【法務の知恵袋】易経に学ぶリスクマネジメント -変化の波を乗りこなす羅針盤-
皆さん、こんにちは!
突然ですが、皆さんは「易経(えききょう)」ってご存知ですか?古代中国の英知が詰まったこの書物は、単なる占いの道具ではなく、森羅万象の変化の法則を教えてくれる奥深い哲学書なんです。
「え?易経が法務にどう関係あるの?」
そう思われた方もいらっしゃるかもしれませんね。でも実は、この易経の教え、特にリスクマネジメントという観点から見ると、現代のビジネス社会を生き抜く私たちにとって、驚くほど示唆に富んでいるんです。
リスクは常に変化する川の流れ
易経の根本にある思想は「変化」です。世の中のありとあらゆるものは常に流動し、一瞬たりとも同じ状態ではありません。これは、私たちが日々直面するビジネスのリスクも同じ。
昨日まで想定していなかった問題が突然浮上したり、今まで有効だった対策が通用しなくなったり...。まるで予測不能な川の流れのように、リスクの姿は常に変化し続けます。
易経には、このような変化の法則を読み解くためのヒントが散りばめられています。例えば、有名な「否(ひ)」という卦は、閉塞感や物事が停滞する状況を表しますが、その中にもわずかながら好転の兆しが潜んでいることを教えてくれます。
これは、リスクが顕在化してしまった状況でも、諦めずに状況を分析し、わずかな希望の光を見つけ出すことの重要性を示唆しているのではないでしょうか。
リスクの芽を早期に摘む「未然防止」の智慧
易経には、「防微杜漸(ぼうびとぜん)」という言葉に通じる考え方があります。これは、「小さな兆候のうちに悪の芽を摘み取っておけば、大事に至らずに済む」という意味です。
法務におけるリスクマネジメントもまさに同じ。小さな違和感や潜在的なリスクの芽を早期に発見し、適切な対策を講じることで、大きな問題へと発展するのを防ぐことができます。
例えば、契約書の些細な文言のミスや、社内手続きの曖昧さ。これらを放置しておくと、将来的に大きな紛争や損失につながる可能性があります。易経の教えは、このような小さなリスクにも目を光らせ、早めに対処することの重要性を教えてくれます。
バランス感覚がリスクを乗りこなす鍵
また、易経は陰と陽、剛と柔といった相反する要素のバランスを重視します。リスクマネジメントにおいても、このバランス感覚は非常に重要です。
リスクを恐れるあまり過剰な規制を設けてしまうと、ビジネスの成長を阻害してしまう可能性があります。逆に、リスクを軽視しすぎると、予期せぬ事態に足元を掬われてしまうかもしれません。
易経の教えは、状況に応じて柔軟に対応しながらも、常に全体像を把握し、最適なバランス点を見つけることの重要性を教えてくれます。
変化を恐れず、流れに乗る
易経を学び、法務のリスクマネジメントに応用することは、変化の波を恐れるのではなく、その流れを読み解き、乗りこなすための羅針盤を手に入れるようなものです。
私たち法務担当者は、常に変化するリスクの状況を敏感に察知し、易経の知恵を参考に、柔軟かつ的確な対応を心がけていきましょう。
今日のブログが、皆さんの日々の業務におけるリスクマネジメントの一助となれば幸いです。