山口惠以子さんのおいしいシリーズ3部作の1つ、『食堂のおばちゃん』の3作目。
もう何度読んだのかわからないこのシリーズ![]()
おいしいシリーズ3部作は、『食堂のおばちゃん』『婚活食堂』『幽霊居酒屋』があり、私が勝手に命名しているだけで、著者の山口さんご自身は「食」と「酒」シリーズとしている
一子と二三の嫁・姑コンビで営む「はじめ食堂」では、昼はランチ、夜は居酒屋で、常連達に支えられて、おいしい食事を提供している。
二三の娘である要の幼馴染である万里が、一子が足を怪我したことがきっかけで働くようになる。
そして今回から新たな登場人物として、メイこと青木 皐が登場する。皐は本来「ススム」というのだが、性同一性障害のため「さつき」と名乗っている。
メイというのはショーバブで働いているときの源氏名である。
要が商店街の福引でバスツアーに当選。
一子はホテルビュッフェに「風鈴」のダンスショー鑑賞付きのプランを希望した。
はじめ食堂のメンバーだけでなく、常連様も加わって大人の遠足のような状態。
その「風鈴」でダンスショーを堪能した後、ダンサーたちが各テーブルを回ってきた時、1人の女性が万里に声をかけた。
それがメイだった。
今ではすっかり女性となったメイに、万里は全く気付かなかったのも当然だろう。
その皐の夢は、いつか味噌汁専門の店を出すこと。
味噌汁は和風と決めつけていたが、最近は洋風味噌汁のレシピもある。
昔は味噌汁を食べないこともあったが、最近は味噌汁や汁物が好きになったのは、年齢にもよるのかもしれない。
今ではLGBTなどと呼ぶが、昔は、ニューハーフとかミスターレディーと呼ばれていた。
この本では新しい著書でもそのような呼び方をしているのだが、決して嫌味な書き方はしていない。
何より、登場人物の誰もメイのことを男として接しておらず、1人の女性、1人の人間として接している。
どんな呼び方でも、使い方次第で悪意にもなる。
統合失調症もかつては精神分裂病と呼ばれていた。
名称が変わってから、精神疾患に対する差別や誤解は減ったのだろうか。
そもそも名称だけで誤解が生まれるというより、その人1個人としてみていないことが問題なのだと感じる。
呼び方にこだわることよりも、どう接していくか、どう感じるかが大切な気がする。
「はじめ食堂」のメニューは相変わらずおいしそうで、やっぱり昭和感が漂っている。
この『愛は味噌汁』が出版されたのが2018年なので平成30年なのだが、私の中での平成は、昭和と混同しているようだ。
バブル後とはいえ、まだまだ世間では会社での接待パーティーなどがあった平成。
ちょっと華やかな感じがすると、つい昭和の感じがしてしまう。
