インド映画の名作。原題は「Sir(旦那様)」
田舎出身で19歳の時に夫を亡くしたラトナ(ティロタマ・ショーム)。
大都会ムンバイの建設会社の御曹司アシュヴィンの元で住み込みメイドをしています。
稼いだお金はほとんど田舎の妹の学費用に送金しています。
未亡人は田舎では「人生終わっている」ことにされますが、彼女の夢はファッション・デザイナー。
御曹司アシュヴィンはニューヨークに留学していたこともあり、カースト制度に拘らないリベラルな考えの持ち主。
インドの富裕層は欧米の生活様式ですが、メイドや運転手たちは台所の床に座って手づかみで食事をしています。
アシュヴィンはラトナに恋に落ちますが、スカッシュ仲間の友人は諭します。
「彼女の身にもなれ」
「一生メイド上がりだと言われて苦しむ」
友人の忠告は最もで、一番苦しむのはラトナです。
ラトナもわかっています。「一番悲しむのは旦那様のお母さまです」。
「まだ“旦那様(サー)”と呼ぶのか」という悲しむアシュヴィン。
ラトナが彼を名前で呼ぶ日は来るのでしょうか。