【人事の裏ワザ】アンカリング効果を巧みに利用して、採用も評価も思いのままに?
皆さん、こんにちは!
今日は、ちょっと心理学チックな、でも人事の現場でめちゃくちゃ使える「アンカリング効果」についてお話ししたいと思います。
「アンカリング効果」って、最初に提示された情報(アンカー)が、その後の判断に大きく影響を与える心理現象のこと。日常生活でもよくあるんですが、実はこれ、人事の仕事にも応用できる場面がたくさんあるんです。
採用面接でのアンカリング
例えば、採用面接。
「前職の給与はどれくらいでしたか?」
この質問、よくしますよね。でも、ちょっと待ってください。この質問、実は応募者の自己評価や希望年収に大きな影響を与えている可能性があるんです。
もし応募者の前職の給与が、あなたの会社の給与レンジよりも低い場合、その金額がアンカーとなって、応募者の希望年収も控えめになるかもしれません。逆に、高かった場合は、それが基準となって、高い希望年収を提示してくる可能性も。
もちろん、過去の給与だけで判断するわけではありませんが、最初に聞いた情報が、その後の評価を左右してしまうことがあるんですね。
そこで、面接官として意識したいのは、最初の質問で特定の金額や条件を提示しすぎないこと。もし提示する場合でも、それが判断の絶対的な基準にならないように注意する必要があります。
例えば、
- 「弊社では、経験やスキルに応じて〇〇万円~〇〇万円のレンジで給与を決定しています。」と、幅を持たせて伝える。
- 「前職のご経験を考慮して、今回のポジションでのご希望をお聞かせください。」と、応募者自身の希望を先に聞く。
といった工夫で、アンカリング効果によるバイアスを軽減できるかもしれません。
人事評価でのアンカリング
アンカリング効果は、人事評価の場面でも顔を出します。
期初に設定した目標数値や、上司が抱いている「この人は〇〇くらいできるだろう」という先入観が、評価のアンカーとなってしまうことがあるんです。
例えば、期初にかなり高い目標を設定した場合、たとえその人が十分に成果を上げていても、「目標達成できなかった」というアンカーに引っ張られて、評価が低くなってしまう可能性があります。
逆に、最初に「この人は少しパフォーマンスが低い」という印象を持ってしまうと、その後の小さな改善も見過ごされがちになることも。
これを防ぐためには、
- 目標設定時に、客観的なデータや過去の実績に基づいて、現実的なラインを設定する。
- 評価期間中に、具体的な行動や成果を記録し、印象評価に頼らないようにする。
- 評価者間で評価基準をすり合わせるトレーニングを行う。
などが有効です。
ちょっとした応用編:交渉術としてのアンカリング
採用条件の交渉や、社内での条件交渉など、人事の仕事は交渉の連続でもありますよね。
ここでアンカリング効果を意識すると、少し有利に交渉を進められるかもしれません。
例えば、給与交渉の際に、最初にあなたの会社の希望額を提示することで、相手の交渉範囲をその金額に近づけることができる可能性があります。(もちろん、あまりにもかけ離れた金額を提示すると逆効果になることもあるので注意が必要ですが。)
まとめ
アンカリング効果は、意識しないと判断を歪めてしまう厄介なもの。でも、その存在を知り、意識することで、より公平で客観的な人事判断ができるようになるはずです。
今日から、皆さんもアンカリング効果をちょっと意識して、日々の業務に取り組んでみてください。意外な発見があるかもしれませんよ!
それでは、また次回のブログでお会いしましょう!