天海祐希さんが主演され、映画化にもなった垣谷美雨さんの作品。

実は映画も観たことはないのだが、タイトルは鮮明に残っているほどインパクトの強く、以前から読んでみたかった作品の1つ。

読んでみたいと思う作品はたくさんあるのだが、読もうと思った時にその本がなかったりすると、そのまま忘れてしまう。しかも、図書館には魅力的な本がたくさんあるので、読みたいと思っていたまま忘れ去ってしまう本がいくつもある。

この本は、タイトルのインパクトが強いせいか、図書館で見つけた瞬間に読みたかった記憶が蘇った。

 

 

 

 

 

 

 

 

「お直しに出せるほどの上等なブラウスは持ってませんから、生地が傷んできたら換気扇を拭いてそのまま捨てます」

 

 

老後2000万円問題といわれていたが、今は4000万円必要とも言われている。

だが周りの人の貯金額は知らない。給料がいいからと言って裕福とは限らないのだが、お金の問題は一番話題にしにくい。

 

主人公の篤子は4人暮らし。57歳の夫の章(あきら)、長女さやかは28歳、は大学4年生長男勇人。

貯金は1200万円。住宅ローンの完済はあと2年残っているのだが貯金は1200万円。老後費用2000万円には達していない。

そんな時、長女の結婚式に500万円、舅の葬儀と墓で400万円使ったため、残金は300万円となった。義両親へ送り続けてきた9万円は舅の死後は姑のために振り込まなければいけない。

いよいよ老後資金は崖っぷち。

そんな篤子の相談相手は、公民館で開催されているフラワーアレンジメント教室で知り合った神田さつきだ。さつきは質素倹約を心掛けていて、老後破綻とは無縁のような人だが、金銭感覚は篤子と似ているようだ。

 

例えば、古い服を現代風に直してもらって着る、という発想は、昔の日本製は質の良いものだからなのだが、篤子からすると、お直し代の方が高くつくだろうし、質の良い衣服の元の値段はびっくりするほど高いのではないかと考える。そんな篤子の心の声を代弁したのがさつきだ。

 

金銭感覚がしっかりしている、さつき一家。

老後の資金が足りない状況に追い込まれている篤子一家。

 

どちらも堅実に暮らしていても、社会状況や家族のライフイベントにより予定通りの貯金などは進まない。

 

先日、YouTubeで、街の人に老後資金を貯めているかをインタビューしている動画が流れてきた。ある男性は妻に家計管理をまかせているそうだ。

男性:老後資金は大丈夫?

妻:まかせとけ!

 

 

熟年離婚でもされたら大変だろうが、こんな風に「まかせとけ!」と言える人は、どれだけいるのだろう。

 

 

老後の資金がありません

 

それは私も同じ。

 

今の職場がいつはたんするかわからない。

手に職を持っている人でも、安泰に働ける場所というのは着実に減ってきている。

いつまでも働ける健康な体と、どこでも働ける適応力。

そしてあるものでやりくりできる倹約する力と物欲を減らす。

 

これさえあれば、細く長く働いて暮らせるだろうが、それが難しい。