以前買った本に続きこちらも読んでみました。




同じく週末北欧部chika さんのコミック「北欧こじらせ日記」です。刊行時期としてはこちらの方が早かったみたいですが。


まずこの本はページが開きやすいのですが、変わった製本が為されており…



このように、綴じただけの状態で上からカバーをかけています。普通ならこうして綴じた後に糊付けして表紙・裏表紙を付けるもんですが、あえてそれをせずにただカバーだけをかけることで、平らにページを開けるようになっています。


内容は、大学時代の貧乏旅行で初めてフィンランドに行って以降、フィンランドにドハマりし、卒業後も北欧に関わるため日本中の北欧に関連した企業にアタックしてとある音楽プロモーターに就職するなど、chikaさんのキャリアというか人生の「歩み」に焦点を当てたものとなっています。「マイフィンランドルーティン」がフィンランド滞在中のスポットやアクティビティに焦点を当てているのに対し、この「北欧こじらせ日記」はフィンランドに骨の髄まで侵食されたchikaさんの生活と人生そのものを描いています。


しかし読んでいるうちにだんだん怖くなってきました。まずchikaさんのファーストキャリアは前述の北欧のアーティストを招聘する音楽プロモーターなのですが…




いくら小規模でアットホームな会社とはいえ、大学を卒業したての若者に「好きに営業してみて」と営業をぶん投げるのもどうかと思うんですが、それでノルウェーのアーティストを招聘するchikaさんの優秀っぷりがどうかしているし、そのうえ日本国内の高齢者の合唱団をノルウェーに連れて行くとか、能力がカンストしています。

なのにその会社がなくなることになり…


いや、そのりくつはおかしい


会社がなくなる責任は理由はどうあれ経営者の責任です。大学を卒業したての若者に営業を丸投げし、chikaさんは新卒社員らしからぬ奮闘をしているのだから、そのうえ経営に責任を感じる必要はありません。私はこのくだりを読み、chikaさんは一歩間違えるとタチの悪いブラック企業に洗脳され使い潰される危険があるのではと思ってしまいました。


で、この後chikaさんはショックのあまり一旦北欧から距離を置こうと転職活動を始めるのですが…


圧迫面接では?


人材系の会社でこれってどうよ?「やりたいこと何も無いんでしょ?」とか、もし私がこんなことを言われたら「ハァ?なんだてめえ!」と思ってこっちから蹴ってやります。あと「ここで3年」はブラック企業の決まり文句です。石の上にも3年的なことを言って我慢を強いるのはブラック企業の洗脳の第一段階なのだから。

しかしこの最終面接後にchikaさんは就職を決め(正社員ではなく契約社員)、仕事を始めるのですが…



新規開拓のTEL営業を1日100件


はいブラック労働きた!なのに「大変でも充実していた」と書いてしまうchikaさんは大丈夫だろうかと心底怖くなってしまったのですが、



そんな生活の中で北欧みたいなカフェをやりたいと思うようになり、激務の毎日だろうにさらに週末に修行としてカフェで働き始め、そのカフェの店長すらスパルタだったという顛末。おそらくこの時のchikaさんは週7労働だったと思うのですが、体力以上に精神力というか精神構造が一体どうなっているのか不思議で仕方がありません。

そして遂に…


寿司職人になりフィンランドに移住する夢に到達します。


いくら昔とはいえ3年有給使ってなかったってやっぱりブラックじゃねーか


「定時上がりでも成果は出しますっ」とわざわざ言っているということは、定時で上がれないのが常態だったということ。ちなみに本書の冒頭で、夜遅くに帰宅後、夜中に急にシナモンロールを焼くエピソードが描かれているのですが、この人材系の営業の激務の連日でそれをやっていたと考えると、もう「どうかしてる」という感想しか出てこなくなります。


なお、実際は行く予定だった寿司学校の夜間コースが休止になり、そのタイミングでchikaさんは中国に転勤となるなどまた一山あるんですが、ほんわかした絵柄とは真逆なクソハードな労働環境のコントラストが強烈過ぎて、読んだ後「この人どうかしてる」という感想しか出てこなくなりました。なのでほんわかユルかわいい北欧感を期待するとちょっと面食らうかもしれません。