無職のキョウコは、私と同様にお金の心配や老後の心配はしているのだが、話を聞いてくれる高校時代からの友人や、隣人のクマガイさんがキョウコにはいる。
兄家族にも恵まれており、一人で住んでいても、人は一人では生きられない。
改めて感じさせられる作品だ。
キョウコは1か月10万円で生活をしており、年金がもらえるまでは貯金を崩している。
何にお金をかけるかはその人次第。
食べる物をオーガニックにしているが、共有スペースの花はキョウコが安い生花店で購入している。
じゃあ衣服は?
お隣に住むクマガイさんが着られなくなった服は、キョウコの趣味に合うものなので、ありがたく使わせてもらっている。
ただキョウコは刺繍ができること、ちょっとした服の修繕くらいなら自分でできてしまうのだ。
肘にが擦り切れたら、刺繍を施したあて布を使って修復して大事に使っている。
ミュンヘンにいた頃、ホストマザーの一人を思い出す。
ホストマザーとはいうが、食事などは自分で用意するので、部屋と家財道具を借りている状況だ。
彼女は週に3~4日、仕事に行く。
毎日簡単な掃除をし、週に1度は水回りや床掃除をする。
日曜日は朝から音楽を聴きながらバスタイムを楽しむ。
食事も決して贅沢をしている様子はないが、食材を無駄にしている様子はない。
集合住宅の1室の彼女の部屋は、決して新しくはないのだが、いつもきれいに使われている。
何より物を大事にしている生活ぶりがいつもうかがえた。
靴下に穴が開いたら縫い合わせたりつぎはぎして使う。
タオルも布巾も、少しぐらいなら縫い合わせて使っている。
古くなった物は思い切って捨てて新しい物を買って、新しい気を呼び込む
お片付けだったか風水だったか。
何かの特集で読んだことがある。
確かに古い物を使い続けて、気持ちがマイナスになるのであれば、新しいもを買った方がいい。
新しい物を使うのは、やはり気持ちが良い。
物を大切に使っているのであれば、
まだ使えるから、
もったいないから、
古くなった物を、新しく生まれ変わらせて使うのであれば、それは決してマイナスな気持ちにはならない。
新しく生まれ変わらせるための作業の時間。
新しい物を迎え入れる準備の時間は、楽しみと喜びに満ちた時間。
そんな時間もまた、暮らしの中には必要なのかもしれない。
かなり毛玉がついてしまった部屋着を見て、無心に毛玉を取ってみる。
きれいに蘇った部屋着を前に、ふと自己満足の笑顔を浮かべている私の姿は、ちょっと不気味だったかもしれない。
