元々おいらの旅は遠出するときは公共交通が基本。
ドライブも好きだし、酷道趣味があっても、遠隔地は興味はあっても
行かないのが常だった。それが変化してきたのは一昨年ぐらい。
北海道の道路事情の話を調べるに、札幌(道央)と道東のアクセスの話で
いつも出てくるのが狩勝峠
と日勝峠
だった。
それこそ、帯広出身で札幌の大学に行っていた会社の先輩などは
「いやあ、日勝峠
通れば2時間半で札幌から帯広まで行けるよぅ。
冬は黄金道路
通っても3時間だしぃ」
などと言っていた。(日勝峠
はともかく、黄金道路
のほうが信じられんわ・・・。)
もちろん、それは所謂北海道のドライバー事情(詳しく書くと明らかに法を逸脱する)が
関わってくるのではあるが、それで興味を持っていろいろ調べ始めた。
狩勝峠は、滝川・富良野方から十勝へ向かう峠。
鉄道でいうと根室本線ルートで国道でいうと国道38号線。
これは6月に行ったが、確かに聞きしに勝る大パノラマの雄大な風景が楽しめる峠だった。
一方、日勝峠は、旧日高町から十勝清水に抜ける峠。
並行する鉄道は無し。
(石勝線はちょっと外れているうえに、峠をトンネルで回避して新狩勝トンネルで合流する。)
標高1000mのため冬季の悪条件ではプロのトラックドライバーですら
狩勝峠へ回避するとの由。
そりゃあ一度は行ってみたいなという欲望にかられる。
今回、とりあえず5連休だからと抑えた北海道旅行で、じゃあどこに行こうかと考えたときに
「日勝峠を走りたい」というのが一番最初に来た。
千歳から、国道337号線~国道274号線と進み、夕張市紅葉山(新夕張駅付近)から
帯広・十勝清水・日高方面に向かう。この区間の国道273号線は日勝樹海ラインと
名乗っており、実際山の中を進む。ただ、他の地区と違って、積雪量の多い北海道だけに
道は広く走るのは快適。急カーブや急こう配はあっても、車のスピードは落ちない。
旧日高町で国道237号線と交差すると、じりじりと日勝峠に上っていく。
道はそれほど走りにくくはないが、北海道だけに妙に飛ばす車をやり過ごしたり、
逆に遅いトラックや特殊車両で詰まったりでちょっとストレス。
逆に言えば、それだけ使われている重要な道路ということだろう。
折しも悪天候で雨が降る中、たどり着いた日勝峠の頂上がこれ。
・・・なんとも味気ない。
標高1022m。植生は、完全に高山のそれで興味は魅かれるのだがそれほど生物に詳しいわけでもなく、
観光施設どころか休憩場所すらもなくちょっとがっかりしてそのまま進む・・・
と、そう長くないトンネルを抜けると、まるで世界が違うかのように
天気は晴れて、眼下に十勝平野の大パノラマが現れた!
それまで欝々とした気分だったのが、一気に晴れた感じ。
残念ながら車を止める場所がなく、5合目まで下ったところにあった展望台で撮った写真がこれ。
wikipedia
を見ると、むしろ十勝清水側のほうが濃霧の影響を受けやすいとのことで
あるいは珍しいケースだったのかもしれない。
初秋という、非常に条件のいい時期でこれだけに、冬季の厳しさは想像を絶する。
並行して、しかし厳しい峠をトンネルで回避した道東道の恩恵は非常に大きいと思った。
追記
前述の先輩の言葉だが、千歳から旧日高町に行くまでも、2つの大きな峠を越えなければならない。
実際走ってみて、地図で予測した感じよりも、あまりに条件が違ってびっくりした。
ここ通って、札幌~帯広を2時間半が本当なら、北海道民どんだけスペシャルドライバー揃いなんだと
驚愕するやらあきれるやら。