（つづき）
「ザザっザザザザっ」
近隣も寝静まり車の音さえ聞こえない静寂の夜。
なにも動かない郵便受けの前に立っていた私は
音のするほうへ振り返ると、
わずかに灯るオレンジ色の灯りの下、
一段一段に深い影を落とす階段。
その階段をじっと見つめると、
「ザザっザザザザっ」
上の方から、
その音がはっきりと。
「ザザっザザザザっ」
薄暗かりの階段の中程から、
はっきりと、
「ザザっザザザザっ」
音だけははっきりと聞こえるのに。
じっと目をこらしても
見えるのはいつもの階段だけ。
ああきっとネズミだネズミ。
以前も天井を走る音がしたじゃない。
チャカチャカチャカ…
小さな爪が走る音が！
「ザザっザザザザっ」
ネズミじゃない…
もっともっと大きくて重いもの、
それが階段の縁を擦りながらゆっくり降りてくる音。
「ザザっザザザザっ」
ネコだネコ。
ネコが階段裏の隙間に入り込んだんだ
大変大変…
家の外壁に穴が空いてる？
そこからネコが忍びこんだ？
階段下はトイレ。
ドアを開けた。
何もない。
ちがう裏側じゃない。
この音は階段の表面から
この目の前から聞こえてくるのに！
なにも見えない・・・・・・・。
なにもない・・・・・・・。
その音が階段3段ほど残した位置で、
突然、
止まった。
’（まだ少しつづきます）
カフェとプライベートスペースにて
マルセイユタロットリーディングを行うＨＡＲＵです。
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（この格好でリーディングしておりませんので、ご安心ください
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