山口惠以子さんのおいしいシリーズ3部作の1つ、『食堂のおばちゃん』の第1作目。

 

 

 

    

 

おいしいシリーズ3部作は、『食堂のおばちゃん』『婚活食堂』『幽霊居酒屋』があり、私が勝手に命名しているだけで、著者の山口さんご自身は「食」と「酒」シリーズとしている

 

 


 

このシリーズの、新しい作品がいくつか図書館に並んでおり、読み始めると、最初から読みたくなってきた。

私が山口惠以子さんの作品を初めて知ったのも『食堂のおばちゃん』シリーズなので、始めから読んでみることにした。

 

はじめ食堂は姑の一子と嫁の二三が営んでいる、昼は定食屋、夜は居酒屋の食堂。

 

元々は一子の夫であった孝蔵と始めた小さな洋食屋だったのだが、孝蔵が急逝後に一子と息子の高が現在の食堂に切り替えたのだ。その高も急逝してからは嫁の二三がデパート勤務を辞めて店を切り盛りするようになった。

 

 

 

 

 

 

 

 

嫁姑の仲だけでなく、常連さんとの仲も良い。

「食堂」という場所ではあるが、楽しそうな食事風景が思い起こされる。

ランチの常連の1人である梓は、銀座の老舗クラブで長年チーママをしており、二三がデパートのバイヤーだった当時からの付き合いが今も続いている。

その梓が客の1人にだまされ、売掛金を改修し損ねるという失態が起きる。

 

自分の客の見る目がなかったことに落ち込む梓。

立て替えた売掛金は戻っては来ないが、命があるだけ良い、高い勉強代を払ったのだ。

と自分自身を納得させ、一子や二三のおかげで元気を取り戻していく。

 

ところが、梓をだました客が、今度は「はじめ食堂」へやってきた。

今度は近所の焼き鳥やの息子をだますために・・・

 

二三の機転のおかげで、梓はその詐欺師へ見事に復讐を果たす。

読んでみるとこんなタイミングよく詐欺師と対峙したり撃退することがあるのだろうか、とも思うのだが、二三や梓に肩入れして読めるのは、山口さんの文章力なのか表現力なのか。

 

詐欺師を撃退した一子と梓はガラス戸を開け、2人で盛大に塩をまくのだが、ガラス戸や塩をまく様子に、古い昭和を思い起こされてなんともほほえましくなる。

 

 

読んでいるうちに、そうだ、こんな登場人物がいたな、

二三の一人娘の要の幼馴染の万里は、『はじめ食堂』の従業員になるのだが、こんな初期から出ていたのか、

など改めて読み返すと面白い。

 

このシリーズは何度でも読み返したくなるのはなぜだろう。

読み返すたびに、電子書籍でいつでも読めるように手元においていてもよいのではないかと思ってしまう。

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