改新みらいの冨井です。
さて、国民健康保険に加入されている皆さまのもとには、「令和6年度 国民健康保険税納税通知書」が届いていると思います。
私自身も国民健康保険に加入しております。
ゆえに、今年の国保料の通知書を見て皆さまと同じように絶句しています……
同時に力不足と、悔しさが込み上げてきております。
この伊奈町の国保料の値上げについても、昨年12月に伊奈町議会で審議した内容だからです。
私ども改新みらいは反対しましたが、力及ばず、町議会では賛成多数となり、国保料の値上げが決まりました。
物価高で家計がとても厳しいですが、そういった逼迫した家計の状況を議員全体で共感、共有し、反対につなげられなかったことは大変残念です。
そもそもなんで値上げするの!?
そもそもなぜ伊奈町の国民健康保険料は値上げされたのでしょうか。
簡潔に説明すると、「埼玉県全体で国民健康保険料を統一するため」です。
県としては、埼玉県内ならどこに引っ越しても国保料は同じにしたいようです。
その理由は、現在、県内の市町村で、国保の運営が厳しい自治体があるからです。
国保の運営が厳しい自治体では、国保料も高くなり、被保険者の負担も厳しくなります。
よって、県内の自治体全体で国保の運営が厳しい自治体を支え合うような仕組みにしたいと県は考えたのです。
伊奈町は現状、県内の他の自治体と比較すると、国保の運営が比較的に良好な状態です。
ただ、高齢化が進んでいることや、国保の加入者は会社員以外の層がメインとなっていることから、運営状況は悪化しつつあります。
結果、①県内の自治体と比較して現状は運営が比較的良好であること、②一方で運営状況は悪化しつつあることの2点から、埼玉県全体で国保料の水準を統一するとなると、伊奈町は国保料の値上げの幅が大きくなるのです……
国保料の値上げはいつまで??
今回値上げされた伊奈町の国民健康保険料については、埼玉県が示す国保料の水準には到達していません。
この値上げでは、埼玉県が目指す統一後の国民健康保険料にはなっていないのです……
つまり、恐ろしいことに、埼玉県の示す国保料の水準に従うのならば、伊奈町では令和9年度までに更なる国保料の値上げが必要となります。
どうすれば国保料の値上げがストップする?
国保料の値上げがストップする条件として、主に以下の3つのパターンがございます。
①政府が、国民健康保険の抜本的改革を行い、国保加入者の保険料軽減の改善を行う。
②埼玉県が、国庫負担を増額を実現し、国保加入者の保険料軽減を行なう。
③伊奈町議会で国保料の値上げに関する条例改正案の議案が否決される。
私ども「改新みらい」としてできることは、今後とも伊奈町議会で国保料の値上げに関する条例改正案に反対し、伊奈町議会として反対の姿勢を示すことがあげられます。
国保料の値上げに関する議案を否決することは、抜本的解決策にはなりませんが、埼玉県や政府に対して、国民健康保険制度を再考させることにはつながります。
住民の皆様に一番近い市町村議会において、国保料の値上げに反対することで、ボトムアップで市町村→県→政府という流れで、国民健康保険制度の抜本改革につなげることができます。
昨年の12月議会で改正された「伊奈町国民健康保険税条例」については、令和6年度分の国保料の値上げを定めたものになります。
今後も、令和9年度ごろまで国民健康保険料の値上げに関する条例改正案が伊奈町議会にでてくると思います。
こうした国保料値上げの条例改正案については、改新みらいは一貫して反対してまいります。
「国民皆保険制度を守るため」という一言で、安易な国保料の値上げが許されてはいけません。
必要なのは、家計を更に圧迫させるような値上げではなく、今の時代に即した国民皆保険制度へと変革することです。
(参考)伊奈町の国保料の令和6年度分の値上げについて
令和6年度の伊奈町の国民健康保険税率等
所得割 | 上昇率 (前年度比) |
均等割 | 値上げ (前年度比) |
|
医療保険分 | 7.5% | 0.1%↓ | 32,000円 | 9,200円↑ |
後期支援分 | 2.6% | 0.3%↑ | 15,000円 | 6,200円↑ |
介護保険分 | 1.7% | 0.1%↑ | 11,000円 | 200円↑ |
計 | 11.8% | 0.3%↑ | 58,000円 | 15,600円↑ |
出典1:https://www.town.saitama-ina.lg.jp/0000003776.html
・所得割は、令和5年度と比較して計0.3%の負担増となっております。
・均等割りは、令和5年度と比較して、計15,600円の負担増となっております……
令和6年度の伊奈町の国保税等と、令和6年度の埼玉県の標準保険税率との比較
所得割 | 県標準保険税率 所得割比較 |
均等割 | 県標準保険税率 均等割比較 |
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医療保険分 | 7.5% | 伊奈町が 0.36%高い |
32,000円 | 伊奈町が 10,364円安い |
後期支援分 | 2.6% | 伊奈町が 0.25%低い |
15,000円 | 伊奈町が 1,479円安い |
介護保険分 | 1.7% | 伊奈町が 0.68%低い |
11,000円 | 伊奈町が 5,890円安い |
計 | 11.8% | 伊奈町が 0.57%低い |
58,000円 | 伊奈町が 17,733円安い |
出典1:https://www.town.saitama-ina.lg.jp/0000003776.html
出典2:https://www.pref.saitama.lg.jp/documents/122647/r6hyoujyunnhokenzeiritu.pdf
・埼玉県の標準保険税率と比較すると、伊奈町は、所得割について医療保険分は割高であることが分かりました。
→今後、税率が下がる可能性があります。
・埼玉県の標準保険税率と比較すると、伊奈町は、所得割について後期支援分と介護保険分は割安であることが分かりました。
→今後、税率が上がる可能性があります。
・埼玉県の標準保険税率と比較すると、均等割りは伊奈町が計17,733円安いことが分かりました。
→今後、均等割額が値上げされる可能性があります。
全体的に見て、このままでは、伊奈町では国民健康保険料が更に値上げされることとなります。
物価高騰に加え、昨今の急激な気候変動による光熱費の負担増によって、私たちの生活は厳しさを増しております。
このような中で、私たちの健康を守るはずの国民健康保険制度が、負担増による収入減とそれに伴う生活水準の低下により健康が脅かされては元も子もありません。
国民皆保険制度の抜本的改革を求めるべく、私どもは国保料の値上げに反対してまいります。
改新みらい
冨井 篤弥