今日も雨が降ったり止んだりの不安定な天候で、犬たちはお散歩に行くことなく、室内で寝て過ごしていた。

 

犬の春ちゃん(♂10歳)。

鹿たちが庭にいるので、広々した部屋でゆったり寝ている。

 

鹿たちは、いまの季節が心地よいようで、気温がぐっと下がってきたころから庭で過ごす時間が増えていて、シトシト雨で外界が静かな日は雨が降っていても庭ですごしている。時期が真冬になると室内で過ごす時間が増える(暑い寒いがよくわかり、自分で判断行動するところがおもしろい・笑)。

 

顔の毛をポワポワして冬仕様になっている鹿のすぐるちゃん(♂4歳)。

表情が鹿じゃないような生き物みたいで「プッ」と笑ってしまった。

「んん?なんかよう??」

 

 

昨日は「鹿が少なすぎるとどうなりますか?」という研究記事を読んでいた。

 

イギリスのイングランドの島、ワイト島で鹿の調査が行われていて、鹿が自然動植物にどのような影響を与えるのか調査記録し続けているようだ。

 

サイトは鹿が増えすぎことによる生態系の損失を肯定しているが、最新の研究ではその考え方に異を唱える研究結果となっている。

 

「鹿の増えすぎ問題」については、他の国も農家からの(野生動物を殺してほしいという)要望が強く、殺して「個体数管理」する必要があるという考えが根強い。しかし、近年ではその考えを覆す生態系保全の研究報告が増えており、倫理的観点からも従来の保全活動から「思いやり保全(Compassionate Conservation)」へ移行が進んでいる。

 

鹿が少なすぎると生態系にどのような悪影響があるのだろうか?

 

まず、「一般的には、種の多様性が減少し、より生命力の強い種が優位に立つようになり、森の放牧地やエッジなどの生息地が消滅し始める」と書かれている。

 

鹿が植物を食べることで、森林の成長が抑制され群集を保てる植物もあり、鹿の放牧(鹿が移動を行う)やブラウジング(鹿が若葉を食べる)が、多様な植生に貢献しているという。

 

鹿のブラウジングによって、日陰に苦しむことになる森林郡が減り森を健康で豊かにすることは、米国農務省森林局の研究で明らかになっていたが、ここでもそのことが言われている。

 

その他に、鹿の存在・行動は他の多様な種の生存に密接に関係していることが明らかになっている。

 

鹿が作り出す自然環境(オープンな森林地帯を生など)により、生存を可能にしている昆虫や鳥類、哺乳類などがおり、その種たちの存在がさらに多様性を増す役割を果たす。

 

そうやって、自然の生態系がうまく循環しているのだ。

 

鳥たちが鹿の毛を集めることは知られているが、鳥たちに快適な寝床・子育て場などを提供し、鹿たちは鳥たちの生活を豊かにもしている。

 

記事には土壌の変化について書かれていなかったが、鹿の糞や亡骸が土壌にどのように影響を与え土壌の多様性にどのように変化をもたらせているのか知りたいと思った。

 

前回読んだ、草食動物が生態系に損傷を与えるという考えに異を唱える最新研究の記事に書かれていたように、わたしたちが野生動物を管理する発想ではなく「自然が生物の数を管理できるようにすべき」であるとわたしも強く思う。

 

今回読んだ記事にも書かれていたが「適切な個体数を維持する」ということについて、「適切な頭数とは?」「それを知る方法は?」「それを証明できる研究データは?」「なにを持って適切と判断できるのか?」などさまざなま「???」がある。

 

人間は自然動植物の相互関係を完全に把握できず、不明なことばかりだ。そのような現状で「自然環境に適切な個体数」などなぜわかるのだろうか?そもそも、人間が自然環境を破壊・汚染しつくしているのに、野生動物を自然環境に適した頭数に管理するという発想が人間のよくない面の表面化ではないだろうか。いちいち自分(や自分たち)の考えや発想を見直し、傲慢にならないように気をつけたい。

 

自然が生物を調節していけるよう、自立した自然環境を目指し、わたしたちは今以上の森林破壊や汚染をやめ、野生生物たちに健全な自然環境で生活してもらえるように自然環境を回復させなければいけない。

 

地球生態系を考えると、どの種も必要であることがわかるが、活発に行動する(環境により影響を与えやすい)大型動物の存在の大事さにより多くの人が気付いてほしいと願うばかりだ。

 

今、この社会では大型・中型・小型動物、そして昆虫などとてもとても小さな種までが捕殺対象となっている。この現状がどれほど生態系にダメージを与えていることか・・・。この現状に異を唱えない専門家や研究者といわれている方たちはいったいどのような考えをお持ちなのだろうかといつも思う(これは聞いてみないとわからないですね)。

 

日本でも、何十年と長期的に種と環境について公平で綿密で正確な観察・調査を多く行ってほしいと思う。

 

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参考文献

REWILDING-WHAT HAPPENS WHEN YOU HAVE TOO FEW DEER? ISLE OF WIGHT DEER、(最終閲覧日:2021年11月12日)。

 

●米国農務省森林局の研究記事について書いた記事はこちら

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