プリメラの仲間たち2024 (7/14日) | フラメンコ舞踊家 森山みえのブログ

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舞台に対する想い、そして舞台に繋がる教室での日々のこと、私の日常をブログにつづります。

昨日(2024年7月14日)
生徒たちが
プリメラの仲間たちに出演いたしました立ち上がる飛び出すハート
 
 
会場で見てくださった皆様、
応援してくださった皆様、
裏方スタッフの皆様、
 
そして、プリメラのチコさん!
このような機会を作ってくださいまして、
どうもありがとうございましたおねがいラブラブ音譜
 
 
 
 
私、プリメラの舞台、本当にすごいと思ってます。
 
何がすごいって、層が厚い。
 
そして、どの人も伸び伸びと楽しそう!
変なプライドもなく、深刻かつ神妙な固い表情もなく、皆、
「フラメンコが、舞台が好き!」
ってところで繋がってる。
 
これって、チコさんの力だよなぁ。
本当にチコさん、すごい。
 

 

演目

 

①ファンダンゴ&セビジャーナス 5人
②タンゴ・デ・マラガ 2人
③グワヒーラ 1人
④ソロンゴ 4人
 
うちからの参加は、こんな(↑)感じでした。
 
実は、③グワヒーラ以外はCDを使いました。
ファンダンゴ、セビジャーナスは普通にあるけど、タンゴ・デ・マラガ、ソロンゴまでもCDってのは珍しい方かと思います。
 
 
 

 

こだわりを捨てた

 

 
フラメンコって生演奏で踊るのが普通じゃないですか。
 
普通。
 
常識。
 
それ以外、ありえない。
 
 
録音で踊るなんて、フラメンコじゃない。
 
 
 
私たちは、そんな世界にいるような気がします。
 
 
 
 
ただ、生徒にフラメンコを『教える』のみならず、舞台に上げられるまでに『育てる』ということをしてみて実感したのは、
 
「生演奏以外で踊るのはフラメンコじゃない」
 
という我々の常識・こだわりは、生徒たちから楽しみを奪っているということでした。
 
 
 
生演奏で踊れる人ばかりじゃない。
100回やっても、1000回やっても、演奏が変わらないCDなら踊れても、微妙に変わってしまう生演奏じゃ安心して伸び伸び踊れない人たちもいる。
 
「決してプロを目指してる訳じゃない。
上手くなりたいとも思ってる。
努力を怠る訳でもない。
でも、何より安心して楽しく踊りたい」
 
そんな風に思ってる人たちは、思う程少なくありません。
 
この層の人たちを切り捨てるから、バレエとかに比べ、フラメンコは人口が減っていくし、層が厚くならないのだと思います。
 
CDで気軽に踊れる他の舞踊に人を取られてしまう。
 
 
 
 
 
そして、技量の問題だけじゃない。
実は、ここがより重要。
 
 
費用
 
 
 
フラメンコは生演奏で踊るが故に、費用がかかる。
 
本番の代金もかかるけど、エンサージョ費用もかかる。
 
その費用を捻出してでも生演奏がいいって人、その費用を出せる人は生演奏でやればいい。
 
 
 
生演奏を否定してる訳じゃない。
私は自分が踊るなら生演奏がいい。
 
「生演奏以外ありえない!」
って人がいるのも理解できる。
 
 
 
そうじゃなくて、
『費用のかからないCDという選択肢を持つ』
ってもいいのではないかと思っています。
 
 
「生演奏で踊る発表会だけなら、年に1回が限度だけど、少ない費用で出れるCDを使った発表会なら、年に2回出れるわ!」
って人もいます。
 
 
スタジオでどんなに練習に励んでも、一回の本番に勝るものはないとも言われてます。
事実、本番の舞台にあがることでしか学べないものもあります。
 
予算オーバーが故に出演を断念してた人達が、CDという選択肢があって、それでも構わないから舞台で踊りたいというのをダメとは言えない。
 
踊らせてあげたい。
舞台に立たせてあげたい。
 
舞台の上からしか見れない景色を見せてあげたい。
 
舞台の上は光につつまれキラキラしていることや、様々な人からの愛に支えられて踊るってことも経験させてあげたい。
 
 
 
 

 

舞踊団

 

 
5月に舞踊団公演が終わり、7月のプリメラ。
その両方に出たのは1人だけでした。
 
舞踊団メンバーには、
「無理に出ないでいい。
出たければ出な」
って言ってました。
 
 
舞踊団公演には、出演しなかった多くの生徒さんたちが観に来てくれていました。
 
まだ公演に出れる段階まで来てない下級生のみならず、諸々の事情で参加を見送った上級生もいました。
 
 
「彼女たちだって舞台で踊りたいだろうに…」
 
 
ということで、プリメラに参加することを決め、希望者を募りました。
 
 
5月の舞踊団メンバーは、昨日は客席で皆を応援していました。
 
私は舞台袖にいたのですが、知った声のハレオが飛び交っていました。
先輩たちが一生懸命、ハレオを掛けてくれていたのでした。
 
うちの生徒たちは、いい子ばっかだと、胸が熱くなりました。
 
 

 

 

 

振付家

 

これは大きな理由でも大儀でもないのですが、
私、CDに振付するのが好きなんですよね。
面白い。
 
他の舞踊の先生なら普通にしていることです。
ジャズも、バレエも、モダンも、フラも、エトセトラも。
 
フラメンコの先生ってあまりそれをしないわよね。
皆無じゃないけど、すごく少ない。
自分の振りに、ミュージシャンに合わせさせるのが一般的。
 
 
 
第2回の舞踊団公演では、ギターさんは細川昌生さんでした。
彼、作曲して、自分のCDを出しています。
私はそれに振付をし、本番の舞台では細川さんに演奏してもらい、生徒に踊らせました。
 
その時に、
「面白い」
って気付いたのでした。
 
本番当日のぶっつけ本番じゃないからこそ、CDに収めるからこそ、ギタリストは凝った音を入れてくる。
 
演奏が毎度変わらないからこそ、振付家はその凝った音に合わせて振りを作れる。
 
 
とっても面白い。
 
 
折しも時はパンデミックを経験。
ライブの中止が続々と決まり、人々は家に籠った。
 
 
その間に、『録音で踊るフラメンコ動画』がネット上で旋風を起こし始めました。
 
時代の潮目が変わった期間でした。
 
私も何本もの作品を作りました。
自分が踊るだけじゃなく、生徒さんにも踊ってもらいました。
 
 
 
そして、去年の10月に松本真理子さんの公演。
そこに出演し、録音と生演奏がミックスした曲(平松加奈さん&海沼さん作)に合わせて踊りました。
その公演にはギターさんが2人いて、1人のギターさんは主催の真理子さんの時にしか演奏しなかったので、私が踊る時には舞台の外で見てらしたのですが、
「あれ(録音で踊ること)、きっと難しいよね」
って言ってたと、後から誰かから聞きました。
 
でもね、私ね、あれ、滅茶苦茶楽しかったんです。
真理子さん、加奈さん、海沼さんと一緒に振付を作り、踊り込みをし、本番までの期間とても充実した日々を過ごしました。
私はどフラメンコが好きだけど、でも、これも好きって思いました。
 
 
好きなものは1つでなくていい。
選択肢を多く持つことは、幅を広げる。
 
 
 
 
そんなこんなで色々経験し、時代の流れも相まって、自分の持ってた固定概念、常識を壊していき、1周回ってワン!という感じで、今に至り、昨日の舞台となりました。
 
 
 

 

Special Thanks to 梓

 

 
昨日セビジャーナスを踊った3人は入門クラスの生徒さん。
舞踊団メンバーであり、アシスタント講師の梓ちゃんが育ててくれた生徒さんたちでした。
 
 
『教える』のと『育てる』って、同じようで同じじゃないんです。
 
「教える」のは、実は教えっぱなしができるし、その後、舞台に上がれる人になれるかどうかは生徒の自己責任によります。
 
でも、生徒を舞台に上げるとなったら、教えっぱなしができません。
生徒のお尻を叩いてでも練習させ、踊りを仕上げさせねばなりません。
 
自分が頑張るだけの方がよっぽど楽です。
 
動物の目の前に水を置いて、「飲みなさい」と言っても、動物は水を飲みません。
その子が「飲みたい」→「飲もう」と思わないと飲みません。
 
 
生徒も同じです。
 
 
その生徒に練習させ、舞台に上げるのは、教えるだけじゃできません。
 
かつ、衣装の着こなし、舞台化粧の仕方も教えねばなりません。
 
 
更に昨日は、元々は朝から晩まで私は生徒に張り付いている予定でした。
でも、私が猫ちゃんのことがあり、エンサージョが終わったら、少し抜けさせてもらい、帰宅しました。
 
その間、梓ちゃんが代わりに指揮を取ってくれました。
 
 
本当に助かりました。
梓ちゃんがいなかったら、大変なことになってたと思います。
 
 
そして、梓ちゃんが育てた3人の生徒も、見事に踊り切りました。
梓ちゃんが透けて見えるような踊り方で、3人が梓ちゃんを慕い、一生懸命についていってるのが見て取れました。
 
将来有望な入門生。
 
今後は私のクラスにも上がってきたりと、段階を踏んでいきます。
 
梓ちゃん、どうもありがとうございましたうさぎのぬいぐるみキラキラ
今後とも、よろしくね指差し
 
 
他の皆も、すごく良かった。
動画や写真ができあがってきたら、またおいおいブログに書いていきますね!