やってきますた木曜日♪
まぁ相変わらずの腐れでございます。
のんびり過ごす休日とはいかず・・・仕事しながらのんびりって感じかなぁ。
さて、木曜日は「孝天編」ですね。
今回は甘め・・・かなぁ・・・?
孝天の割には(つーかワシの中の孝天が酷い雄なんだよな)可愛い感じ。
これも続き書きたくなるのよね・・・
一話完結ですっきりさせろよ・・・自分。
というわけで・・・どぞ。
「No Mark」 孝天編
あたしは正直戸惑っていた・・・・
今目の前にいる男の子にいきなり付き合って欲しいと言われていたからだ。
「・・・はぁ・・・なんであたし?」
「なんでって・・・惚れたから。」
「惚れたって・・何言ってるか自分で解ってる?
あたしは君より年上だよ?周りにいっぱい可愛い子いるじゃん。
あたし年下に興味ないし。ゴメンね。
良く知らないし。こう見えてもあたし甘えたがりなんだ。」
とりあえずあたしはそれだけを伝えてその場を離れた。
仕事に戻ったあたしは何がなんだかわからなかった。
なんであたしなんだ?仕事では確か一度だけ一緒になったことあるけど・・・
話ほとんどしたことないけど?
何か良くわからん子だなぁ・・・
名前確か・・・孝天だったっけか・・・変な子。
「杏里先輩!ここなんですけど・・・」
後輩に声をかけられてあたしは我に返った。
「ん?どれ?あぁ・・・これはね・・・」
後輩に答えながらあたしは仕事を続けた。
年下にまさかいきなり好きだなんて言われるとは。
しかも違う部署の子にだよ・・・
まぁ・・・会うこともそうそうないから関係ないけど。
そう思ってたんだけど・・・
再びその子と顔をあわせる日がこんなに早く来るとは・・・
ある日の日曜日部署でのバーベキューがあった。
他の部署の人間も集まってなかなかの盛大なものだった。
いわゆる親睦を兼ねての飲み会みたいなものだった。
若い子たちは他の部署の男の子との親睦を深めていて楽しそうだった。
あたしといえばその姿を見ながらバーベキューの用意をせっせと支度していた。
「先輩!野菜が足りません~!」
「今用意するね。」
あたしは皆から離れた場所のテーブルで一人材料を切っていた。
「手伝いますよ。」
男の子の声がした。
「あ、大丈夫だよ!飲んでて!あ・・・」
そこには腕まくりをしながら孝天が立っていた。
「一人でやるには量が多いでしょ?オレ得意だし。」
あたしは驚きながらも一人で正直困っていた。
「あ・・・ありがと。んじゃ野菜切ってくれる?」
「了解。」
あたしはこの前のことを思い出しながら彼を横目で見ていた。
「ん?何か?」
思わず目があってしまった・・・
「ビール持ってこようか?飲みながらやったら?」
「あぁ・・・そうしようかな・・・杏里は?」
「は?いきなり名前で呼ぶ?失礼な・・・・」
「俺の直接の先輩じゃないし。」
「あのねぇ・・・年上に失礼じゃないの?」
「はいはい。杏里先輩は飲まないんですか?」
「・・・・飲むと仕事にならないのだ。」
「ふーん・・・酒メチャクチャ飲めそうだけどな。」
「・・・・それどういう意味よ?」
「いや・・・別に。」
あたしはビールをクーラーボックスから出して後ろ手で思いっきり振ってから孝天に手渡した。
「あ・・・ども。・・・・うわっ・・・・」
ビールを開けた瞬間に彼はビールを浴びていた。
「うひゃひゃ・・・」
あたしは大笑いしながら下ごしらえを続けた。
「・・・・年上とは思えないことするな・・・・ガキくせぇ・・」
「うるさいっ!ざまぁみろ~先輩と思ってないくせにさ。」
「冷たい・・・参ったな・・・」
そう言いながら着ていたシャツを突然脱いでいた。
腰と肩口にTATOOがあるのを見てあたしは少し驚いていた。
「ん?俺の裸そんなに見とれて・・・・」
「何言ってるのよ。別に見とれてないわよ。TATOOがあったから驚いただけ。」
「あ、あぁ・・・昔入れたんで。普段は隠してるし。こっちじゃ目立つみたいだし」
「ふーん・・・昔はやんちゃだったんだ?」
「やんちゃねぇ・・・まぁ違うっていうのは嘘になるかもなぁ。パーカー着て来る。」
「あ、TATOO見えると面倒だからちょっと上着貸して。」
「ん。いいよ。小さいけど。」
そう言ってあたしは自分の着ていたパーカーを脱いで彼に渡した。
「・・・・小さいな・・・ま、良いか。行って来る。」
あたしはビールで濡れた彼のシャツを水で洗ってそばの木に干しておいた。
「先輩!野菜と肉は?」
「あ、これ今持って行くね。」
後輩に声をかけられてあたしは慌てて材料を手に皆の元へ向かった。
皆の元へ行くと自分のパーカーに着替えた孝天が後輩の女子達に囲まれていた。
「ふーん。モテるんだね・・・女に困るタイプじゃないのに。」
あたしはそう思いながら材料を手渡して仕込みの続きに戻った。
「他の人間は手伝わないの?全く・・・」
孝天がそう言いながら戻ってきた。
「は?別に楽しんでるんだから・・・別にあたしはこういうことするの嫌いじゃないし。」
「面倒見が良いよね・・・お人よしっていうか・・・」
「まぁねぇ・・・他がやらなければやるしかないし。頼りにされてるんだか使われてるんだか。」
あたしは肩をすくめながら笑って作業を続けた。
「ま、あそこにあたしが入って話してもねぇ・・・浮くだけじゃん?」
「浮く・・・まぁ・・そうかもなぁ・・・」
「・・・浮くか・・・やっぱり」
あたしは笑いながらそう彼と話を続けた。
「しかし仕事でも頼られてるよね・・・まぁ先輩だからだろうけど。」
「ん。仕事暦長いしねぇ・・・仕方ないんじゃない?頼られるだけありがたいけどさ」
ふいに彼が仕事の手を休めてあたしに尋ねた。
「確か甘えたがりだって言ってたよね?」
「あ・・・覚えてたんだ?まぁね。会社では頼られるからプライベートでは甘えたくなるわけよ。」
「プライベートで甘える人っていんの?」
「今は別にいないよ・・・別にもう甘えなくても他の方法で対処できるし。」
「他の方法?」
「うん。買物とか家でのんびり飲んだりとか・・・」
「なるほど。」
「あのさぁ・・・何であたしに?」
「ん?あぁ・・・」
「あんなに後輩に慕われてるのにさ・・・モテるんじゃない。」
「別に・・・俺年下あんまり興味ないしなぁ・・・ま、俺が甘えたいって訳で年上が好きな訳じゃないけど」
「ふーん・・・」
その時あたしのお腹が鳴った・・・・
「お腹空いてるんじゃん・・・何か適当に持ってくるよ。」
「あ、良いよ。後で食べるし。」
「後でなんて無くなるよ・・・」
そう言って孝天は料理を取りに行って適当に料理を手に戻ってきた。
「ほら。食べなよ。」
「ありがと。これ下準備したら貰うね。」
「口開けて・・・ほら。」
「良いってば。」
「良いから!ほら!」
あたしは仕方なく口を開けて彼の入れてくれた食事を味わった。
「ん。美味しい~!あたしの味付け最高!」
「・・・・自画自賛かよ・・・まったく。まぁ確かに美味いけど。」
あたしと彼は笑いながら下準備を続けた。
結局あたしは準備やら片付けやらをしただけでバーベキューが終わってしまった。
それでも周りはとても楽しそうだったのであたしは気にならなかった。
使った食器や道具を片付けようと洗い場に運んでいると
後輩が皆で集まって話をしていた。
「杏里先輩ってさぁ・・・ハッキリ言って便利だよね。」
「うん。全部やってくれるし。」
「その間にあたしたち男の子と話とかできるし。ラッキーじゃない?」
「先輩に任せといて平気でしょ・・・」
聞きたくないことを聞いたあたしは思わずその場を逃げるように離れようとした。
振り返って行こうとすると目の前に孝天が立っていた。
「・・・・なんだ?あいつら・・・」
思わずあたしは彼の顔を見た。
不機嫌で今にも後輩達に何かを言いそうな雰囲気だった。
「ちょ、ちょっと。こっち来て!」
思わずあたしは彼の腕を掴んでその場を離れた。
「何で隠れるんだよ?あんなこと言わせといて良いのか?」
あたしの手を振り解いて孝天はあたしに言った。
「・・・良いから。あそこで言って雰囲気悪くしても仕方ないでしょうが。」
「それにさ、良いのよ。あたし解ってるから。自分の立場をさ。使われてても構わないし。」
「だからって・・・俺は嫌だね・・・何もしないくせにああいうこと言う奴は。」
「あたしが良いって言ってんの!」
思わずあたしは強い口調で彼に言い放った。
「それにさ・・・あたしだってこれで引き下がらないってぇの。
ちゃんと最後は手伝ってもらうし。ね?だから今は何も言わない!いいね?」
「・・・・解った・・・でも俺は丸く収めようとするのは嫌いだな・・・・」
「あたしだって好きじゃないけどさ。ま、いいから。」
あたしは洗い場に戻るために食器を運んだ。
「お疲れ~!皆楽しかった?」
「あ、先輩!美味しかったです~!先輩料理上手なんですね~」
「そう?なら良かった。でもあたし片付け得意じゃないんだよね・・・」
「え?そうなんですか?」
「うん。洗うから拭いてくれる?そこのタオルで。」
「自分で食べたものくらい拭かないとね~。一人何枚かで終わるし。
それに何もしないと男の子に何も出来ないって思われるけど?
総務課の片桐君は家庭的な子が好きだって言ってたっけ・・・
さっき話してた孝天も片付け上手が好きだって言ってたっけな・・・確か。」
「あ、ハイ。手伝いますね。」
後輩達は一番人気の片桐君や孝天目当てなので急いで手伝い始めた。
「あ・・・皆で片付けてんの?皆結構家庭的なんだな・・・」
丁度タイミングよく噂をしていた片桐君があたしたちの様子を見に来た。
「おう!孝天!今女の子たちが片付けしてくれてるんだよ。」
「あぁ・・・見れば解るよ。」
事情を知っている孝天は呆れた顔でその様子を見ていた。
あたしは思わず苦笑いをしながら作業を続けた。
片付けも終わり陽も暮れかけた頃現地解散となった。
後輩の女の子達はそれぞれお目当ての男の子の車に乗り込んで帰って行った。
あたしは自分の車で来ていたのでのんびりと皆を送り出しながら
最後にもう一度忘れ物がないか見ながら辺りを歩いていた。
「・・・・寒くなってきたな・・・あ・・・パーカー・・・」
孝天に貸したパーカーのことを思い出した。
「ま、いっか・・・あ・・・シャツも忘れてってるよ。代わりにこれ預かっとくか。」
あたしは彼のシャツを手にした。
「おっきいなぁ・・・パジャマみたいだよ。」
あたしは笑いながらシャツを広げて自分の身体にあててみた。
「さてと・・・あたしも行こうかな・・・そろそろ。」
「お疲れ・・。」
声がしたので振り向くと孝天が立っていた。
「あれ?先に帰らなかったの?あ、シャツ忘れてたよ。パーカーは会社でも良かったのに返すの。」
「何か・・・置いてかれたかも。俺。」
「嘘?そんなわけないでしょ?人気あんのに。」
「・・・・なんだそりゃ?人気って・・・」
「女の子達に一緒に帰ろうって言われなかった?」
「は?言われたからって帰ることないし。」
「変な奴。」
「ほら。全然飲んでないだろ?俺酒もう抜けてるから。飲んで。」
そう言いながらあたしにビールを手渡した。
「あ・・・そういえば全然飲む暇なかったな・・・でも車だから良いよ。」
「あ、俺が運転するし。ほら。飲みなよ。」
「・・・・じゃぁ遠慮なく。頂きますか。」
そう言ってあたしがビールを開けたとたんビールが吹き出してあたしの服がびしょびしょに濡れた・・・
「・・・・ひょっとして・・・お返しとか?」
そう呆然としながらあたしが彼に言うと大笑いしながら孝天が言った。
「これでおあいこだろ・・・ま、俺の振り方のほうが強かったみたいだけど。」
「・・・・ガキくせぇ・・・時間考えてやんなよ・・・寒い・・・あたしのパーカーは?」
「・・・・同じ部署の女の子に渡した・・・」
「渡したって・・・ちょっと・・・」
「俺のシャツ着れば?」
「・・・大きすぎて暖かくないよ・・・ブカブカだし。」
「車に何かあったっけか・・・」
「とりあえず車に戻るまでほら・・・」
そう言いながら孝天は自分の着ていたパーカーを脱いであたしに羽織らせた。
「大丈夫だよ。寒いから着てなさいよ裸でいるなんて怪しいって。」
「強情だな・・・んじゃこうするかぁ・・・」
そう言った孝天は自分がパーカーを羽織ってからあたしの背中にまわってパーカーを広げて
あたしを包み込んだ。
「ちょ、ちょっと・・・良いってば。」
思わず驚いたあたしは逃げようとしたけれど彼の腕があたしの身体に回りこんでいて逃げれなかった。
「少しは暖かいだろ?ほら・・・車まで行くぞ。」
二人羽織のような格好であたしたちは車へ戻るために歩きだした。
彼の素肌があたしの背中に触れていることに気づいてあたしはドキドキしていた。
ビールの匂いと彼のパーカーからほのかに香る香水の香りであたしは酔っていた・・・
「まったく・・・年下の癖に・・・」
「ん?」
「・・・・なんでもない。何かビールの匂いで酔った・・・」
「はいはい。もうすぐ車だから我慢して・・・」
「何か・・・眠い・・・」
「はいはい。一人で準備したりしてたからだな・・・お疲れ。ほら。車についたぞ。運転は俺がするから。」
「ん。何かあったっけか・・・あ、ブランケットがあるか・・・」
あたしはブランケットを取り出して羽織った。
「ほら・・これ着ろよ。俺はシャツ着るから。ブランケット借りるし。」
「大丈夫。」
「それともTシャツ脱いでブランケット一枚になる?・・・俺は別に良いけど?」
「・・・・パーカー借りる。見ないでよ。」
「はいはい。」
あたしは濡れたTシャツを脱いで孝天の大きなパーカーを急いで着た。
孝天は乾いた自分のシャツを着る所だった。
「あ・・・ピアスなんかついてる・・・身体に。ほんとやんちゃしてたんだね。」
「あ?これも昔ね・・・ほら。ブランケット貸して。」
「あ、はい。」
「送ってくから。家どこ?」
「あたしの家からどうやって帰るのさ?」
「は?タクシー呼ぶよ。んで?どっちに向かえば良い?」
「あ、とりあえずここ出て右に曲がって。」
「ん。了解。」
あたしは助手席で運転をする彼の横顔を見ながらパーカーの彼の匂いをかいでいた。
「あ、タバコ良いかな?」
「ん?別に構わないよ。灰皿そこね。あたしも吸おうっと。」
「は?タバコ吸うんだ?知らなかったな・・・」
「まぁね。普段あんまり吸わないけど。会社では吸ってないし。」
「ふーん。何で?」
「別に。忙しいから吸う暇ないし。仕事終わったら吸えば良いしさ。」
「なるほど・・・あ、道どっち?」
「あ、このまま真っ直ぐね。・・・お腹減ったなぁ・・・」
「殆ど食わなかったろ?どっか寄る?まぁその格好じゃなぁ・・・」
「コンビニ寄って貰って何か買おうかなぁ・・・」
「ん。了解。」
あたしたちは側のコンビニへ車を停めた。
「何か欲しいものは?買ってくるけど。」
「ん~。俺も腹減ったからな・・・水とあとなんか食うもの。」
「ん。ご飯?パン?」
「・・・お任せで。」
「ハイ。了解。ちょっと待ってて。」
あたしは店内に入り暖かい肉まんとあんまんを買った。
水とコーヒーもとりあえず買って車に戻った。
「お待たせ~肉まんとあんまんどっちが良い?」
「肉まんとあんまんかぁ・・・どっちも捨てがたい・・・」
「んじゃ半分こね・・・とりあえずどっち食べる?」
「肉まんで。」
「ん。はい。どうぞ。」
半分にわけた肉まんを孝天に手渡してあたしは残った肉まんをほおばった。
「ん~!美味しい。温かいねぇ~幸せ感じる~」
「ホント会社と全然違うな・・・」
「ん?何が?」
あたしは肉まんを口に入れながら孝天に尋ねた。
「普段はこんなに子供っぽいとは・・・何か年上とは思えないな。」
「・・・・悪かったわね。今は会社じゃないし。」
「ん。何か可愛いな・・・」
「また・・・可愛いとか言うし。年上に言う台詞じゃないでしょ・・・」
「年上でも可愛いもんは可愛い。」
「・・・・あんまん食べてやる・・・」
あたしはあんまんを思いっきり齧った。
「あぁ~!全部食うな!」
「・・・・ざまぁみろ・・・もう齧ったもんね~」
「・・・・年上とか関係ないじゃん・・・やっぱガキくせぇ・・・」
「美味しい・・・甘くて最高!」
車を路肩に停めて孝天はあたしのほうを向いて呆れていた。
「・・・・半分よこせ。」
「齧ったから駄目だもんね~」
そうあんまんを口に咥えながら答えたあたしに孝天はいきなり近づいてきた。
「別に・・・齧ってあったって平気だし。」
そう言いながらあたしの咥えていたあんまんに思い切り齧り付いてきた。
あたしは驚いてそのままされるがままでいた。
「ん。やっぱりあんまんは濃しあんに限る・・・美味い。」
「半分は俺の分だからな・・・もう一口。」
そう言いながら思いっきり大きな口を開けてまたあんまんに齧りついた。
あたしの口元にあったあんまんは一気に減っていた。
・・・・あたしの分まで食べられる・・・あたしは慌てて残りを食べてしまおうと急いだ。
「ちょっと待った!もう一口だけ!」
孝天が慌ててまた近づいてきた。
ギリギリのところであたしは自分の口にあんまんを全て収めていた。
ざまぁみろ!あたしはそう思いながら孝天を見て笑っていた。
孝天は一瞬驚いていたが次の瞬間少し笑いながらそのままあたしの口元に近づいた。
あたしと孝天の唇が触れていた・・・
「ごちそうさま。あんまんよりもっと旨いもん貰った。」
「・・・・信じらんない・・・」
「そっちがあんまんを食べちゃうからだろ・・・」
「・・・・まぁそうだけど。」
「それに俺はあんまんよりこっちのほうを狙ってたし。」
「・・・・あのねぇ・・・」
「年上とか関係なくないか?普段はこんなに子供っぽいのに・・・」
「そうだけどさ・・・あたしホント今まで知らなかったし。孝天のこと。」
「まぁ部署違うし。当たり前だけどな・・・俺は結構気になってたけどなぁ・・・」
「まさか年下から言われるとは自分で思ってなかったしねぇ・・・」
「ホントノーマークだったわけよ。孝天は。」
「ノーマークねぇ・・んで今は?」
「ん?そうだなぁ・・・」
「まだそれほどって感じだなぁ・・・俺もまだまだってことだね。」
「そうだ・・・ちょっと寄り道して良いかな?」
ふいに車を出して孝天があたしに尋ねてきた。
「ん?寄り道?何か用事あんの?」
「見せたいもんがあんの。この近くに。」
「ふーん。良いよ。家帰って寝るだけだし。」
「きっと気に入ると思うよ。」
そう言って孝天はあたしに笑いかけた。
車は道から少し外れた高台に着いた。
そこは町を見下ろせる駐車場だった。
「うわぁ~!綺麗!こんな場所良く知ってたね?」
あたしは思わず車から降りて景色を眺めた。
「良いだろ?たまに一人で考え事したい時に来るんだ。」
「ふーん・・・そうなんだ。秘密の場所ってやつだね?」
「ま、秘密って訳じゃないけどな。」
孝天もブランケットを身体にかけながら車から降りて眺めていた。
「さすがに上にくると寒いな・・・」
「あ、パーカー借りててごめん。ブランケットじゃ寒いよね・・・」
「ん?平気。」
「・・そうだ!・・・ちょっと待ってて。確かあったはず・・・」
あたしは車のトランクからバーベキューで使った水と車に乗せてあったポットとキャンプコンロとコーヒーのセットを
用意して孝天の元へ戻った。
「水が残ってて良かった。捨てるの忘れてたんだ。コーヒー飲まない?」
「へぇ・・・車に乗せてるんだ?」
「ん。こういうの好きだしね。」
あたし達はコーヒーを入れる間夜景を眺めていた。
「何か不思議だね・・・こうやって二人でコーヒー作ってるのがさ。」
「ん?そうか?まぁそうかもなぁ・・・」
「ん。もう出来たかな?熱いよ。気をつけてよ・・・」
あたしはコップにコーヒーを入れて彼に手渡した。
「・・・・美味いな・・・」
「ん。美味しいね・・・あったまるし。」
そう言いながらもあたしはパーカー一枚だったので思わず身震いをした。
「・・・・やっぱ寒いんじゃない?ほら・・・」
「そっちはシャツでしょ?大丈夫だよ。」
「いいから・・・こっちに寄って。」
孝天は自分が座っていた場所の前にあたしに座るように言って
後ろからブランケットであたしの身体ごと包み込んだ。
「ひゃぁ~!温かいけど・・・」
「けど?ひょっとして照れてる?」
「・・・・まぁね。さすがに照れるかな・・・この状態はさ。」
「正直だな・・・ホント可愛い。」
「・・・また可愛い言う・・・」
「だって、本当に可愛いし。」
「・・・・可愛いなんて言われると思わなかった。久々に聞いた。」
「ん?なんで?」
「久々に普段の自分を人に見せた気するし。」
「そっか・・・」
「なぁ・・・まだ俺ホントにノーマーク?」
そうあたしに尋ねながらブランケットの下の腕をあたしの身体に回した。
「うーん・・・最初にあたしに付き合ってって言ってた頃よりはノーマークじゃないかな。」
「そっか・・・何か嬉しいな・・・」
「うん。何かホッとするよ。孝天にこうされてると。」
「ホッとされるのもどうかと思うけどな・・・男としてはさ。」
「ん?そうかな?」
「ドキドキされるほうが嬉しいな・・・何かさ。」
そういいながらあたしの肩に顎をおいて孝天が言った。
「あ・・・それはドキドキする・・・何か。」
あたしは彼の息使いを耳に感じて赤くなった。
「それは嬉しい台詞だな・・・俺としては。」
そう言いながらあたしを強く抱きしめた。
「もうさ・・・ホント・・・年下とは思えないよね・・・」
「ん。年とか気にならないし。年上でも可愛いもんは可愛い。」
そう言ってあたしの髪をなでながら耳元で囁いている。
「・・・・ねぇ・・・どうしてあたしなの?」
「ん?またその質問?」
「うん。どうしてもわからないんだよね。他に可愛い子いっぱいいるし。」
「・・・凄い気がつくし。いつでも生き生きと仕事してる姿見て素敵だと思ったし。」
「それに今日の姿見たらさ・・・惚れないのがおかしいでしょ・・・」
「そうかな・・・」
「ん。キスしたくなる・・・」
「うん・・・あたしもキスしたくなった・・・」
あたしは思わず自分から孝天にキスをした。
孝天はあたしを抱きしめながらあたしの唇を受け入れていた。
孝天もあたしの唇を軽く噛みながらあたしの口元に舌を滑り込ませる。
あたしは彼の暖かい舌先を自分の舌で捕まえてお互いを味わう。
もうあたしは彼のぬくもりから離れたくないと感じていた。
唇を離したあたしは孝天を見つめて言った。
「・・・・あたしさ・・・甘えたがりだよ?きっと疲れるよ・・」
「ん。構わないし。会社では見せない顔俺だけに見せて欲しいし。」
「杏奈・・・俺と付き合ってくれる?」
「年下に呼び捨てにされるのも悪くないかもね・・・うん。」
「俺は杏奈が好きだよ・・・」
「うん。あたしも孝天が好きだよ。」
あたし達は二人でブランケットに包まりながら少しずつ消えていく
街の明かりをいつまでも見ていた・・・