エブュルウラ・マルディン(E. Mardin)の1946年の著作『Medeni Hukuk Cephesinden Ahmet Cevdet Paşa (1822-1895)』は、オスマン帝国の法律家であるアフメト・ジェヴデト・パシャの業績を詳細に検討したものであり、特にメジェッレに焦点を当てた重要な研究です。

マルディンは、アフメト・ジェヴデト・パシャがメジェッレの起草において果たした役割と、その背景にある法的・社会的文脈を詳述しています。マルディンの研究は、メジェッレがオスマン帝国の法体系においてどのように位置づけられているかを理解するための貴重な資料となっています。しかし、マルディン自身のメジェッレに対する評価は必ずしも明確ではなく、彼の主張は後の学者によって様々に解釈されています。

マルディンの研究は、メジェッレが単なる法典以上のものであり、オスマン帝国における司法改革の一環として「自前の法の側定」を示すものであると捉えるべきであることを示唆しています。彼の評価は、メジェッレをオスマン帝国の法的・文化的独自性を強調するものとして位置づける一方で、西洋法の影響を受けた世俗法としての側面も持つ複雑な存在であることを示しています。

このように、マルディンの研究はメジェッレに関する初の総合的な研究であり、オスマン帝国の法制史研究において重要な位置を占めています。