音楽劇 道 | パンダ、劇場へ行く

パンダ、劇場へ行く

観劇記録的なもの。
劇団四季がメイン。
のはずが、雑食気味…。
ミュージカルが好き。

今年の海宝くん納め。

2日続けて音楽劇 道を観てきました。

 
 
1回目は追加販売で急遽追加。最初に買ってあった公演がオンステージシートでして、どんな具合か、下見をしておこうと思ったんですよ。
結果、2回観られて良かったです。初見をそれも裏側から観ることになるオンステージシートでは理解するのは難しかったろうなと。(2回観たって難しい)
 
元は古いイタリア映画です。が、映画を観劇日までに見そびれたんですよね。(予告編だけネット動画で見るという体たらく)フィギュアスケートで音楽を使われてたりしますよね。
粗野な荒くれ者ザンパノ。僅かな金でザンパノに引き取られたジェルソミーナ。サーカスで綱渡りをするイル・マット。3人が出会い、交差し、また別れて行く道というか人生?
なんだか、まとめよう。まとめようと思うほど、思考がとっ散らかるんです。
 
暴力で優位に立とうとするザンパノと、人をからかう事で優位に立とうとするイル・マット。どちらも似た者同士で反発し合う二人。ザンパノは自分の感情を「暴力で表現すること」以外の方法を知らない人で、イル・マットは自分の感情を「揶揄する表現でくるむ事」しか知らない人に私は見えました。

 

二人とジェルソミーナとの関係は恋愛感情とは呼べない気がするけれど、では、なんて呼んだらいいんだろう。
ジェルソミーナがザンパノを選んだようにみえるけど、それは愛情からなのかどうか。
 
劇中にジェルソミーナが言う「あの人、あたしのこと奥さんって呼んだ!」「あたしのこと、マダムって」というセリフ。
ジェルソミーナは自分が何者か分からなくて、母親からも「おかしな子」だと言われ、否定されて来た人生で。
「誰かの何か」になりたかったのかなぁ。誰かの奥さん。それが自分の居場所。役割。肩書き。もっと歳をとってくると、そんな肩書きより自分である事を求める気がするけど。誰かの付属品なんて、まっぴらだわ。個人的意見です(笑)
 
立ち寄ったある街で、とある子供を笑わせてと頼まれ、初めて誰かにやれと言われるままに、ではなく自分で考え、笑わせて、何かが出来る自分を知る。そう言えば「芸を教えて」って何度も言っていた気がするなぁ。そうして何かになりたいのに、いつもザンパノに振り回される。自分でやろうとしたことは全部。トマトを育てることさえも。
イル・マットには生きていることに意味がある。と教えられる。でも「どんな意味かはわかんない」と言われてしまうんだよね。
 
警察沙汰になったザンパノ。サーカスの仲間やイル・マットは自分たちと来ればいいと言ってくれるのに、ザンパノを待つジェルソミーナ。戻ってきたザンパノは恋人にするように。ではなく、母親に甘えるかのように腰のあたりに抱きつく。
平穏な日々が訪れたのは束の間で、ザンパノとイル・マットは再会してしまう。
そして倒れたイル・マット。
この場面、客席から観てた時は、倒れているだけに見えたんだけど、オンステージシートからは、倒れたイル・マットの顔が見えまして。目を開いたままだったの。
ジェルソミーナはその後ずっと、道化(イル・マット)が「怪我をした!」としか言わないんだよね。道化が「死んだ」とは言わないの。でもジェルソミーナ自身は死にたかったとも言っていて、死を理解できない訳ではなかろうに。あまりのショックに現実を認められないと言うのもあるのかなぁ。
 
イル・マットとジェルソミーナの2人だけの場面では、ステージ前方の上からに2人に照明が当たって、シルエットが舞台後方へ延びていたのね。それをじっと見入ってしまった。シルエットなのに、なんだか海宝直人なんだもん。
そう、イル・マットは海宝直人。ザンパノは草彅剛。(いまさら?)
海宝君はやはり凄かった。ほかに表現する言葉がない。
草彅君は最後にSMAPのライブに行ったのいつだったっけなぁ。12年くらい前。普段の「つよぽん」では全くなかったですね。喉大丈夫だろうかと心配になるほど低くつぶした声で荒んだ男を演じていた。
オケとは別にコロス(いわゆるアンサンブル)の人々も楽器や効果音まで担当してて、まるでサーカス。まさにサーカス。オンステージシートはサーカスの観客の役目もあったのでしょう。
(ただ、木の階段状のベンチに薄いクッションシートだけで背もたれもなく、100分けっこうきつかった…。しかも最前列だったので、臨場感はすごかったけど緊張感もすごかった)
 
イヤミったらしくて、憎々しいイル・マット。今思えば、オーチャードのコンサートの海宝くんはイル・マットの雰囲気が大分入っていたのだなぁと思う。
 
 
【観劇メモ】
1回目 2階下手サイド最後方に近いA席オペラグラスで補完
2回目 オンステージシート上手側最前列
入場前に一人一人チケットと席位置の確認。と注意事項の説明。
最後に「色々言いましたが、緊張せずにリラックスしてご観劇ください」って言われて笑いが起こる。やっぱり緊張するよねぇ。
それにしてもステージから観る客席というのは、最後方の席まで表情まではわからなくとも、しっかり観えるものだと。そして、日生劇場は改めて美しい劇場だと実感しました。
 
 

去年も日生劇場のツリー見たなぁそういえば。