伊之助と玉治郎 | まつすぐな道でさみしい (改)

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 大関から体調を崩し、序二段まで陥落しながらも3度目の優勝🏆で大関返り咲きを返り咲きを決定付けた照ノ富士と、その姿を土俵下で見守る伊勢ヶ濱親方(第63代横綱・旭富士)どちらも悪人ヅラってところが感動に拍車を掛ける😭

 ここ何場所か、私はずっと照ノ富士を優勝候補筆頭に挙げていたのだが、ようやく照ノ富士の大関返り咲きが決まりそうだ。

 正直いって現在の大関陣・貴景勝、朝乃山、正代と比べると、廻しの取り方・差し手の返しなど、その技量に於いて大きな差があり、ようやく本物の大関がその地位に返り咲いたと言えるだろう。

 しかしながら横綱・鶴竜の引退もあり、今場所での照ノ富士優勝をもって、いよいよ欠場を続け批判の的となっている横綱・白鵬の引退が遠のいたという見方も出来る。

 横綱・照ノ富士待望論も出て来るとは思うが、元関脇・安美錦(安治川親方)を思わせる、あの分厚い膝のサポーターを見る限り、本人も上がってしまえばもう後のない横綱昇進は望まず、体調を整えながら、大関の地位で相撲を取り続けることを考えているのではないかと思うし、29歳との年齢から考えても、もう暫く現役で活躍する姿を見せて欲しいと思う。
 

 

 ここのところの休場続きで、横綱のくせに潔く無い! 金の為に横綱の地位にしがみついている! モンゴル人だから日本の風習を理解出来ない! などと、人種的な偏見も絡め、批判の的に有る横綱・白鵬ではあるが、一人横綱の時代を含め、外国出身力士でありながら長らく日本の大相撲を支えて来てくれた功績を忘れてはいけない。


 そして横綱の引き際というのは、この横綱・千代の富士と貴花田のように、次の時代を託せる若者の出現で漸く、その重荷を下ろせるものであって、今回の照ノ富士を押し切ることの出来ない貴景勝を見れば分かるが、現・大関陣に次期・横綱候補が見当たらない状況では、いくら批判を浴びようが白鵬としては引くに引けない状況に追い込まれてしまったとも考えられないだろうか?



 少し話が逸れてしまったので千秋楽に戻すと、不幸なことに、この序二段まで陥落した男が大関返り咲きを決めるという感動の大一番は、結び前! プロレス流に言えばセミファイナルに組まれていたのだ。




 この日、もし照ノ富士が貴景勝に敗れるようなことになれば、優勝決定の巴戦に持ち込むという可能性を残した星取では致し方ないことではあるが、照ノ富士が優勝を決めた後のなんちゃって大関2人による結びの一番など、観客が興味を無くしてしまって当然なのだが、そんな不穏な空気の中で行われた一番で意外な人物が立ち上がる。


正 代 - 朝乃山(春場所千秋楽) | 特設 大相撲取組動画正 代 - 朝乃山(春場所千秋楽)の取組動画です。NHKがお伝えする大相撲・幕内の取組を動画でご覧いただけますリンクwww3.nhk.or.jp


 ご覧の通り、この一番は何ということも無い取り組みで朝乃山が勝利を収めるのだが、あの男達の活躍で一気に観客の注目を惹き付け、ネットニュースに取り上げられるまでに注目を浴びることに成功する。


  土俵際で朝乃山に転がされる正代に素早く駆け寄った式守伊之助は、脚を絡めて土俵下へ転落。頭を打ったのか、すぐに立ち上がることが出来ず(せず?)館内は騒然となる。


 この第41代式守伊之助の巻き込まれは、私が子供の頃に見せられた、初代ジョー樋口レフリーを彷彿させる素晴らしい伝統芸であるのだが、更にここから大相撲の凄みを見せ付けられる。



 プロレスならばここで暫く試合がストップするところなのだが、このとき土俵下で伊之助の巻き込まれ芸を見つめるサブレフリー・第6代木村玉治郎が咄嗟にとって代わり、土俵に上がると何事もなかったように朝乃山に勝ち名乗りを上げ、結びの一番を締め括るという好連携をみせ、この後の表彰式へと滞りなく繋げている。



 今から遡ること68年前、関脇・力道山が大相撲を廃業して興した日本のプロレスではあるが、この2人の行事によるレフリング技術など、まだまだプロレスは、大相撲から学ぶべきことは多いのではないかと考えさせられる一番であった。