別することなく命の大切さを理解し、自然環境、生態系についても理解し、このような企画を行わないおとなにならなければいけない。
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●鹿たちを保護してからしばらくブログを書いてきて、多くのことを学んできました。もちろん、これからも野生動物や自然環境、社会と動物の関係性について学んでいきたいと考えています。
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