ふしぎの国のバード/佐々大河 | michyのブログ

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ダラダラした日常で興味を持ったことを、ぼちぼちと書きなぐります。

ふしぎの国のバードの3巻を読了。
以前、1,2巻をまとめて買っていたのだが、すっかり書くタイミングを失っていた。
12月に3巻が出たついでに、取り上げてみる。

イザベラ・バード
19世紀の時代に、当時としては極めて珍しい女性旅行家として世界中を旅し、
紀行を残している英国人。その彼女の日本滞在記をマンガ化したのが本書。
ただし、彼女の書いた"Unbeaten Tracks in Japan(日本奥地紀行)"の
北日本旅行記のマンガ化ではなく、その記述や当時のその他の情報を総合して
彼女を主役に構成したもの。
バード女史が1878年(明治11年)6月から9月にかけて、東京を起点に日光から
会津西街道を通り新潟へ抜け、日本海側から北海道に至る北日本を旅した様子を
描いている。(3巻時点では新潟まで。)
まだ維新から10年足らず、開国したとはいえ外国人が珍しい時代。
当時としても会津西街道は東京から新潟までのメインルートではなく、
敢えて西洋人の通らないルートを通る。行く先々のまだ江戸時代の風習が
残る場所や、文明化されて無い場所、戊辰戦争で疲弊した場所その他を、
外国人の目から克明に記し、時に感動、時に呆れ、苦労しながらも、
通訳の伊藤鶴吉と旅する様子を描いている。

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懸命な方なら解ると思うが、一応注意事項。
まず、実際のバード女史が同じ反応だったか、ここまで感情豊かかどうかは
定かではない。これは第3者によってかかれる時点である意味当然。
それにマンガの中でも皮肉をこめた表現で旅行記を書いている記述があり、
双方読んで違いを推測するのも面白いかもしれない。
もう一つ、本書では見目麗しい若い女性の姿で描かれているが、
この旅をはじめた時点で47歳!
まぁ、これはマンガというメディアではしょうがないことか。
しかし、言葉の通じず、情報が不足しているため場合によっては想像以上に
未開で悲惨な体験をするかもしれないのに、通訳や従者や現地ガイドを
雇ったとはいえ女性の一人旅でここまでやる度胸は感服する。
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