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必死のパッチ (幻冬舎文庫)
494円
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「ボクは十二歳にして、ひとりぼっちになってしまった。」(単行本95頁)
麒麟の田村裕「ホームレス中学生」が2007年発売、その翌年2008年に刊行された“必死のパッチ”。
11歳で母親が蒸発、その後、父親が家を出ていき、中学1年生で一人暮らしを始めた松本貢一少年。
借金取りに脅かせれ、家の電気は止められ、食べ物もなくなり絶体絶命…。
「すごく身近なところにボクを拾う神が二家族も存在した。」(104頁)
「ボクが育ったあびこという町は、ボクにとって町全体が孤児施設みたいなモンだった。」
「みんながまだ裕福ではなかったからこそ、みんなで支え合って生きていた」(以上131頁)
昭和40年代の下町は皆力を合わせて生きていました。
赤塚不二夫の“もーれつア太郎”の夕焼けのシーンを思い出してしまいます。
「ボクには怖いモンはもう何もあらへんがな。」
「電気止められたかって、落語があるがな!」(以上175頁)
必死のパッチでサバイバルする松本少年。
ハングリー精神という言葉も久しく聞かれなくなりましたが、まさに「艱難汝を玉にす」るのでしょう。
「すごい遠回りをしたけれど、ボクは落語と出会うために親に捨てられたんじゃないか?」
「落語の神様が、ボクを落語に出会わせるために仕組んだ試練だったんじゃないか?」(以上176頁)
日本には至る所に神様がいます。必死のパッチで頑張る人を見捨てるはずはありませんね。
