尺骨と橈骨の技術を書こうとすると、岡本眞先生に合気柔術を習い始めた頃を思い出しました。そこで、とりとめもないことを思いつくままに書いてみたいと思います。当初、教え始めて頂いた頃、「これは柔術です。」と言われても、その技術自体、何が柔術で何が合気なのかがわからない状態でした。今、初期の頃のノートを改めて読んでみると、稽古はやはり柔術の基礎が中心であり、「合気は合気として稽古しなければ習得できない。しかし、柔術の先に合気はある!」と謂われた意味がわかりませんでしたが、今は「柔術の先の合気」という意味がなんとなく理解できるようになりました。このブログをご覧で合気に興味がある方は、この尺骨と橈骨を軸とする意識・技術が、先ずは出発点であるということを信じて頂ければと思います。合気道を稽古されている方であれば、この「尺骨と橈骨 」を軸とする意識を持ちながら、一教から四教、四方投げ、小手返し等などを練り直すと、技の掛り方が大きく違ってきます。すべてポイントを書き始めると、10回程度ではまとまらなくなりそうですが、たとえば養神館の塩田剛三師の二カ条。動画などでも一番有名な技の一つでもあると思いますが、この骨の意識を持って見直してみて下さい。手首を苛めているのではなく、尺骨を詰め、軸として固定し、橈骨をその尺骨の周りを回転させているだけです。合気道を稽古されている方であれば、柔術を少し知るだけで、技の構造が見えてくるため、非常に役立つものであると言えます。合気柔術の基礎技術は「骨」のほかに「反射」、「フレーム」、「重心」、「深層筋」、「腱や靭帯」など様々にありますが、この「骨」の意識・技術は算数でいう「足し算や引き算」くらいの必須の技術のため、この意識・技術が育っていないと次に進めないものでもあります。