#観劇『ROSE ローズ』 | 珈琲と芝居と僕のこと(仮)

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#シアターχ提携のひとり芝居。
ROSE ローズ
作=マーティン・シャーマン。
翻訳=堀真理子さん。
演出=W・ローズ。
出演=志賀澤子さん。
劇場@シアターχ(カイ)
(総武線・両国駅南口より徒歩3分)
チケット=1000円。
日程=2019,11,25(月)
上演時間=約90分。

[感想]

ひとり芝居の参考として観に来ました。

観劇後は雨の両国を浅草橋へ向かって早足で歩きながら、照明の使い方と当て方、銃声のSEと音に対しての鈍い反応、役としての語り方、アコーディオンを弾きながらの登場と去り方、基本的に座ったまま語り続ける演技プラン、勉強になりました。

志賀さんの実年齢と役の年齢が近いようにお見受けしたので、説得力も増してました。

齢80歳の女性・ローズは一人でベンチに座り、愛するユセルを想ってシヴァを行う。シヴァと言うのは、ユダヤ人にとっての弔辞。亡くなった人の生涯や思い出を一週間ほどかけて語る、慰霊の為の祭事のことらしい。

ユダヤを迫害したナチスの頃の出会い、戦後の生活など、ユセルを語るローズは、彼女自身の生涯を語っているように観えました。

詳しくは知らないのでシヴァという弔いは、本来、ユダヤの仲間や友人や家族と行うのかな?と疑問が浮かびましたが、ローズはひとりで彼女の想い人であるユセルをずっと、ベンチで一人、語っていました。

客席の僕らは、彼女にとってユダヤの仲間だったのかもしれません。孤独に語る個人の営みを観て欲しくて、知って欲しくて舞台として上演しただと、思いました。

亡くなったユセルを生き返らせようと考え、再婚した夫との夜の営みを利用してこっそりと儀式を行ったことなど、赤裸々に紡ぎ出すローズの姿を見て、個人に視点を絞った芥川龍之介の作風にも似ている、とも思いました。



[おまけ]

両国芥川龍之介の生誕の地。
看板が立っていました。
最後に記述された芥川賞の由来などは興味深いと思いました。