試験で時間を短縮して回答するには、いくつかのコツがあります。
1. 問題文をよく読む
まず、問題文をしっかりと読むことが何よりも大切です。今回の問題のように「誤っているものを2個選びなさい」といった指示を見落とすと、正しい答えを選んでも点数になりません。
2. わかる選択肢から消していく
次に、確実に正しい(または間違いである)と言える選択肢から、どんどん消去していく方法です。
例えば、今回の問題だと、
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1. 判例によれば,証拠調べが終了した後に当該証拠の申出を撤回することはできない。
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3. 裁判所は,証人が遠隔の地に居住するときには,映像と音声の送受信により相手の状態を相
互に認識しながら通話をすることができる方法によって,証人の尋問をすることができる。
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4. 鑑定人に書面又は口頭のいずれによって鑑定意見を述べさせるかは,裁判長がその裁量によ
り定める。
もし、これらの選択肢が正しいと分かれば、それらは答えではないので、残った選択肢に集中できます。
3. 残った選択肢を比較する
最後に、残った選択肢の中で、より「おかしいな」と感じるものや、「聞いたことがないな」と思うものを選びます。
証拠調べに関する問題の解説
それでは、今回の問題の選択肢について、中学生にもわかるように解説していきますね。
1. 判例によれば,証拠調べが終了した後に当該証拠の申出を撤回することはできない。
これは正しい選択肢です。
裁判では、証拠(例えば、証人の話や書類)を調べて、事実を明らかにします。一度調べ終わった証拠は、「やっぱり使うのをやめます」と後から取り消すことはできません。なぜなら、一度調べて終わりにした証拠をまた引っ張り出したり、取り消したりしていると、裁判がいつまでも終わらなくなってしまうからです。
2. 争点及び証拠の整理が終了した後は,新たに証人及び当事者本人の尋問の申出をすることはできない。
これは誤っている選択肢です。
裁判では、何が争われているか(争点)と、どんな証拠を使うか(証拠の整理)を最初に話し合って決めます。でも、この話し合いが終わった後でも、特別な事情があれば、新しい証人や当事者(裁判をしている本人たち)に話を聞く(尋問)ことをお願いできます。例えば、話し合いが終わった後に、すごく大切な新しい証拠が見つかった場合などです。
3. 裁判所は,証人が遠隔の地に居住するときには,映像と音声の送受信により相手の状態を相
互に認識しながら通話をすることができる方法によって,証人の尋問をすることができる。
これは正しい選択肢です。
遠い場所に住んでいる証人を裁判所に毎回呼ぶのは大変ですよね。なので、最近では、テレビ会議のようなシステムを使って、画面と音声でお互いの顔を見ながら話を聞くことができます。これは、わざわざ遠くまで行かなくても証言ができるようにするための便利な方法です。
4. 鑑定人に書面又は口頭のいずれによって鑑定意見を述べさせるかは,裁判長がその裁量によ
り定める。
これは正しい選択肢です。
鑑定人とは、専門的な知識を持っている人(例えば、医者や科学者など)で、専門的な意見(鑑定意見)を裁判で聞かれる人のことです。裁判官は、その鑑定人から意見を、文書で提出してもらうか、直接法廷で話してもらうか、裁判長が状況を見て決めることができます。どちらの方法が良いかは、ケースバイケースで判断されます。
5. 証拠調べは,当事者が期日に出頭しない場合には,することができない。
これは誤っている選択肢です。
当事者とは、裁判をしている本人たち(原告と被告)のことです。裁判で証拠を調べる(証拠調べ)は、当事者が裁判の日に来なかったとしても、裁判官が必要だと判断すれば行うことができます。当事者が来なくても、裁判は進められることがあるんです。
誤っているもの
以上の解説から、誤っている選択肢は、
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2. 争点及び証拠の整理が終了した後は,新たに証人及び当事者本人の尋問の申出をすることは
できない。
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5. 証拠調べは,当事者が期日に出頭しない場合には,することができない。
の2つです。