法律に関する「自白(じはく)」という難しいテーマを扱っているね。でも大丈夫!中学生にもわかるように、試験で早く正確に答えるためのコツを教えるね。
https://www.moj.go.jp/content/000098150.pdf#page=2.00
1.問題文の「キーワード」を見つける
まず、問題文全体を読んで、何が一番大事な言葉なのかを探そう。この問題だと、「自白(じはく)」と「撤回(てっかい)」がすごく大事なキーワードだね。法律の世界では、自分が言ったこと(自白)を後から「やっぱり違った!」(撤回)と言えるのか、ということがよく問題になるんだ。
2.選択肢を「〇」「✕」で仕分ける
次に、アからオまでのそれぞれの文章が、正しいのか間違っているのかを考えてみよう。
ア.当事者が証拠として提出した契約書について、相手方がその成立の真正を認める旨の陳述をした場合には、裁判所は、証拠によっても当該契約書の成立の真正を否定することができない。
これはちょっと難しいけど、「契約書の成立の真正を認めたら、裁判所もひっくり返せない」と言っているね。
例えば、友達と「お小遣い貸してあげる契約書」を作ったとして、相手が「うん、これ本物だね」って認めたら、後から「いや、あれは偽物だよ」って言い張っても、裁判所は「いや、認めたでしょ」ってなることが多いんだ。
これは原則としては正しいことだけど、実は例外もあるんだ。だから、完全に「否定できない」と言い切るのは、ちょっと怪しい。まずは「△(たぶん✕に近い)」くらいに考えておこう。
イ.口頭弁論の期日において相手方の主張した事実を争うことを明らかにしなかった当事者は、次回以降の期日において当該事実を争うことができない。
これは「黙っていたら、後から文句言えない」ってことだね。
例えば、先生が「今日の宿題はこれだよ」って言ったのに、その場で何も言わずに、後から「聞いてないよ!」って言っても、通用しないことが多いよね。裁判でも同じで、相手の言ったことに反論したいなら、その場で言わないとダメなんだ。
だから、これは**「〇(正しい)」**って考えていいよ。
ウ.自白の撤回は、第三者の刑事上罰すべき行為によって自白をした場合にもすることができる。
これは「誰かに脅されたり、だまされたりして言った自白は、取り消せる」ってことだね。
もし、悪者に脅されて「僕がやりました!」って言わされたとしたら、その自白は本当の自白じゃないよね。だから、後から「あれは嘘でした」って取り消せるのは、当たり前だよね。
これは**「〇(正しい)」**って考えていいよ。
エ.自白の撤回は、時機に後れたものとして却下されることはない。
これは「自白の撤回は、いつでもできるから、遅すぎるって言われることはない」ってことだね。
これは**「✕(間違い)」**だよ。いくらなんでも、裁判の最終段階で「やっぱりあれは自白じゃありませんでした!」なんて言われても、裁判がめちゃくちゃになっちゃうよね。だから、遅すぎる撤回は認められないことがあるんだ。
オ.自己に不利益な陳述をした当事者は、相手方がその陳述を援用する前においても、当該陳述を撤回することができない。
これは「自分に不利なことを言っちゃったら、相手がそれを利用する前でも、取り消せない」ってことだね。
これは**「✕(間違い)」**だよ。自分が言ったことが自分にとって不利だと気づいた場合、相手がそれを利用する前なら、取り消せる場合もあるんだ。やっぱり人間だから、言い間違いや勘違いもあるよね。
3.「判例の趣旨」を意識する
この問題には「判例の趣旨に照らし」という言葉があるね。これは、「裁判所が過去にどういう判断をしてきたか、という考え方に合わせて答えなさい」ってことなんだ。
さっきの仕分けをもう一度「判例の趣旨」と照らし合わせてみよう。
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ア:原則は否定できないけど、実は例外(例えば、相手方が嘘をついて無理やり認めさせた場合など)もある。 判例では、例外的に否定できる場合があると考えられているから、**「✕」**になる可能性が高い。
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イ:これは法律の基本的な考え方なので、「〇」。
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ウ:これは「真実ではない自白」を保護する考え方なので、「〇」。
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エ:これは「裁判の進行を妨げないようにする」という考え方があるので、遅すぎる撤回は認められない。だから「✕」。
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オ:これも「言ったこと全てが取り消せないわけではない」という考え方があるので、「✕」。
4.最終確認と解答
ここまで考えると、正しいのは「イ」と「ウ」の2つだね。
だから、解答は「2つ」になる。