【小説】恋のトビラ

「non・no」で掲載されていたラブストーリーのオムニバス作品。
テーマは「トビラ」というよりも「初めての…」の方がしっくりする♪
短い通勤時間にぴったりの長さで借りたんだけど、(通勤で読むことなく)サクッと読んでしまった…
石田衣良「ドラゴン&フラワー」
角田光代「卒業旅行」
嶽本野ばら「Flying Guts」
島本理生「初恋」
森絵都「本物の恋」
石田衣良はこうゆうオムニバス形式にはかなりの確率で顔を出し、しかもトップバッターに起用されることが多い。
オムニバス小説のイチローやぁ(笑)
エッセイに書いてあったけど、この手の短編小説はいくらでも書けるらしい。
確かにどこにでもあるようなエピソードをドラマチックに仕上げるのが上手い!!
でも安定した実力の維持から脱却して欲しい作家の一人です。出せばそこそこ売れる環境がそれを許さないんだろうけど、「ブルータワー」の感動をまた味わせてほしい。
あれっ、いつの間にか「石田衣良」批評になってる…
「ドラゴン&フラワー」
二十歳間際の女子大生が処女を捨てれずにいるところ、女の噂が絶えないドラゴンこと龍児に心惹かれるストーリー。
自分だけを見てくれる人がいいと女性は言うけど、どこか危なっかしい男に惹かれちゃうんよなぁ…
角田光代「卒業旅行」
大学の卒業旅行に女3人で行ったものの、自分だけが受け身で、自由行動に行きたいところがない。
お金が貯まっては旅する男に出逢い、見知らぬ場所に向かう大切さを知る!?ストーリー。
これが一番つまらなかった。
危うさがないんよね。
嶽本野ばら「Flying Guts」
運が悪い、タイミング悪いOLが同僚の激とガッツ石松に後押しされて、気になる男性にアタック(メール)するストーリー。
ガッツ石松を引き合いにして、しかも恋の始まりがガッツのおかげというのが面白い!
また、ガッツは只のバカじゃないと戒める同僚が素敵です。
島本理生「初恋」
声がきっかけで恋に落ち、不眠症の先輩を寝かせられる無二の存在であったが、先輩の闇に気付きつつ、ストッパーにはなれなかったストーリー。
これも危なっかしい男に惹かれるパターン。
また陰のある、何か秘密めいてる人は魅力的だよな…
森絵都「本物の恋」
本物の恋を気付かせてくれた男性に、8年ぶりに偶然会い、思わぬ事実を知らされるストーリー。
これが一番良かった!!
この短いストーリーにサプライズを仕込むのはやられました♪
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
恋に恋して、一人が寂しくて好きでもない男と付き合うという痛い恋愛をしていた女子高生が夏祭りにある出来事に遭遇した。
妊婦と中年男性のカップルを陰から怪しく見つめる彼を発見した。
彼も女子高生に気付き、何故かカップルのふりをしてつけることに。
中年男性がトイレに行く間に、妊婦が人波に押され、よろけたところを、怪しい彼が助け起こす。
そして中年男性が戻り、重い空気に…
中年「来てたのか」
彼 「邪魔するつもりはない」
妊婦「助けてくれたの…」
女子高生はカップルのふりでそこへ割り込む。
妊婦「いい人ができたのね」
彼 「うん」
「だから心配しないで」
妊婦「よかった」
彼 「それだけ言いたくて」
妊婦「ありがとう」
彼 「どうか彼を幸せに」
その後、一度も後ろを振り返らず歩いた。
止まった途端に、ドサッと倒れ、号泣していた。
気が付くと女子高生も泣いていた。
こんな恋がしたいと、これほどに激しく誰かを愛してみたいと…
それから瞳のどこかで彼を捜していた。
8年振りの再会で主人公は当時、子供を堕ろしていた事を告白する。
だから妊婦の人に目が行ってたと。
そして彼の恋人が登場。
年上の髭を蓄えた男性が…
彼はモーホーだったんですね(笑)
これも「本物の恋」ですね♪
俺も号泣するほど誰かを愛したい。
けど、悲しくて号泣だと、いい年齢なんで次に進むの辛くなるから、嬉しくて号泣したい♪
でも、それでもいいかも…本物の恋が出来るなら
(^з^)-☆
森絵都の作品は初めて読みました。
この作品のクオリティなら読みたくなりました。
【小説】あの子の考えることは変/本谷有希子

芥川賞ノミネート!
汚くって可愛い、前代未聞の青春エンタ!
「……実はずっと巡谷に隠してたことがあるんだ。」
「何。」
「症候群の、潜在的悪さについての話なんだけど。」
「うん。」
「あれ、私が引き出されてるのは臭さと手記の書けなさだって言ったよね。」
「言ったね。」
「本当はもう一個ある
んだ。」
「……。」
「性欲。私の性欲がすごい勢いで強くなってるんだ、ダイオキシンのせいで。」
Gカップの「おっぱい」を自分のアイデンティティとする23歳フリーター・巡谷。
アパートの同居人は、「自分は臭い」と信じる「自称・手記家」の23歳処女・日田。
ゴミ処理場から出るダイオキシンと自分の臭いに異常な執着を見せ、外見にまったく気を遣わない変人・日田のことを、巡谷はどうしても放っておけない。
日田だけが巡谷の「男への異常な執着」や「気が触れそうになる瞬間」を分かってくれるのだ。
変なことばかり考えている二人だけれど、ゴミ処理場のダイオキシンが二人の変なところを益々悪化させているような気がするけれど、二人が一緒にいれば大丈夫。
情けなくってどうしようもなく孤独な毎日もなんとかやっていける――。
登場人物が主人公・巡田のセフレ!?横チンとバイト先の女子大生たぶっちゃん、姿は見せないが隣部屋にすむゲシュタポとわずか5人の世界でのストーリーです。
誰しも何かしら持っているコンプレックスを全面に押しだして生きている二人の同居生活。
街ですれ違う綺麗なあの人や可愛いあの娘も、きっとほんとは主人公・巡田て同じようにコンプレックスと戦いながら生きてるかなと感じてしまった…
また、女同士がキレると収集つかないのはよく分かります♪
意外にも性描写がなかったんよ。横チンというセフレが出てくるのに…
横チンが彼女と別れさせるために、徐々に太らせて、醜い姿にさせようという愛情は屈折してるけど、わかる気がする♪
まずいかな(^∀^)>
【映画】きみがぼくを見つけた日

ラブストーリーの名作「ゴースト/ニューヨークの幻」の脚本を手掛け、アカデミー賞に輝いたブルース・ジョエル・ルービンには、映画化するならどうしても脚本を手掛けたい小説があった。
それは、異なる次元に引き裂かれる恋人たちの切ない運命に全米が泣き、NYタイムズベストセラーリストに28週連続トップ10入りの快挙を成し遂げた純愛小説だ。
ヘンリーは、時空を旅する男。自分の意思とは関係なく、過去と未来を行き来してしまう。いつ、どこへ行くのかは、彼にもわからない。
最初の旅は、まだ幼い頃だった。母親の車に乗っていた時、事故に遭う瞬間に過去へと移動した。
母の死から立ち直れない父親とは疎遠になり、恋人も友人も作らないと決めたヘンリーの心を慰めてくれるのは、過去で会える母だけ。
しかし、何度試しても、あの日の事故を止めることはできなかった。
心の傷と、誰も信じてくれない秘密を抱え、ひとりぼっちの人生を送っていたヘンリー。
ある日、過去に舞い降りた彼は、野原に隠れているところを一人の少女に見つけられる。
彼女の名前は、クレア。
純真無垢な6歳の少女は、ヘンリーの「未来から来た」という言葉を、すぐに信じる。
その日から、ヘンリーはクレアの前に頻繁に現れる。
裕福だが多忙な両親に相手にされず、淋しい想いをしていたクレアの親友になり、何か悩みがあれば相談相手になってくれた。
少女から女性へと移り変わる季節の中で、クレアのヘンリーへの想いは、信頼からときめきへと変わっていく。
「いつか必ず、同じ時空で会える時が来る」ヘンリーの言葉を胸に抱きしめ、クレアは待ち続けた。
そしてついにクレアは、若きヘンリーとめぐり会う。
自分のすべてを受け入れてもらえる喜びを知ったヘンリー。
少女時代の“理想の恋人”に再会し、運命に感謝するクレア。
二人は、時空に引き裂かれる障害など忘れたかのように、まっすぐに恋に落ちる。
「失ったら耐えられない存在は、作るまい」と思っていたヘンリーは、母の形見のリングを手手に、クレアに結婚を申し込む。
「何千回でもイエスと言うわ」初めて愛した人の答えは、ヘンリーの心に永遠に刻まれた。
しかし、幸せに目隠しされていた二人には、見えなかった・・・
愛すれば愛するほど、時空に引き裂かれることが、どんなに辛いかを。
映画を観た日は、台風が近づいているせいか空席たくさん有りました。
久々の洋画です。(7月のフランス映画を除いて)5月の「天使と悪魔」以来かぁ…
どんだけ邦画好きなんかなぁと改めて再認識です。
でも、いい映画!
素敵なラブストーリーいやヒューマンドラマやった。
タイムスリップする主人公はいつ、どの時代に行くかわからない。
でもタイムスリップするのは自分の身体だけ、服やお金は持って行けない。
だから、タイムスリップ先でまずするのは、不法進入したり、人を殴ってでも服を手に入れること。
この設定があるからこそ、主人公は後に奥さんとなるクレアと出逢い、交流することになるんだろうけど、司書の仕事なんてできないよなぁ。
いつその時代に戻ってくるかわからないし、その時代で仕事が続いているかもわからないからね。
まぁ、細かい矛盾は目を瞑ります♪。
結婚式で主人公がタイムスリップのせいで急に年を取ったり、また若返ったりとはやり過ぎでしょ!
辛かったのは子供が流産するくだり。
タイムスリップの血をひいてるため、子宮にいる胎児のうちにタイムスリップしてしまう。
その命がタイムスリップ先でどうなっているかなんて、想像したくない。
主人公は何度も流産するクレアを気づかい、子供は諦めようと諭すが、彼女は諦めない。
クレアの身体を心配して、主人公は相談もなくパイプカットしてしまう。
その癖、その苛立ちを隠せずタイムスリップ先の若かりしクレアのファーストキスを強引にして、彼女を傷つけてしまう。
その罪悪感を隠せず、タイムスリップから戻ってきた世界でパイプカットを告白してしまう。
でもクレアは強い。いや女性は強く逞しい!!
若いパイプカットをする前の主人公とHをして、妊娠をしてしまう♪
執念ですなっ。
無事産まれた娘は「アルバ」、時を司る神様のネーミングはグッドやねん(^.^)
アルバは行く時代をコントロールできるらしく、主人公がいつ死ぬかを教えてくれる。
死期を知った彼はその日、大事な仲間を読んで、パーティーを開いた。
ほんとこうゆう状況は羨ましい。
死期を知れば、今までお世話になった人、愛する人にお礼とお別れがちゃんとできるんだもの…
不謹慎かも知れないけど、余命○日という死に方ならそれもできるのかな。
この映画でちょっと残念だったのは、クレアが主人公に恋する流れがシーンとして弱かった。
きっと小説はそのくだりが有るんだろうけどね。
ラストは、主人公が死んで数年後の話。
クレアは主人公が死んでからも、生きている頃の彼が逢いに来ると信じて待っていた。
抱き締めた温もりが最後だとしても、心残りはないだろうなぁ…
そんな素敵な映画です。
期待してなかったこともよかったのかも(笑)
