神奈川県相模原市の身体障害者施設「津久井やまゆり園」でおきた事件から10年。
追悼特集が組まれている時に、図書館で見つけた本。
2019年の年末、神戸市にある精神科病院で務める職員が、女性への強制わいせつ事件で逮捕された。
その職員が保持していたスマホの画像から、複数の職員が入院患者に虐待をしていたことが発覚した。
 
年が明けた2020年、ちょうどコロナ感染が確認され始めたこともあり、病院への立ち入り検査は難航したが、結果として複数の職員が逮捕された。
 
アンケート結果では、直接事件に関わっていない職員以外にも、自分も虐待をしたと認めた職員もいた。
 
 

 

 

 

 

 

 

 

この事件の発覚から、現在の神出病院への再建までの状況を取材した記録だが、やまゆり園で起きた事件についても触れていた。

重度の知的障がい者や身体障がい者の精神障がい者。

どちらも1人で生活することが困難なことから施設へ入所したり、治療のために入院している。

家に帰れない患者をみてやっている、という姿勢を持っている人もいるということ。

 

社会で働けない人、誰かの介助が必要となる人を、どこかで下にみて。自分は「面倒みてやっている」といった上からの視線でみていると、こんな風に虐待に繋がるのかもしれない。

たまたま職員の虐待が発覚したが、その後いくつもの病院で、職員による患者への虐待事件は起きている。

虐待をした人がおかしいのではなく、もしかすると組織全体が虐待をしても良いかのような風潮になっているのかもしれない。

その中で働いていると、自分も加害者になっているのかもしれない。

そんな集団心理に巻き込まれていく怖さを感じる。

 

 

取材した人間によると、この病院はかなりカビが多いのだとか。

古い病院では仕方がないこともある。

しかし、掃除が行き届かないということは、それだけ目の前のことにしか手が回らないということ。

 

 

 

病棟にはびこるカビは、この病院が抱える問題の根深さを象徴しているように思えた

 

 

文中の一文。

 

 

ふと自分自身に置き換えてみた。

忙しくなると、家の中が荒れる。

片づけたとしても表面上の掃除しかすましていない。

 

いつからこんなに荒れ果てているのだろう。

ふと部屋の隅々まで見ると、拭き掃除をしていない棚はほこりをかぶっている。

部屋は心を表すというが、どんなに汚れを隠していても、その汚れは徐々に他の壁や床へと広がっていき、住む人、働く人の心と身体に蝕んでいくのかもしれない。

 

 

現在の神出病院の様子も触れていた。

新しい院長のもとで、病院は再建に向かっている。

カビの多かった病院だが、かつてとは違って明るい雰囲気となり、開かれた病院を目指している。