家族 | 桜井ケンイチのデキゴコロ~陶・造形作家の日々

桜井ケンイチのデキゴコロ~陶・造形作家の日々

陶・造形作家桜井ケンイチの出来心で書いたブログです。美味しいもの、旅で出会ったひと、作家としての生活、このようなことを紹介できたらと思います。趣味はゲストハウスの旅、車中泊の旅、低山ハイク。

「化粧」という技法を中心として制作していることは

何度かこのブログに書きましたが、

画像を載せたことはありませんでした。





これが化粧をした直後の様子です。

赤土で成形されたものに、

ある程度乾いてから(板チョコのようにパキッと折れるくらい)

白い泥を塗ったり掛けたりすることで、

白の向こうに赤土の鉄分がかすかに見えるようになります。

白だけど白でない、複雑な効果を狙った作り方です。

いつもガスバーナーである程度水分をとばします。



でも、一旦乾きかけたものに強制的に水分を添加するので、

ひびが入るリスクが高まります。

今回はやや大きめに成形したうつわの3分の1ほどにひびが入ってしまった。

こんな風にひびが入りました。





化粧の作業を午前中で切り上げて、

午後は父を厚木市の腎臓クリニックに連れて行きました。

母も一緒でした。

父は歩行が困難になり、

しかも足を長い時間下に向けていることができなくなりました。

基本的には身体を水平に、つまり寝ていなければなりません。

長く足を下向きにしていると大きな水疱ができてしまのです。

厚木市までは秦野市から車で約40分。

ギリギリ大丈夫な時間です。



僕が運転、母が助手席、父は後部に座りました。

これは一昨日の話しです。

別に緊急性があったわけでなく、

父の足と腎臓を秦野市内の赤十字病院だけでなく、

長くお世話になっている厚木市のクリニックで

また久しぶりに診てもらおうということになったのです。



空は快晴。

車の中は夏が帰ってきたかのような暑さになり、

ときどきクーラーを入れました。

国道246は渋滞していて東名高速沿いの裏道を通ると、

新東名高速が着々と完成に向かっており、

久しぶりに秦野市外へ出た父は風景が変わっていることに

目を円くしていました。



3人で車に乗って出かけるのはたぶん10年ぶり。

たしか銀座のギャラリーで家族展をしたとき以来です。


それは、「フーラン展」と名付けた桜井家の家族展でした。

僕は全く知らなかったのですが、

フーランという花があるらしく、

「素敵なお花の名の展覧会ですね。」

などと言われたりしました。

3人で、桜井家を一番よく理解しているのは誰かなと考えたところ、

そのとき飼っていた犬のふーちゃんとらんちゃんだという結論に至り、

ふーとらんで「フーラン展」と命名しました。

花の名の展覧会とお客さんに言われて、

「犬のふーちゃんとらんちゃんです。」

とは言わずに、まあ花みたいなですと言葉をにごしました。



僕には妹がいまして、はるかむかしに結婚して

都内に住んで元気に管理栄養士をしています。

その家族展には出品しませんでした。




一昨日、父と母を載せて厚木に向かってハンドルを握っていると、

子供のころ家族で出かけたことを思い出しました。

そのとき運転したのは父。

僕はいつも後部に座りました。

僕はギャランGTOという三菱車のミニカーがお気に入りで、

「大人になったら車の免許を取ってギャランGTOに乗る」

と車で出掛けるたびに言ったのを覚えています。

そしてよく歌をうたったな。

それはだいたい好きなアニメの歌でした。

買ってもらえるお菓子は着色料が使われていないか吟味され、

少しでも色が強烈だと買ってもらえませんでした。




つづく