(争点)
外国人に再入国の自由は保障されているか。
(判旨)
本件において、外国人に再入国の自由が憲法上保障されるかが争点であるが、結論としては保障されていないと解される。これは過去の判例に基づいており、特に昭和32年の判例と昭和53年の「マクリーン事件」の最高裁判所大法廷判決において確認されている。
昭和32年の判決では、外国人に対して憲法上の「入国の自由」が保障されないと判断された。また、昭和53年の「マクリーン事件」では、外国人の在留資格に関する判断が争点となったが、最高裁判所は外国人には日本への入国の自由が認められないとし、入国の許可は国の裁量に委ねられるものであるとした。
このような判例の趣旨に照らせば、外国人が一度日本を出国した後に再び入国する「再入国の自由」も、憲法22条に基づく「移動の自由」によって保障されるものではない。再入国は「入国」の一形態であり、再入国に対する制約もまた国家の裁量に委ねられるべきものである。よって、原審が外国人の再入国の自由を保障しないとした判断は、正当であり是認される。
(ポイント)
- 外国人の再入国の自由は憲法上保障されない:判例上、外国人には「入国の自由」自体が認められていないため、「再入国の自由」も同様に保障されない。
- 判例の確認:「昭和32年判決」と「昭和53年判決(マクリーン事件)」が基準となり、いずれも外国人に対する入国の自由を否定している。再入国もその性質上「入国」と同じであるため、同様に制限される。
- 結論:外国人には再入国の自由は認められていない。