椎葉 周
ゼロから始めよ―閃光のガンブレイヴ

最初がキツかった。読むの止めようと思うくらいに精神的にキツかった。
娼婦を買うのはいい。別にそこは問題じゃない。受け入れられる。
だけどそれを囮にして無理矢理蜂の巣にさせるとか、エグすぎてムリ。
最初の奴らはなんの意味があって死ぬの!?ってくらい死ぬ。
7人中5人死ぬ。2人生き残って逃走。みたいなの。
アルファクでもノワールでもこの本みたいな傾向はあるけど、
そこまで進んではないし、状況が状況だからそういうエグさもありだとは思う。
というかなんだ、結構キレイに戦ってたんだよ。
「人間」を使ってのどうのこうのはなかったから。
武器の非人道的なのとか倫理観ぶち壊してるのとかはあったけど。
自分が女性だからこその意見かもしれません。



前振りが長くて「誰が主人公?」って思いました。
ん、結局はベンだ。物腰柔らかくなんだお前その抜けっぷりは的でむやみに強いベンだ。
んで、そのベンの相棒・モンブランと、知り合いの銃を売るおじいさん・ロルフと一緒に
なんだかんだあって結局西部有数の強盗団を壊滅させるお話。
ついでに虐められっ子・ショーンの成長話。
最後はまあよくある終わりでした。


んー、焦点があってなかったのと書きたいことがありすぎてごちゃごちゃしてた。
登場人物が多い。
ジョニーとかショーンとかジャックとか似たようなのは少なかったけど、
最後のほうは入り乱れてて誰が誰だか解らない。
敵団幹部の七人もあるし、ニックとかベンツァーとかフレッドとか。
人数多いのは良いんだけどひとりに割けるページが限られてるから印象付け的には無理があるなー。


アルファクから読んだので、「原点」かなとも思いますが、
どうしてもその前に「粗い」という表現がつかざるをえませんでした。
最初から追っていた人は結構感慨深いものがあるのではないかと。
ファンなら読んでもいいとは思うけど、これ最初に読んじゃった人は追うのやめちゃうんじゃないかなーとも思います。
それも縁ではありますが、出来れば他の作品も読んでみてと言わせてください。

これに関しては………椎葉先生の雰囲気っつったら雰囲気ですし、
方向性としても最初から変わってないのねと思いますが、
中途半端な恋愛部分も今更であるベンの過去も要らなかったかな。

題名の付け方は色々と考えさせてくれました。
改題前の「撃たれなきゃわからない」も、なにを言いたいのか漠然とながら解ったし。

それではー。


・ 関連作品の感想 ・

<アンジェリック・ノワール>
アンジェリック・ノワール(1) パラダイス・ロスト
アンジェリック・ノワール(2) パラダイス・リゲインド

<アルティメット・ファクター>
アルティメット・ファクター(1) 軌道上のキリングゾーン
アルティメット・ファクター(2) 決別のフォトン・クロス
アルティメット・ファクター(3) 不屈のカウンタースナイパー
アルティメット・ファクター(4) 鋼刃のジャスティス
アルティメット・ファクター(5) 成層圏のパペットショー
アルティメット・ファクター(6) 最果てのイモータル
アルティメット・ファクター EARLY TIMES 赤道直下のソニックウェイヴ


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ニューロティカ・プラネット――嗤う惑星