週末北欧部chikaさんの「北欧こじらせ日記」の第二弾です。本書ではタイトルにあるように、フィンランド移住が決定し現地のレストランで働き始めるところまでが描かれます。




前作では具体的なフィンランド移住の方法として、日本人であることが就労での移住において有利になる「寿司職人」になることをchikaさんが目指すところまでが描かれましたが、本書では急性膵炎で2ヶ月入院し、しかし復職して実際に寿司職人を養成するスクールに入学し、人材会社で働きながら週末だけ寿司屋で修行し、さらにフィンランドのレストランでの面接に備え英会話学習も始め、フィンランドのレストランの求人に応募してWeb面接で一発合格、そしてコロナ禍にフィンランド移住し速攻で働き始めるという怒涛の展開が描かれます。前作と同様、絵柄はゆるふわなのに描かれている状況がいちいちハード過ぎて、もしかしてchikaさんはフィンランドが好き過ぎるあまり頭のネジがぶっ飛んでいるというか、端的に言って「どうかしている」のではないかと思えてきました。


まず激務の人材会社の営業職の傍ら週末には寿司屋で修行という、どう考えても週7労働なうえに修行中の寿司屋の大将がこれ。もうこの職人的がらっぱち具合がもう無理。私だったら「お前」呼ばわりされた時点で「なんだてめえ!」と思ってしまいます。っつーか常識的に考えたら普通にパワハラ発言。いくら技術があって後で丁寧に教えてくれたとしても、その言葉選びと言い回しがもうダメ。


そして寿司スクールでは大根の桂むきで躓きつつも単位は取得して卒業。通ったのは1年半だったそうですが、普通なら絶対に体力的に潰れるか精神を病んでいます。なお、この傍らTwitterなどのSNS更新も頻繁にやっていたんだから、もうバイタリティがカンストしています。


本書でいいな…と思ったのはこのくだり。


フィンランド移住が決定したことを現地のフィンランド人の友達に伝えたら、祝福してくれつつも「ちゃんと覚悟した方がいい」と忠告してくれたというもの。

chikaさんの人並外れた行動力は、ひたすら「フィンランドが好き」と思い続ける強い好意に引っ張られたものだと推察できるのですが、愛情が強ければ強いほど、期待値が高ければ高いほど、それを裏切られた際のショックは大きく心が折れてしまうでしょう。例えばフィンランドにだって人種差別はあるし白人至上主義者はいるし極右政党は年々支持を拡大しています。もしchikaさんが現地でアジア人差別に遭ったら、果たしてずっとフィンランド愛を貫くことができるのか?そんな目に遭わないことを願うばかりです。



なお、フィンランドに渡りわずか一週間後には就労開始だったそうですが、序盤から波瀾万丈過ぎる展開でしたが、それも桁外れな努力とコミュ力で乗り切っているのには驚きました。おそらくchikaさんはコミュ力も相当の高いのでしょう。