英文秘密保持契約(NDA)審査のポイント:製造業に特化
製造業において、技術情報やノウハウといった重要な資産を保護するために、秘密保持契約(NDA)は不可欠です。しかし、NDAは単に署名するものではなく、契約内容を十分に理解し、自社の利益を守るために慎重に審査する必要があります。
審査のポイント
NDA審査の際には、以下の点に特に注意が必要です。
1. 秘密情報の定義
- 具体性: 秘密情報が具体的に定義されているか。曖昧な表現はトラブルの原因になります。
- 範囲: 自社の技術情報、ノウハウ、顧客情報など、保護したい範囲が明確に記載されているか。
- 例外: 秘密情報に含まれない情報(一般に知られている情報、公知の情報など)が明確に示されているか。
2. 秘密保持義務
- 義務の範囲: 相手がどのような行為を禁止されるのか(複製、開示、第三者への提供など)が明確に記載されているか。
- 例外: 秘密情報を開示できる場合(弁護士への相談、法的な義務など)が規定されているか。
- 存続期間: 秘密保持義務がどの期間継続するのかが明確に記載されているか。
3. 損害賠償
- 責任: 秘密情報の漏洩によって生じた損害に対する賠償責任が明確に規定されているか。
- 範囲: 損害賠償の範囲(直接損害、間接損害など)が具体的に示されているか。
4. 違約金
- 金額: 違約金の金額が適切か。過度な金額は契約のバランスを崩す可能性があります。
- 発生事由: 違約金が発生する具体的な事由が明確に記載されているか。
5. 紛争解決
- 準拠法: 契約の準拠法がどこであるか。
- 裁判管轄: 紛争が生じた場合、どちらの国の裁判所で解決するか。
- 仲裁: 仲裁によって解決することを選択できるか。
6. 知的財産権
- 帰属: 開発された製品や技術に関する知的財産権の帰属が明確に記載されているか。
- 利用許諾: 相手に知的財産権を利用させる場合、その範囲や条件が明確に記載されているか。
7. その他
- 通知方法: 契約違反があった場合の通知方法が規定されているか。
- 契約の解除: 契約を解除できる事由が明確に記載されているか。
製造業特有の注意点
- 図面、設計データ: 図面や設計データといった技術的な情報に対する保護が十分にされているか。
- 製造プロセス: 製造プロセスに関するノウハウが保護されているか。
- サプライチェーン: サプライヤーや顧客との間で秘密保持契約を締結する必要があるか。