オスマン帝国の主権とカピチュレーション（外国との特別な協定）によるエジプトの法的地位の変遷

オスマン帝国の主権とカピチュレーション（外国との特別な協定）によるエジプトの法的地位の変遷を述べています。以下は要点です。

1. エジプトの法的地位（1841年以前）:

   • オスマン帝国のポルテは、エジプトの土地保有制度を規制する法的権限を保持していた。
   • 政治的には、ムハンマド・アリーがその制度を再編するのをポルテが防ぐことは困難だった。

2. 1841年のフィルマン:

   • ムハンマド・アリーの子孫にエジプトの知事職の世襲権を付与。
   • ギュルハネ勅令の規定、およびポルテが外国勢力と結んだすべての条約の規定がエジプトで実行されるとされた。
   • その後、エジプトの土地法はオスマン法の修正として制定された。

3. 1867年と1873年のフィルマン:

   • エジプト政府の立法権と内部自主権を確認、拡大。

4. エジプトの独自法:

   • 1858年のオスマン帝国の土地法はエジプトでは施行されず、エジプト独自のSaʿidiyah土地法が制定された。
   • オスマン帝国のシャリーア法の民法典形式の集大成であるMajallahもエジプトでは適用されなかった。

5. 外国人の土地所有:

   • 1867年の外国人土地所有に関するオスマン法はエジプトでも適用されたが、これは主に外交関係に関するものであった。

6. 混合裁判所と領事裁判所:

   • 1845年に外国人とエジプト人の間の商業事件を扱う特別裁判所が設立され、これらの裁判所はオスマン法に基づき、フランスの商法典から派生した法律を適用。
   • 領事裁判所は、原告が外国人である場合、その国の法律を適用し、エジプト人原告は外国法によって支配された。

7. 法制度の乱用と西洋法の導入:

   • カピチュレーション制度の存在、またはその乱用は、エジプトの国民法に西洋の法的制度を導入する主な原因となった。