ナワウィ(Nawawi、全名:ヤーヤー・イブン・シャラフ・アン=ナワウィ、1233-1277)は、シャーフィイー派の著名なイスラーム法学者であり、ハディース学者でもあります。彼はシリアのナワーという町で生まれたため、「ナワウィ」という名前で知られています。

生涯と学問的背景

ナワウィは、若い頃からイスラーム学問に専念し、特に法学(フィクフ)とハディースの研究において多大な業績を残しました。彼はダマスカスで教育を受け、その後、自身も多くの学生を教えました。

主要な業績

ナワウィは多くの重要な著作を残しており、その中でも特に著名なものは以下の通りです。

  1. アル=マジュムーア(Al-Majmu):

    • シャーフィイー派の法学に関する詳細な解説書であり、未完ながらも非常に影響力のある作品です。ナワウィの死後も他の学者によって補完され続けています。
  2. リヤード・アッ=サーリヒーン(Riyadh as-Salihin):

    • 実生活における道徳的・宗教的指針を提供するハディースの選集で、多くのムスリムにとって日常的な教訓として広く読まれています。
  3. アル=アルバアイン・アン=ナワウィーヤ(Al-Arba'een An-Nawawiyya):

    • イスラーム教義の基本的な原則を説明する40の重要なハディースの選集。この書物は、イスラーム教育の基礎として広く用いられています。

シャーフィイー派への貢献

ナワウィは、シャーフィイー派法学の発展において非常に重要な役割を果たしました。彼の解説や注釈は、シャーフィイー派の法学者たちにとって不可欠なリソースとなっており、彼の法学に関する見解や解釈は広く受け入れられています。

人格と影響

ナワウィは、その知識だけでなく、個人的な信仰と敬虔さでも知られていました。彼の生涯は質素であり、彼の教えと行動は一致していたとされています。ナワウィの著作は現在でもイスラーム法学とハディースの学問において重要な参考文献とされ、多くのムスリムにとって信仰と実践の手引きとなっています。

結論

ナワウィは、イスラーム法学とハディース学における巨人であり、彼の著作と教えは、ムスリム社会において今もなお広く尊敬され、参照されています。彼の業績は、シャーフィイー派のみならず、イスラーム世界全体に大きな影響を与え続けています。