
シルベスター・スタローンをはじめとするハリウッドを代表するアクションスターたちの祭典ともいえるオールスターアクション作品。
ネパール奥地のテロリストたちのアジト。
彼らは中国人富豪夫婦を誘拐し身代金を要求。そして別の部屋では顔をずだ袋で被された男が拷問を受けていた。
そのアジトにむけて爆音をあげながらやってくる武装車両が数台。
捕らわれた富豪の救出を依頼された『エクスペンダブルズ』の面々はテロリストたちを正面から重火器で攻撃し、バーニーの指示のもとテロリストたちを次々と殲滅させていく。
富豪と共に袋を被されていた男も助け出されるがその男はバーニーのライバルでもあるトレンチであった。
追撃してくる敵を迎撃しながら脱出を図るチームの面々は新人のビリーの狙撃力もあって辛くも脱出に成功、帰りの路で祝宴をあげるなかバーニーはインに富豪の帰還の護衛を頼み、帰国の途につくのだった。
任務を無事に終え、仲間たちと悪態つけながらも勝利を祝う宴が行われるなか、ビリーはバーニーにチームからの脱退を申し入れる。
恋人を守るための決断ということを聞いたバーニーはそれを理解し、ビリーを店に帰すとひとりアジトへと戻る。
そこで待っていたのはバーニーたちに指令を与えてきたCIAのチャーチであった。
前回の任務で黒幕のCIA局員を逮捕せず殺してしまったことで煮え湯を飲まされた彼はバーニーたちを命令違反で強制収容所行きを回避させる交換条件としてとある任務をくだす。
それはバルカン半島アルバニア領の山脈に墜落した中国輸送機に積まれていたデータボックスの回収であった。
チャーチ側から暗号解読のプロ、マギーの同行を命じられた彼は渋々引き受け、仲間たちと共にアルバニアへと向かう。
物珍しい女性の搭乗にガンナーをはじめとするメンバーたちはそわそわするが、気の強いマギーはそれを一笑に付す。
アルバニア山脈についたメンバーはいつも通りビリーを偵察員として先にいかせると墜落した地点につく。
ビリーを周囲の偵察にまわし、データボックスは大きな支障もなく手に入れることに成功し、任務は達成したかにみえたが、帰還を促したビリーが帰ってこず、すると深いもやの中から武装した集団とそれに捕まったビリーの姿が浮かび上がる。
集団のリーダーである男は、バーニーたちが回収したデータボックスをよこすように要求し、ビリーの命と引き換えにせまる。
長らくの膠着状態の末に屈服したバーニーたちは敵にデータボックスを渡すのだが、ビリーは胸に突きつけられたナイフを蹴りで刺され致命傷をおう。
高らかに笑いながら去ってゆく敵になにも出来ず、ビリーはバーニーの腕のなかで息を引き取る。
データボックスの中身についてマギーにせまるバーニー。
実はあのボックスのなかには旧ソ連が隠したとされるプルトニウム鉱山の場所が書かれており、数十トンと呼ばれるプルトニウムが隠されているという。
怒りに震えるバーニーはビリーの復讐を誓い、任務の結果を求めるチャーチに見下り半をつきつけ、私怨のために武装集団の行方を追う。
プルトニウム鉱山があるアルバニアの街へと向かった面々は武装集団たちが支配し荒廃した建物の一角で作戦を練るのだか、それを察していた敵は早朝にバーニーたちを囲い込み襲撃をかける。
降り注ぐ弾丸が飛び交うなか必死の抵抗をみせるバーニーたちだが徐々に劣勢となり弾切れで万事休すかと思われたとき、一匹狼の戦争屋ブッカーの応援で敵は壊滅し、難を逃れる。
ブッカーから武装集団『サング』の正体とそのリーダー、ヴィランの情報、そして鉱山近くの村に抵抗組織があると聞かされたバーニーたちは早速向かうのだが、村は鉱山採掘のため若者や男たちはサングに駆り出され、女性や子供たちが必死に抵抗している状態であった。
そのころ鉱山ではヴィランの号令のもとプルトニウムの発掘が急がされていた。
弱って倒れたものは容赦なく殺害する彼らに連れてこられた村人たちは絶望しながらも任務を遂行するしかなかった。
村人に請われたバーニーたちはヴィラン抹殺と鉱山の封鎖、そして囚われた男たちの救出のため武器を揃え、鉱山への突入作戦を練る。
だが決死の突入も一足違いでヴィランたちはプルトニウムを採掘しつくし、バーニーたちもろとも鉱山を爆破し、村人たちを生き埋めにする。
出口を封じられ、絶体絶命の仲間たち。
しかしそこにトレンチが岩盤を掘削機で突破し、バーニーたちを救出する。
プルトニウムをもち空港へと逃亡を図るヴィランたちを追って、バーニーたちは車を走らせるとヴィランたちは反撃にでてくる。
バーニーだけでなく、トレンチやチャーチまで揃い踏み、サングの集団を次々と殲滅させていくと、更にブッカーまでが参加し、サングは壊滅的状況にまで追い込まれるのだった。
そして復讐に燃えるバーニーはヴィランを追って倉庫へとむかう。
ヴィランの挑発に乗り、素手の勝負に挑むバーニー。生死をかけた戦いに勝利するのは果たしてどちらなのか…?
シルベスター・スタローンの呼び掛けによって希代のアクションスターたちが勢揃いしたオールスターアクション作品シリーズの続編。
超A級のアクションスターを一度に介してこれまでにないアクション作品をというコンセプトのもと作り上げられた第一弾から2年。
大ヒットとなった前作に続き、スタローンの描いていた原案をもとに莫大な制作費のもと前作以上のヒットをということでスタローンは脚本と監督をせず、アグレッシブなアクションに定評のあるサイモン・ウェストを監督に迎えて本作は製作された。
前作ではゲスト扱いだったアーノルド・シュワルツネッガーやブルース・ウィリスは今作では本格的にアクションに参加し、アクション自体の面子の豪華さは前作以上となっている。
そしてこれまでに共演はおろか接点すらなかったハリウッドマーシャルアーツ作品のレジェンド、チャック・ノリスが孤高の一匹狼の傭兵としてサプライズ参戦しており、ランボー以上の無双ぶりを発揮。まことしやかにハリウッドで噂されるチャック・ノリス最強ゴシップ伝説をネタに価千金以上のインパクトをみせている。
豪華さでいうならば今回は敵の方も十数年ぶりに本格的悪役を演じたジャン・クロード・ヴァン・ダムがラスボスとして君臨し、最近では滅多に見せなくなった彼の代名詞の跳び回し蹴りをクライマックスのスタローンとの一騎討ちで連発披露し、存在感を発揮。
彼の右腕役として次世代スター、スコット・アドキンズが出演し、これまたジェイソン・ステイサムとバチバチの一騎討ちを見せてくれている。
ストーリーとしては実はシンプルな復讐劇で複雑な絡みやどんでん返しもないのだが、いかんせん本作は話の内容で魅せるような作品ではなく、とにかくド派手で物量に任せた娯楽アクションに徹したものなので、全編に渡って繰り広げられる爆破と銃撃そして肉弾戦を楽しむ作品である。
本作最大の売りはやはり豪華すぎるスターたちのアクションだが、レジェンドたちの佇まいは単体でも強い、さらにこれが同じ画面に収まるとなるとそのインパクトは計り知れない。
クライマックスとなる空港での銃撃戦でのスタローン、シュワルツネッガー、ウィリスの3ショットによるマシンガン乱射シーンはアクション映画史上に残る神シーンといってもいいだろう。
格闘アクションでいえばラスボスがヴァン・ダムであり、スコット・アドキンズということもあり、スタローンもステイサムも格闘シーンの見せ場が増加。そのマッチアップだけでもアクションファンにとってはたまらないのだが、実際には短いながらもそれぞれにアクションとしての見せ場を作っているのは流石である。
しかしその反面、活躍するスターが増えることでアクションの見せ場のインフレが起こりはじめてもいる。
前作ではプロレスラーのスティーブオースチンと珠玉の死闘を繰り広げたランディ・クートゥアや敵にまわってジェット・リーと死闘を繰り広げたドルフ・ラングレンは完全に賑やかし要員と化してしまい、そのジェット・リーもまた前半早々にメンバーから離脱してしまう。
リーはかろうじて最初の見せ場としての格闘シーンがあるもののほぼ雑魚相手で前作のような盛り上がりはない。
そして重い重火器でドンパチが見せ場のテリー・クルーズに至ってはドンパチの見せ場はシュワに取られてしまい、なんと料理男子の面をみせるというコメディ要素が入ってしまった。
このようにエクスペンダブルズメンバー内でも見せ場の格差が広がってきてしまい、これが第三弾に至っては更に顕著化してしまうのである。
本作ではそんなアクション以外にも自身が出演している作品や噂をネタにした自虐ネタ風台詞回しも作品を楽しむ醍醐味のひとつである。
賑やかし要員となったラングレンは自身の本当の経歴でもある大学の修士をネタとして振り込まれているほか、スタローンはラストに腫れ上がった顔をみたステイサムに『ボクシングでも習え』と『ロッキー』を揶揄するような自虐ネタをぶっ込んでくる。
さらにシュワルツネッガーに関しては自身の最大の当たり役であるターミネーターの名台詞をウィリスのネタにされ、『お前は戻りすぎだ。俺に戻らせろ』というウィットにとんだツッコミを入れられている。
そんなネタを最も放り込まれているのが前述したゲスト出演のチャック・ノリス。
ハリウッドでは宇宙最強とまで発展してしまったノリスのネタが本作でも活かされていて、毒蛇に噛まれ数日戦った末に蛇の方が死んでしまったとか実は不老不死などもはや神格化までされそうなネタをノリノリで楽しんでいる姿にこの作品がいかにアクションスターたちにとってお祭り的ものだったかが分かる。
ようやく第4弾の製作が発表され、そこにはなんとトニー・ジャーやイコ・ウワイスの名前が取りざたされているが、レジェンドと旬の世代のアクションの化学反応がとのようになっていくのか、第三弾での迷走ぶりも踏まえて期待が高まるところではあるが、誰もが知るアクションスターたちの豪華共演とその娯楽作品としての秀逸さでいえば、本作が最も評価として高い作品であることは間違いない。
評価…★★★★
(アクションスターの面子の豪華さでいえば本作以上のものはないだろう。それ故に見せ場作りは大変だっただろうけど(^^;)
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