伊奈町でまちづくりをしている「改新みらい」の冨井篤弥です。

 

令和5年第5回伊奈町議会では、国民健康保険料の値上げ案について審議されました。

 

国民健康保険料の引き上げについては、被保険者の皆さまに大きな負担増となる提案のため、反対しました。

私自身、国民健康保険の被保険者ですが、この保険料の値上げはかなりキツイです……

 

第73号議案反対討論

第73号議案が、伊奈町における国民健康保険料の引き上げについての議案となります。

改新みらいでは、次の理由で反対しました。

 

反対討論原稿(討論者:冨井篤弥)

 改新みらいの冨井篤弥です。ただ今、議長より発言の許可をいただきましたので、第73号議案「伊奈町国民健康保険税条例の一部を改正する条例」の反対討論をいたしたいと思います。

 本議案は、将来的に埼玉県内の国民健康保険の保険税水準を統一することを踏まえ、令和9年度までに埼玉県が示す標準保険税率に伊奈町の税率を合わせていくために、条例の改正が必要となったものです。健康保険料の負担と受益の公平性を確保するために、埼玉県内すべての市町村の保険税水準の統一を図るという考え方には賛同できます。また、県で保険税水準を統一することは、保険事務の標準化や効率化を図るメリットもございます。

 その一方で、本議案は、令和6年度から令和9年度に至るまで、国民健康保険料を段階的に引き上げていくための、最初の国民健康保険料引き上げの議案でもございます。

 今回の議案では、所得割で0.3%負担を増やし、均等割で15,600円負担を増やす改正案を出されています。トータルでは、令和9年度までに現行の税率から所得割で0.43%負担を増やし、均等割で31,900円負担を増やす検討をなされています。この負担増は加入者にとっては看過できない大きな負担であり、そう簡単に受け入れられるものではございません。よって、改新みらいでは、本案について、次の三つの理由より、反対いたします。

 まず1点目に、この厳しい物価高騰の経済情勢のなか、国民健康保険料加入者の負担が更に増すことで、加入者の生活がより一層厳しくなるからです。

 国民健康保険は、自営業やフリーランス、年金生活者、非正規雇用の労働者、失業者などが加入しております。それぞれの方々が、昨今の社会情勢や経済情勢により、大変な思いをされていることは、ご承知の通りであると存じます。

 こうした方々にとって、この負担増は、非常に厳しいものです。国民健康保険は、私たちの健康と命を守る制度でありますが、国民健康保険料の値上げによって生活が厳しくなり、心身の健康を害する要因の一つになっては、元も子もありません。

 つづいて2点目に、国民健康保険料の引き上げによって、「負担の大きい医療保険制度」という印象が強くなることで、自営業やフリーランスとして独立したい、事業を起こしたいといった方々の夢や希望の芽を摘むことにつながるからです。

 個人事業主として独立や起業を検討している方は、それで生活できるかどうかも当然ながら考えることになります。そこで、国民健康保険への切り替えによる負担についても向き合わなければなりません。被用者保険は保険料の半分を勤務先が負担するのに対し、個人事業主となれば、国民健康保険となり、保険料は全額自己負担です。その負担を受け入れられるかどうかも検討しなければなりません。そのような中で、国民健康保険料が引き上げられて、高い保険となると、こうした方々の夢や希望を諦めさせる要因の一つとなってしまう恐れがあります。チャレンジ精神を削ぐことは、その人の可能性を削ぐだけにとどまらず、地域社会の発展や幸福度を損ねることに繋がりかねないことを認識していただきたいと強く思います。

 最後に3つ目に、国民健康保険料の引き上げによって、更に加入者に負担が増す制度となることにより、少子化が加速化する要因になるからです。

 現在の国民健康保険制度では、扶養の概念がなく、均等割として子どもにも賦課される制度であります。したがって、家族に子どもが増えると負担が重くなります。国民健康保険の加入者で、子育てをしたい、子どもが欲しいと願う世帯にとっては、この負担増は非常に厳しいものです。家族をつくりたい、子どもが欲しいと考えている方々の想いにブレーキをかけることにもつながるのです。

 子どもを諦めさせることになれば、それは個人の豊かさや幸福を損なうという問題だけにとどまりません。少子化を加速化させることにもつながります。それは国家の危機でもあります。

 昨今の国民健康保険制度が、その危機の一因となっていることを私たちは自覚し、子育て世代をはじめとした国民の生活を守るために、今できることを行わなければなりません。

 国民の生活を守ることは、かけがえのない私たちの住まう国と、国体を守ることにもつながります。

 現在、子育て世帯への負担軽減策として、未就学児に対しての均等割の減額措置があったり、本議案の出産被保険者に係る減額措置が提案されていたりすることは承知ですが、それだけでは、子育て支援としては不足であると考えております。

 国民健康保険制度の抜本的な改革が求められます。

 そのために、住民にもっとも身近な私たちの議会にできることとしましては、本議案について、県の施策であるからと従うのではなく、強く、見直しを求める姿勢を県や政府に示すことです。

 以上の3点より、第73号議案につきましては、反対であります。議員皆様のご賛同を賜りますようお願い申し上げ、改新みらいを代表しての反対討論を終わります。

 

改新みらい

冨井 篤弥