8月3つ目の観劇
こちら
ムーラン・ルージュ!ザ・ミュージカル
開幕から随分経ってますし、なんなら千穐楽も近付いてきたこの時期にやっと行くことができました。
でね。正直な感想ね。ちょっとね辛口かもね。
いや、ストーリーはいいの。別にこれでも。
だいたいの流れは、若い作家(クリスチャン/井上芳雄さん)が成功を夢見てパリへ出てきて、同じ夢を持つ若者と売り込みに訪れたナイトクラブ、ムーランルージュ。そこで花形のスター、サティーン(望海風斗さん)に一目で恋に落ちるが、彼女は経営が火の車であるムーランルージュを守る為、金持ち貴族の公爵デューク(伊礼彼方さん)をスポンサーに付けたい。ショーの後、デュークと会うはずの部屋にやってきたのはクリスチャン。サティーンはクリスチャンをデュークと思い込み、誘惑するが、彼の詩に惹かれてゆく。遅れてデュークがやってきて、思い込みは間違いと分かるが、新しいショーの打ち合わせだったとデュークに言い訳し、スポンサーになる事を承知させることができた。
サティーンとクリスチャンの関係は深まっていくが、当然、デュークは良しとしない。金でなんでも手に入れられると思うデュークと自分の感情に突っ走るクリスチャン。サティーンはというと、クリスチャンとの未来のためにというよりは、ムーランルージュの存続と、とクリスチャンの才能を世界に知らしめる為にショーを成功させたがっている。実はサティーンは結核を患っていて余命いくばくもない身体だった。
って感じで、要は「悲劇」なんですよ。うん。実際、サティーンの最期の場面は周りで泣いてる人多かったしね。だからこそ、カーテンコールがぶち壊し(あ、言っちゃった)な気がするんです。涙涙で終わって、すぐにイェー!みんなでカンカン!!フー!!!って。
えー。って私は思ってしまったのよね。物語の余韻とは。って。
まぁ、演じてる人じゃなく、登場人物としてサティーンはともかく、クリスチャンにはあんまり惹かれるところが無かったしなぁ。
ショーの部分としては、日本人でもここまで踊れるんだ!ってそこは単純にすごい。カッコいい。って思うし、ムーランルージュの怪しげな真っ赤な世界は良かった。でも、そもそも映画の時からそうだったかもしれないけど、アリものの曲を使ってる事がマイナスになってんじゃないのかなーって気がするんだよね。YourSongの訳もちょっと微妙…。
カテコが楽しい舞台もたくさんある。それは「物語の延長上」にあるからいいのであって…。この舞台に関してはなんか違う。本編は本編、ダンスはダンス、カテコはカテコ、セットはセット、歌は歌。それぞれ「スゴいでしょ」って得意げなんだけど、なんか全体的にチグハグな印象だな。って思ってしまった。
あとね。開演前にプレショーがあるんです。10分前くらいから妖艶な感じの世界観を作っていくんだけど、後ろの列にいた二人組がまぁ、おっきな声で話し続けててねぇ…。聴こえる話からすると、初見じゃない感じなんだよね。確かに歌うでも激しく踊るでもないプレショーだから、2回目からは飽きちゃうかもしれない。でも、少なくとも演者が舞台上にいるんだよ。お喋りしたいならロビーでしてよー。台無しなんだけど。ってそれは演者のせいじゃないけどさ。
週末の公演だったからさ、S席で17500円したわけですよ。2階のセンターブロックですらなかった席で。わたし的には見合ってないなって印象。東宝さんには本気で、チケット料金設定の細分化をお願いしたいです。
【観劇メモ】
帝国劇場 S席 2階サブセンター
自席からの眺めはこんな感じ。
キャストはこちら